遊園地

今日はいい天気だ!まさに行楽日和!そして…今日は俺の傍らに愛らしい天使がいるのだ!コレを楽しまなくて何を楽しむというんだ!!!
「カシ!行こう!!!」
「はーい!イ…じゃなくて!ルカ!」
名前を呼べないのは辛いが、かわいらしいイルカ先生…しかもまだ小さい!!!…こんなステキなものを堪能できるのだ!多少のことには目を瞑る。
それにしても…こんな美味しい任務につけるんだったら、もっと早く上忍師になっとくんだったな…!!!
今回はアカデミーの行事に上忍として参加している。つまりコレは任務なのだ。
アカデミー生たちはチームに別れ、広大な敷地を有する遊園地であるこの木の葉ランドの中を探索し、隠されたポイントを回り、総得点を競う。
見つけにくいポイントほど点数が高く、必ずしも建物など、動かないものに仕込まれているとは限らない。チェックポイントの中には、 変化した教師を見つけることも含まれていて、勿論点数も結構高い。それに、チェックポイントによっては暗号でヒントが書かれているものもあるので、 知恵も体力も運も必要だ。
で、そのチェックポイントの一つが俺な訳だ。今回から上忍も試験的にこの演習に参加することになった。
つまり…イルカ先生が変化するなんてことを聞いたら是非とも参加したくなった俺の努力の成果が今ココに実った!ということだ。
しかもさりげなく子どもに変化するように誘導することにも成功した!!!
因みに…アスマと紅もどっかにいるはずだが、別に何に変化するのかは決まっていないし、興味もないので、邪魔さえしないでくれれば 勝手にいちゃついてればいい。…多分ウワバミに引きずられたクマがどっかでひどい目に合ってるくらいだろうが。
「次はアレに乗りたい!」
「うん!じゃ、こっちからこう行って…」
地図を持ってぴったりくっ付いてくる子ども体温なイルカ先生…最高です!!!
演技なのか遊園地に興奮しているのか、地図を食い入るように見て、イルカ先生はアトラクションを選んでいる。なんてかわいいんだ…!!!
一応俺も子どもに変化しているが、アカデミー生たちが俺を見つけることはありえないだろう。いつも覆面してるし、子どもの頃の俺を知ってるやつもいないはずだ。
ヒントとして俺の髪の色だけは教えてあるらしいが、いざとなったら術使って隠れてもいいっていわれてるしね。俺たち上忍は一応いるけど、 どっちかっていうと大物狙いの生徒をかく乱するためにいるんだし、いざとなったら裏技使うし。…っていうかいくつかすでに仕込み済みだ!!!
つまり…二人っきりでいちゃいちゃデートなのだ!!!
…子どもだっていうのがちょっとアレだが、こういう時でもないと子どもなイルカ先生は拝めない!ちゃんと記憶と瞳に焼き付けておかなくては!!!
「わぁ!!!でっかいなぁ!!!」
イルカ先生はジェットコースターに乗る気のようだ。忍である俺たちにとって、アレはあんまり楽しいもんじゃない気がするが、イルカ先生が楽しそうにしている ので、勿論俺も一緒に並んだ。
…今日は平日なのであまり人がいないのだが、やはり一番人気なだけあって、結構待ちそうだ。
「ルカ!何か食べる?待ってる間、暇じゃない?」
持参の弁当かお菓子でも…とイルカ先生の方を見たが、回転しながら絶叫している客を見て、真っ黒な瞳をキラキラさせている。
…ほんとに好きなんだなぁ。必死な顔が…色々思い出させてちょっとまずいことになりそうだ。
「え!ああ!なに?」
慌ててこっち向いてくれたけど、ちらちらジェットコースターの方を見ていて、相当楽しみにしているのが良く分かる。…だからその顔は…!
「楽しみだね!」
ついつい我慢で傷子どもらしさを装って、抱きついてみた。ああ…やわらかい、あったかい、かわいい!!!思わず力いっぱいぎゅうぎゅうしてしまったが…
…反応が無い。
「?イ…っと!ルカ?」
「えと!なんでもない!」
あら真っ赤。…そんな顔しちゃって!ああもう!この場から攫っちゃいたい…!!!
いや…一応今は任務中…!子どもなイルカ先生じゃ怪我させちゃいそうだしな。
…大人に戻ってから、かわいいイルカ先生を堪能することに決め、今はさりげなく手をにぎって我慢することにした。
順番が回ってくると、さっきまで照れていたイルカ先生は待ちきれない様子で勢い良く先頭の座席にすわった。勿論俺も一緒だ。
「あ!こら!走っちゃ駄目だよ!」
「はーい!ごめんなさい!!!」
係員に注意されて一応謝ってるけど、…こっち向いてチラッと舌見せるのは反則です!!!
…うっかりそのままむさぼりつくところだったが、係員が元気の良すぎるイルカ先生を警戒してか、さっさと固定バーを下ろしてしまったので出来なかった。
ま、今一応任務中だし、他ヤツにイルカ先生のかわいい顔見せたくないからいいんだけど。
「えと、カシ!楽しみだな!」
「そうだね!」
いつもみたいに手をにぎっておいたけど、全然気にしてないみたいだ。落ち着き無く足をばたばたさせている。
「みなさーん!出発でーす!しっかりとバーをにぎっていてくださいね!」
うそ臭い笑顔の係員などどうでもいいが、イルカ先生が顔を真っ赤にしているのが…俺の方が大興奮です!!!
にぎって…そうだにぎってもらうのもいいかも…!!!
俺が心持前かがみになっていると、ガコンと音を立ててジェットコースターが動き出した。
「やっほー!!!」
出発段階からこのテンション。かわいいな!!!こんな乗り物はどうでもいいが、こんなにかわいいイルカ先生は一秒たりとも見逃せない!!!
その後も大きなカーブや落下のときに、きゃあきゃあ言って喜んでいるイルカ先生を眺め倒して楽しんだ。しかもそういう時は手をぎゅっとにぎると にぎりかえしてくれるので、そっちも十分味わうことが出来た!!!
「楽しかった!!!」
「ホントに!!!」
未だに顔を紅潮させたイルカ先生は、凄く楽しそうにしている。
「次!コーヒーカップと、メリーゴーランドと、フライングカーペットと…」
次々と乗り物の名前を挙げるイルカ先生は、もう走り出しそうなくらいだ。
「じゃ、近いトコから回ろっか!」
いざ行かん!!!次なるベストショットのために!!!あと…もってくれ!俺の理性!!!
*****
今日はうちのよめと一緒に遊園地に来ている!
…まあ任務なんだが。
でも!ちょっとデートみたいでドキドキする…!よめと二人っきりで出かけることなんて買い物くらいなので、こういうのは新鮮だ!!!
…しかも!よめが…よめが凄くかわいいのだ!最初に変化した姿を見たときは、子どもの頃からキレイだったんだな…と驚きのあまりしばし呆然としてしまった。
しかも!ジェットコースターでは怖いのか手をにぎってくるし!!!さっきからずっと手をにぎってるし!!!何だか視線も…。
…よめの愛くるしさにやられて、どうにも照れてしまう。さっきから顔が赤くなってるんじゃないかと思うが、よめはちゃんと子どもな演技を忘れていないので 俺も元気なフリを装った。でも自分でもちょっと興奮しすぎてるのがわかるから注意しなくては…。
それにしても…さっきからすれ違う顔をそれとなく見てるけど、全然生徒たちに会わない。どこにいるんだろう?まあココは広いから散らばってる生徒たちに 会わなくてもおかしくはないか。
こういうところは久しぶりだし、あんまりにもよめがかわいいので、うっかり任務を忘れて楽しんでしまったから、ひょっとするとそれが返って良かった のかもしれない。それに変化といっても、いつもアカデミーで教えている俺が、自分たちと同じ子どもになってるとは思わないのかもしれないな。
…動物や他の先生に変化したことならあるんだが。
…とにかくこうなったら思いっきり子どもらしく遊んだ方がいいかもしれない!!!
一緒にいるよめの横顔をみて、ドキドキしながらそう思った。
*****
…イルカ先生は凄かった。
コーヒーカップで高速回転しすぎて首が折れちゃうんじゃないかというくらいになってるのに、それでもまわし続けたのだ。
…途中から係員が止めたのか、まわしてもそれ以上早くならなくなったが、それでもすごい勢いで回していた。あんまり楽しそうなので制止できず、 ねっとりと視姦してしまった。
その後もメリーゴーランドでも一緒にかぼちゃの馬車に乗ってたのに、立ったり座ったりして落ち着かず、途中で係員に注意されていた。
子どもには興味がなかったつもりだったが、ついつい半ズボンからちらちらする太ももに注意がいってしまったので、イルカ先生にはかわいそうなことを してしまった。
ま、イルカ先生の方はさっき俺を魅了したイタズラっぽい表情を見せてくれたから、気にしてないんだろうけど。
で、今は二人一緒にフライングカーペットから降りてきた所だ。
イルカ先生はやっぱり興奮しちゃってて、きゃあきゃあ言っててかわいかった!!!んだが…さっきより顔が赤くなってて目なんか叫びすぎで潤んじゃってて 任務放棄しちゃいそう…。
とにかく!俺はそんなかわいいイルカ先生を、その辺の奴らに絶対に見せたくなかった。ので。
「ね!暑いよね!ちょっとそっち行かない?」
すかさずそういって、イルカ先生をさりげなく人気の少ない茂みに誘導した。
このシチュエイション…ちょっといけない気持ちになりそうだ…。
「ん…そうだね。ちょっと暑いかも。」
胸元…胸元見えてますよ!!!ああ…もういいよね!!!俺我慢したし!!!
「わあ!涼しいと思った!!!噴水だ!!!」
ああ!イルカ先生が!!!きらきら輝く水にキラキラしたイルカ先生…!最高です!
でも白い服着てるのにソレは…!ぬれちゃった服が透けて色々丸見えだ…たまらん…!!!
「冷てっ!カシも!こっちおいでよ!気持ちいいよ!!!」
はい勿論!!!って言うかこのままここで全部頂いてもいいですか!!!
「ルカ!」
はしゃいだフリをして、しっかり抱きついて濡れた服越しの手触りを楽しむ。
「あはは!くすぐってぇ!」
「えへへ!」
イルカせんせ…かわいいなぁ!!!それにやわらかい!あったかい!きもちいい…!!!…いろんな意味で。
「よっし!お返しだ!!!」
「わ!」
イルカ先生が俺にも水をかけてきた。イタズラっぽく輝く瞳にもう俺は…!!!
「あら!イルカ先生!そっちはカカシ?」
「あ。」
ちっ!ウワバミか!ってなんで男?…ってことは、そっちの女は…アスマか?元を想像するとぞっとするが、上忍なだけに変化が上手いな。 普通にそこそこ見られる顔だ。
「あ、駄目ですよ!ばれちゃう!」
イルカ先生が…折角の子どもモードからアカデミー教師モードに戻っちゃった…。くっそ!ウワバミめ!!!
「大丈夫よ!アカデミー生ならさっき他の先生を追っかけてたから。ずいぶん大漁だったわよ?それにしても…イルカ先生は昔から かわいいかったのねぇ!!!お肌つるつる!!!…カカシは昔っから生意気な顔だったのね。」
「紅先生もかっこいいですね!…そちらの方は?」
「あー…俺だ。」
「アスマ先生?!」
イルカ先生が気づかないのも無理は無い。…結構普通に可愛いのがめちゃくちゃイヤだな…。元を想像すると吐きそうだ…。
「女装趣味…?」
「だれがだ!!!…こっちの方がバレにくいだろ!!!」
「そうそう!!!」
ああ、ウワバミにクマが騙されて、餌食になったんだな。勝手にやってくれる分にはいいが、邪魔は許せん!
「ここに固まってるとつかまっちゃうかもしれないじゃない!俺たちはちょっと涼んでくからさっさとどっか行って。」
さっさと追い払おうとしたら、予想外のところから返事が帰ってきた。
「ああ!そうか!」
あああああ!!!イルカ先生はいいの!!!このうるさい邪魔者を追い払いたいだけなのに!!!
「イルカ先生は俺と一緒にいましょう。ホラ子ども一人でこんなトコにいたら、目立っちゃいますから。ね?」
びっくりした顔をしたあと、悲しそうにうつむいていたイルカ先生の顔にそっと手を伸ばし、そのまま耳元でささやいた。
「まあ一理あるわね。」
「あーごちそうさん。行くか。」
ふぅ…行ったか。せっかくイルカ先生の同僚君(イルカ先生の隣の席と言う栄誉にあずかってる)を生贄にしてまでアカデミー生を 撒いた意味がなくなる所だった。
「ねえイルカ先生。そろそろ追いかけっこタイムは終わりでしょ?」
ポイント集めは確か昼までで、その後は自由時間があったはず。
「え?ああ!もうこんな時間だ!」
慌てるイルカ先生…かわいいなぁ…!!!子どもなイルカ先生があたふたしてるのも可愛いし、足が!ちらちら見えるきわどいラインが!
…ああ…!早くイルカ先生を楽しみたい…!
「そろそろ観覧車とかどうですか?ほら、一周するのに時間かかるから、今からならちょうどよさそうでしょ?…楽しみにしてたんです! イルカ先生と一緒に乗りたいなぁ…。」
観覧車なら周りから見えないし、変化といていちゃいちゃしてもいいし、そのままいちゃいちゃしてもいいし、密着していろいろしたりもできる…!!!
さりげなくイルカ先生にプッシュしてみる。ちょっとおねだりすれば、イルカ先生なら乗ってくれるはず!まあ、後で別のものに乗ってもらいますけどね!!!
「そうか…!えーっと、大体まわったかな。…じゃあ、見つからないように…」
「はい!」
…計画通り…!!!このままいちゃいちゃ観覧車プレイだ!!!
*****
子どもなよめが、あんまりにもかわいらしかったので、ついついテンションが高くなってやり過ぎてしまった。確かに途中までは生徒たちから隠れるためには 仕方ないんだと思っていたんだが、気がついたらかわいいよめと遊園地で二人っきりというシチュエーションに興奮して、ついつい遊び倒してしまった。
…それでも俺に合わせてついてきてくれるよめ…!!!なんて出来たよめなんだ!どんなときでもいつもニコニコと側にいてくれるよめは最高だ!!!
そんなよめからのかわいいおねだり…かなえないわけには行かないだろう!!!
まあ本音を言うと、俺も夫としての沽券があるので、ちょっと考えるフリとかしてみたが、本当は俺の方が乗ってみたかったのだ。
なにしろ、もしよめさんが出来たら遊園地でデートして、観覧車に一緒にのるのが俺の憧れだったんだ!
一緒に眼下の景色を眺めたり、ゆっくり語らったりしてみたい…!!!
…おっと!またやっちゃったな。落ち着かないと!
「はい!足元うごきますから気をつけてくださいね!」
「「はーい!」」
案内の人のよめとそろって返事をして、ゴンドラに乗り込んだ。俺の正面によめが座っていて、何だか嬉しいんだがちょっと照れる。
「ふぅ!」
「ここなら生徒たちも追って来れないでしょう。もうちょっと高いところまで行ったら変化といてもだいじょぶですね!!!」
よめが嬉しそうに言ってくれた。確かにこの姿じゃちょっと格好がつかないな。
…でも、今授業中なんだよな…。ポイント集めは多分あと2、3分で終わるんだけど…。
「でも、もうちょっとこの格好じゃないと駄目かな?外からまだ見えちゃいますもんね。」
「一番てっぺんまで行ったらちょっとだけ変化ときましょう!」
よめがちょうど良く助け舟を出してくれた!てっぺんまで結構時間がかかるから、その頃にはポイント集めは終わる。追いかけっこ中の同僚には悪いが ちょっとだけ許してもらおう!
俺が一人納得していると、よめがやさしい瞳でこっちを見ていた。
…そんな瞳でみられると、照れてしまいそうだ。
「イルカ先生って、子どもの頃から変わってないんですね!…優しそうだし、元気そうな所が変わってない…。」
しみじみそう言うよめの方が変わってないじゃないか!
「そっちこそ!かわいい所も、きれいな所も、優しい所も…変わってない!」
思わずちょっとけんか腰みたいな言い方になってしまったが、事実なので譲れない。うちのよめはかわいいしきれいだし優しい!子どもの姿を してたってコレは変わらない。
「ふふ。…嬉しいな…!」
そうやって微笑むよめは、外見は子どもなのに、妙に色っぽい。
…中身が大人だからなのか、それとも小さい頃からこんなに色っぽかったんだろうか…?もしそうなら、恋敵はまだまだどこかに隠れているかもしれない!!! 気をつけなくては…!!!
「イルカせんせ?どうしたの?」
思わず難しい顔をしてしまっていたらしい。…せっかくの観覧車だ。楽しまなくちゃな!
「なんでも。…キレイだなぁって。」
「ああ確かに景色いいですね!火影岩の上より遠くが見えるかも。」
「ああそうじゃなくて。カカシが。」
そういったら、抜けるように白いよめの肌がピンク色に染まった。…こういうところもかわいいなぁ…!!!
「も、もう!イルカ先生ったら…!!!」
そういって照れているよめと、しばし一緒に外を眺めて楽しんだ。…自分で言っておいてなんだが、しゃべるにはちょっと恥ずかしいからな。 それにこうやって手をつないでるだけでも幸せだ…!
「あ、もうすぐてっぺんに着きますね!」
よめにそういわれるまで気付かなかった!…よめと一緒にいると時間が早くすぎるなぁ…。時間がいくらあっても足りない。
…時計を確認すると、もう追いかけっこの方も終わっていた。
「そろそろいいか…。」
「そうですね!…じゃ、せーの!」
タイミングを合わせ、二人一緒に変化を解いた。…ちょっとゴンドラが揺れたけど、このくらいなら大丈夫だろう。
「ふふ。イルカ先生だ!」
「うん。」
変化を解いたよめが側にいる。子どもの姿だったよめもかわいかったけど、やっぱりいつものよめが一番だ!!!
…なんだか急にドキドキしてきた…。よめが側にいるといつもそうだが、こういう所だとなおさら心臓が落ち着かない。
「ね、イルカ先生。ちょっと側に行ってもいい?」
ゴンドラは子どものときは広いように感じたが、今の姿だと、ひざがくっ付きそうだ。
…これ以上側によるってどうやるんだろう?そう思ったので正直によめに聞いてみた。
「どうやって?」
そう聞いたとたん、腕を引かれてひざの上に乗せられた。いつの間にかよめがゴンドラの真ん中に座り込んでいたので、バランスは大丈夫そうだ。
ちょっとびっくりしたが、確かに重量が偏らないようにするには、こうするのが一番だ!流石うちのよめ!!!
…優しいし頭がいいし気がつくし…最高のよめだが、やっぱり恋敵は多そうだ…。やはり気をつけなければ…!
…それにしてもこの体制だとよめが近すぎて緊張する。背中から体温が伝わってくるし、よめの息がちょっと耳とかうなじとかにかかって、 そのたびにちょっと身体がビクッとしてしまう。
「…ね。イルカ先生。こうすれば大丈夫でしょ?ちょっと景色は見づらいけど、外からは見えないし。」
よめの声が耳元で聞こえてドキドキする。…どうしてうちのよめはこんなに色っぽいんだ!!!
「イルカせんせ…ちょっとぎゅっとしていいですか?」
俺が顔を上げられないでいると、よめが背中からぎゅっと俺を抱きしめてきた。
「あ…。」
「もうちょっとだけ。こうさせて?」
よめの声が耳以外のところにも響いて、身を震わせていると、それに気づいたよめの空気が、さっきと変わったのが分かった。
「…ごめんなさい…ちょっとだけ!」
「んん…!」
よめに顎を持ち上げられて、キレイな顔が俺に近づいてくる。
…気がついたら濃厚な口づけを交わしていた。
よめが苦しいくらい一生懸命に、俺にすがり付いてくる。ちょっと息ができなくなりそうだ。…でも。…気持ちいい。
「っ!…はっ…」
「ん。…あ!ごめんなさい!!!」
ピンク色に染まって色っぽい顔をしたよめが、必死な顔で謝ってきた。
…が、よめが止めてくれなかったら俺のほうがちょっとやばかった。…うちのよめがかわいいのがいけない。ついつい歯止めが利かなくなるな…。
「大丈夫。あ!でもそろそろ!」
気がついたらもうてっぺんから大分下の方に移動している。急がないと!
「あ。…もうこんなに!…じゃ、そっち戻れますか?」
「よいしょっと。これでいいかな?」
「じゃ、せーの!」
よめと一緒にまた子どもの姿に戻った。これで係員の人に怒られないで済む。
「ふふ。もうちょっとだけこの格好ですね。」
「もうみんな自由時間だし。あいつらどうだったかな…?」
結局この格好が良かったのか、生徒たちに一度も見つからなかったんだが。
…もしかして全然だめだったりしないよな…?同僚が追っかけられてたって言うから、全員駄目だったわけじゃなさそうだけど…。
「きっと大丈夫ですよ!さっきクマ…アスマと紅が同僚さんを追っかけてたみたいだって言ってたし!イルカ先生は子どもの格好だったから 見つかりにくかったんだと思いますよ?」
「そう、かも…。」
確かに別の人物に化けるのは考えても、子どもの姿じゃ分かりにくいのかもしれない。そう思ってこの格好になったんだし。
チャクラはそのままだから、気をつけていれば分かるんだが、生徒たちは思いつかなかったかな?
「はーいお疲れ様でしたぁ!」 係員の人が扉を開けてくれたので、またよめとそろってゴンドラを降りた。
「じゃあそろそろ行きましょうか!集合場所!」
「あ、そうだった!」
一旦みんなの所に戻らないと!
子どもの姿のよめと一緒に、急いで集合場所に向かった。
*****
イルカ先生はとにかくかわいかった…!!!
もっと色々したかったけど、はにかんでるイルカ先生を観察するのに夢中になっちゃったし、イルカ先生が生徒のことを気にしてるって分かったから我慢した。
…完全に我慢は無理だったけど…。
あのときのイルカ先生を前に、ここまで我慢できたんだから褒めて欲しいくらいだ!!!あんなにかわいくて、色っぽくて…おいしそうだったのに…!!!
ま、今日帰ってからのプレイ内容は取り合えず、びしょぬれ浴衣プレイで行こう!!!子どもの姿のイルカ先生もいいけど、やっぱり濡れた布越しの イルカ先生が…!
…今から凄く楽しみだ!!!
「おお、イルカ。」
「あら、イルカ。」
俺たちが集合場所につくと、クマとウワバミが変化したまま先に来ていた。
…気持ち悪いな…クマ。…せっかく今日のイルカ先生のベストショットを反芻してたのに…!!!
「アスマ先生!紅先生も!どうでした?」
「結局誰も気付かなかったわね。」
「そうだな…。」
クマ…その格好で落ち込むな。…何かあったんだろうけど、元がアレだと思うと気持ち悪いんだよ!
「あ!おい大丈夫か?!どうしたんだ?!」
イルカ先生がそう呼びかけているのは、さっき散々追いかけられていたはずの同僚君だ。
…ちょっと幻術使って目立たせちゃったからなぁ…。なんていうか…ボロボロ?
「お、おお…大丈夫だ。俺は大丈夫だ。だから…もう、そっとしておいてくれ…。」
着ぐるみ姿に変化しているが、動きがずいぶんとよたよたしている。
…中身がちょこっと見えちゃうのってやっぱりやりすぎだったかな?でも、毎日イルカ先生の隣に座ってるんだから、コレくらい当然だな!!! しかも今だって心配されてるし!!!
「あれ?誰?」
「最初見た人なんていないぞ?」
「イルカ先生、ほんとにいたのかなぁ…?」
「見つけたのって、一人だけだったよな?」
生徒たちがざわざわし始めた。そろそろいいかな?
「おーいみんな集まったか!!!」
イルカ先生が変化を解いて、生徒たちにそう呼びかけたら、びっくりしたらしくて一斉に騒ぎ出した。
「ええええええ!!!!!」
「先生なの?!」
「うっそだぁ!!!」
「ちっさい先生って…!」
あ、最後の要注意だな。…俺のイルカ先生は確かにかわいいけど、すでに全身余すことなく俺のものだ!!!
「そろそろ私たちもいいかしら?」
「あ、はい!おねがいします!」
「行くわよ?」
「おう。」
「あーはいはい。」
紅の号令で一斉に変化を解いたら、今度は言葉も出ないようだ。目をまん丸にして、全員が驚いている。
ま、アカデミーの先生たちと違って、紅たちはチャクラも変えてたしね。
…俺はそのままだったけど、イルカ先生と一緒の所を邪魔されない様にちょっと細工したし。
「みんなびっくりしただろう!これからしっかり修業すれば、いつかはこうやって変化できるようになるぞ!!!そのためにはちゃんと変化するもの を良く知らないと駄目だからな!外見だけじゃなくて、どうやって動くとかの特徴も良く観察すること!」
「「「「「はーい!!!!!」」」」」
生徒たちがイルカ先生の話に集中している。…よっぽど驚いたんだな…。俺は実戦から入ったから、こんなのは当たり前だけど。
「それにな!みんなが見てて驚いただろうけど、知ってる人に変化するだけじゃなくて、自分の大人になった姿とか、女の人が男の人になったり、 あと、動物にもなれる!今日一緒に参加してくださった上忍の先生たちみたいにな!どうだ!みんなやってみたくなったか?」
イルカ先生がどんどん説明しているが、そのたびに生徒たちが目を輝かせている。
…こういう教え方はいいのかもしれない。必要だからってだけで、術をおぼえてきたけど、こうやって自分からやってみたいって思ったら、 きっとやる気が出て、頑張る様になるんだろう。
…俺もイルカ先生に教わってたら、変わってたんだろうな…。
「すごいね!」
「…やってみたい…!」
「猫になったらいろんなトコにいけるし!」
「悪いことしたらいけないんだぞ!」
「任務につかうんだもん!」
「イルカ先生にもなれるよね?」
生徒たちはすっかり変化に夢中だ。…やっぱり最後のヤツ要注意!!!子どもじゃなければ抹殺ものだ!!!
「さて!チームごとに結果を報告してもらおうか!」
さっきからどうしてイルカ先生ばっかりしゃべってるんだろうと思ってたら…同僚君がぐったりしてるからか…。
ま、相当な人数にもみくちゃにされたんだろうから無理も無い。イルカ先生が先生してるところがみられるからいいけど、こういうカッコいい所は 独占しときたいな…。
またざわざわし始めたが、結果はどのチームもそこそこの成績だったようだ。
…というか、例の同僚君はしっかり全チームにつかまってしまったらしい。落ち込んでたので、ちょっとやりすぎたかなと思ったが、 イルカ先生に慰められていたので…また次の機会があったらそれ相応の対応をしようと決めた。
「よーっし!みんな良く頑張ったな!これからは自由時間だ!でもな…遊びで変化は禁止だぞ!!!」
「「「「「はーい!!!!!」」」」」」
生徒たちはいい返事を返したが、あの瞳を見ていれば、この約束が守られないのは明白だ。
だから、これから俺たちのお仕事は、この子達のイタズラ防止になるんだけど。
「ふぅ…。では済みませんが皆さん後もう少しご協力お願いします!!!」
イルカ先生がぴょこんと頭を下げた。頭の尻尾がかわいい…!…もう持って帰っちゃ駄目かな…?駄目なんだよな…?今は我慢か…。
「アレじゃきっと大変ね?毎年。」
俺が落ち込んでいるというのに、紅が俺のイルカ先生に気安く話しかけている。何なんだ!
「はは!いつものことですので!あ、でも気をつけてください。多分術やってみせてほしいって言ってくると思うんで。」
イルカ先生も明るく返してるけど、紅なんかに気を使わなくてもいいのに…。
「あら。それくらいならかまわないけど?」
「…あいつみたいになりかねないので…。」
ふと見ると、同僚君はすっかりつぶれている。…戦力外は確定だな。
「…気をつけるわ。…アスマ!行くわよ!」
「あ、ああ…。」
アスマが妙にぐったりしてるんだが、何があったんだか?ま、クマのことなんかどうでもいいけどな。
「イルカ先生。俺たちも行きましょうか?」
邪魔者が去ったので、早速イルカ先生の隣に並んで、手をにぎった。
「あと少し!頑張りましょう!!!」
イルカ先生もかわいく返事してくれたので、もうちょっとだけココで我慢してもいいかな…と思った。
*****
今日は楽しかったな!!!ちょっと同僚が心配だが、毎年捕まったらああなるのは覚悟してたはずだから、多分大丈夫だろう!
結局さっき解散した生徒たちは、早速マスコットに変化したり、鳥になろうとして不思議な形の生き物になったり、女子が男子に変化して、 他の生徒を脅かしたりと色々あったが、みんなそれなりに勉強になったようだ。
全員そろって校舎で反省会をしたら、明らかにみんなの瞳が違っていた。この勢いがあるうちにできるだけ術を教えて、でも暴走するとどうなるかも 良く理解させないといけない。
そんなことを考えていると、俺の隣歩いているよめが、ニコッと笑って話しかけてきた。
「イルカ先生!子どもの姿もかわいいですけど…やっぱりイルカ先生が一番いいな…!」
…よめは相変わらず俺を喜ばせるのが上手い。そんなことは俺の方が言いたい!
確かに子どものときのよめはその辺の子どもとは一線を画すかわいらしさと美しさと聡明さを兼ね備えていたが、やっぱり今のよめには敵わない。 かわいさも、やさしさも。
でも時々向けられる熱い視線だけは今のよめと同じだったから、一緒にいてちょっとドキドキしたのは秘密だ。
「今日は、楽しかった!!!」
よめにはそれだけ言っておく。…ちょっと照れくさいからな。
「えへへ。…帰ってからも…楽しみましょうね!!!」
そうだな。帰ってからも、今日のことを色々話したい!流石うちのよめは気がつくなぁ…!!!
今日も俺は幸せな気持ちで、夕日の輝く家路を急いだのだった。

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イルカ先生ご降臨祭り2nd!!!です。
遊園地に行ったのはずいぶんと前なので、中身が大分怪しいですが…。
いちゃいちゃでお祭です!!!と言い張っておきます…。
…密かな目標は…可愛い子イルカでした…。

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