贈り物 おまけ
「ところで、あの贈り物はなんだったんですか?」
やっとたどり着いた自宅で、やはりついてきてしまったカカシにお茶を勧めてから、 イルカは気になっていた、ことの発端である贈り物のそもそもの意味を問うた。
「イルカ先生のプレ誕生日プレゼントです。」
カカシは胸をはって自身満々にいったがやはり意味が分からない。
「ぷれ?」
(なんだそりゃ?) 「誕生日の1週間前から贈り始めて、今日というかもう昨日ですね。が本番です。本番のプレゼントはもちろん俺です!」
(相手の都合は全く考えてないんだなぁ。)
今後の道のりの困難さを思いながら、イルカは根気強く躾することにした。
「まあ受け取ってしまったので良いことにしますが、贈り主も書かずに何に使うかわから ないものを贈るのは普通不振がられますよ。」
(大体最初はいたずらだと思ってたよ。) 「あれー。お役に立つかとおもったんですが…。やっぱり分かりにくかったですかねぇ。 薬石にー、薬草にー、限定品のスイーツにー、後はヒクイドリの羽!あとはー」
(薬石?)
適当にその辺りからもってきたものだと思っていたが、、それを聞きイルカは真っ青になった。
(そうだった。このひと突拍子もないことするんだった…。)
聞くのも恐ろしいと思いながらも、イルカは恐る恐る聞いた。
「ちょっと待ってください。あのーアレはそのひょっとしてかなり価値のあるものですか?」
イルカの顔色も気にせず、カカシは飄々と答えた。
「んーそこそこですかねぇ。ちょっととってくるの難しいものが多いですが。ヒクイドリの羽は… まあ手に入らないかも知れませんねぇ。もってると火除けになりますよー。それ以外はちょっと 遠いですがまあ取りに行けないこともないかな?スイーツも2年位前から予約しとけばいいし。」
(上忍のちょっと遠くって相当なんじゃ…。クッキーの空き缶に入れて仕舞ってたよ…。)
今は火影屋敷においてあることにほっとしながら、イルカはさらに顔色を悪くした。
「昨日のは、あんまりイルカ先生がうれしそうじゃなかったからー。わかりやすいものにしてみました! 現生が一番って言ってたから!」
(見られてたよ、聞かれてたよ!いつから?いつからなんだ!?)
イルカは、いまさらながらカカシの異常さを知り、しかも自分のうっかり発言まで聞かれていたことに、 いっそ意識を手放しそうになった。
「名前を書かなかったのはー。名前がないほうがどきどきしてもらえるかなと思って。」
子供のように無邪気な笑顔で笑うカカシに顔を赤くしながら、イルカはこっそり心の中でつっこんだ。
(違う意味でどきどきしちゃいました。)
「あの、誕生日おめでとうございます。末永くお願いいたします。」
カカシが頭をペコッと下げた。どちらかというと背が高いのにかわいらしく見えるのはどうしてだろう。 上目遣いにイルカを見上げ、もじもじ体ゆすっているも、イルカにはかわいらしく見えた。
(まあ惚れた弱みか…。)
またちらちらとこちらを窺うカカシを、イルカは安心させてやることにした。
「こちらこそ。返品不可ですから!」
(躾が大変そうだけど。まあカワイイからいいか。)
目を潤ませながらおずおずとイルカの手を握ってくるカカシの手をそっと握りかえし、イルカは微笑んだ。


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おしまいー。
…ごめんなさい。
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