クリスマスの変態 おまけ


確かに油断はしていた。変態の発言と行動にうっかり脱力なんかしたのは大失敗だと分かっている。
…だが、この状況…!
「俺、いっぱいっぱいいーっぱい!頑張りますね!」
鼻息も荒く俺に圧し掛かっているのは、もはやトナカイですらなく、ただの全裸の変態となった駄犬。…つまりテンションも股間も性欲も全開の無駄に腕の良すぎる変態上忍だ。
それに対して、俺はさっきまで投与された薬物のせいで寝込んでいて、しかもまだ副作用らしき眩暈を伴う浮遊感でぐらぐらしている。
…この段階で、やり倒されるのは覚悟した。
諦めたかったわけじゃないが、どう考えてもここから逃げ出すのは無理だろう。残念ながらベッドの下に常備してある鞭を振るう体力も、駄犬を言いくるめられるだけの思考力も、駄犬相手にがむしゃらに向かっていくための気力すら萎えきっていたからだ。
だが、…絶対に意地でもヤツの野望を阻止する!
普段強いられている行為さえ、俺にとっては精神を消耗させられることこの上ないというのに、さらにあんな…ヤツの上に乗るなんて…羞恥で発狂しかねない。
「おい駄犬!俺は…っ!」
乗る気もないし、頑張るなと言うはずだった口を、俺はとっさにふさいだ。…無様な声を出したくなかったからだ。
股間に顔をうずめた変態が、それはもう上手そうに俺のモノをしゃぶっている。元々コイツはこれが好きだ。うっとりと目を細めてまるで極上の飴でも舐めるように根元から先端までじっとりと舐め上げ、喉の奥まで迎え入れてはすすっている。一滴でも零さないとでもいうように。
つぼを得たその動きは俺に快感を興すには十分すぎた。
回数をこなすごとに無駄に上達していくような気がするのは気のせいだろうか…?
しかも、ついでとばかりに緩く広げられた俺の足にぴったりと変態が乗り上げて、その指先にヤツのいきり立った物体までこすり付けられているのだ。…不愉快極まりない。
「ふっ…んぅ…!」
意地でも出して溜まるかと、太腿に力を入れて耐えた。本当なら蹴り上げて踏みつけて追い出したいが、俺の大事な部分がヤツの口内に迎え入れられている以上、下手な抵抗は危険だ。
…驚いたヤツに噛み付かれでもしたら、俺の精神と息子が別の意味で昇天してしまいかねない。
ソレを分かっているからか、変態はすぐさま次の手に打って出た。
腰骨の上やへその穴までねっとりと撫でさすっていた変態の手が、俺の足の間に突っ込まれたのだ。
「もっろ、きもひよふふるんでふ…!」
「くっ…あ…っ!馬鹿、しゃべるな…!」
下手に喋ったりなんかされたから、もごもごと不規則に動く舌が更に俺を刺激してしまった。ふぅふぅ必死になって俺の股間に顔をうずめながら、滴る変態の唾液が俺の足の間を伝いソコを湿らせているせいで、変態の指先が触れるだけでくぷくぷと卑猥な音が立つ。
そんなところを弄られるコトに不本意ながら慣れて久しい。入り口をに指先を入れられるだけで、これから与えられるだろう快感を予想したからだが勝手に震えた。
それは普段から俺を苛立たせてはいたが、それでも…ここまで激しい物じゃなかったはずだった。殴るのは無理でも怒鳴る位の抵抗は出来たはずなのに。
あまりの気持ちよさに言葉が出てこない。
いつの間にか俺の口から吐き出されるのは駄犬をののしる言葉でも、怒声でもなく、ただただはぁはぁという荒い呼吸だけに変わっていた。
涙が出た。ただそれだけしか出来ないというコトに。そしてその快感に。
あまりにも思い通りにならない体に、嫌な可能性に思い当たった。そう、今更ながら気付いたが、恐らくまだ例の薬…風呂場で吸った方じゃなくて、飲み込まされた方が残っているかもしれないのだ。
それにぞっとすることもできずに、変態の執拗な愛撫の精で、腰からジワリと沸きあがった熱が全身にヒタヒタと広がっていく。
見たくも無いのに視界に入る駄犬が、ソレを見てにやりと笑った。
「うっあぁっ!」
ぐっと押し込まれたのはただの指だったのに。…無駄に上忍の駄犬はいつものように外すことなくソコを抉った。視界に火花が散るほどの衝撃。
…頂点を求めて暴れ始めた熱に逆らえず、俺は腰を震わせて吐き出していた。
ごくりと何かを飲み下す音があからさまに卑猥で、視線なんか合わせたくないのに見てしまった。
変態がそれはもう美味そうに愛おしそうに、俺の股間にむしゃぶりついている所を。
「ふう。ご馳走様でした!イルカ先生はどこもかしこもいつだって極上でおいしくて、俺を魅了してやまない…!」
舌なめずりするなり、延々ととんでもない代物の感想というか味わいまで語られて、いつものことと言えど、怒りと羞恥でどうにかなりそうだ。
「黙れ…っ!この駄犬が…!」
一度吐き出したせいか多少身体のだるさもましになったのに助けられて、抉るように拳を突き出すと、変態はにこやかに俺の腕を引いた。
威力を利用されてそのまま…気がつけば膝の上に…!
「ささ、どうぞ!俺のも食べごろです!!!」
あまりの状況に呆然とする俺の手に、しっかり育ったというか、帰ってきたときから鋭く天を突く角度にいきり立っていたそれを握らされそうになった。
「ぎゃあ!何しやがる!」
俺の股間に接触しそうなほど近くに不愉快な代物はそそりたち、膝から降りようにもがっしりとつかまれた腰はびくともしない。
そうこうしている間にも、ゆっくりとその可愛げの無い物体は俺のしりに近づいて…!
ぬるっとした物が内股に触れた時は、悲鳴をあげそうになった。
「ああ、怖がらないで…?大丈夫ですよー?もっともっともーっと!沢山沢山気持ちよくなってもらってから入れないと、俺のじゃイルカ先生が怪我しちゃいますから!」
優しげな口調と瞳とは裏腹に、俺の中に残されたままの指が言葉どおりのことを実行し始めた。
ぐるりとまるで回された指はソコを広げ、そして感じすぎるソコをいたずらに嬲った。
そもそもそんなこと、欠片も求めてねぇ!
「っ…!そんなの、いらん…!降ろせ…!んっ!」
震える自分の足だけでは体を支えられなくて、縋りつける物といえば欲望に染まりきった瞳で笑う駄犬だけ。見せ付けるように白く長いその指を舐めて、それがさっきまでどこに突っ込んであったのかを考えるだけでも得体の知れない震えが走っていまにもくずおれそうだ。
ソレが何かなんて考えたくも無いのに。
「おいしい…もうイルカ先生はサイコーです…!!!」
「この、変態が…!」
…だがこのままコイツに体重を預けでもしたら、そのまま突っ込まれそうで恐ろしかった。
変態の想像する上に乗るというのがどこまでを指すのかわからないが、これもある意味上に乗っていることになりかねない。
うっとりと俺を見つめる変態の瞳は血走っていて、興奮しきっているのは明らかだし、ヤツの手による謎の薬物の力を借りて、とんでもないことをされそうだ。
不本意すぎるにも程があったが、せめてもの抵抗にヤツの無駄に潤沢で逆立った銀髪をひっぱり、縋る背に爪を立て、肩口に噛み付いてやったが、変態は喜ぶばかりだった。
「イルカせんせ、そんなに欲しい…?ね、もっとですよね…!」
そういうと、変態は俺の胸元に頭を寄せた。髪の毛がちくちくして、変態の荒い呼吸が肌を滑っていく。
嫌な予感がして殴りたいと思っても、手を離せば変態の思惑通りになるだけだ。ずっと擦りつけられ続けているソレがどこを目指しているのかなど考えるまでも無いのだから。
「ふっ…うぅ…っいぁ…!」
胸元に埋められた頭がもさもさと俺の顎をくすぐって、ねっとりとしたものが、うなじも、胸元もまるで味わうように執拗に這っていき、興奮に染まり始めた俺の体は簡単に追い立てられた。
今は俺にこすり付けられているソレを模したかのように、変態の指は激しく出し入れされていて、変態の腹が狙ったよう一度吐き出しても萎えない敏感な先端を擦り上げて行く。…もう、どちらを拒めばいいのか分からなくなってしまった。
そうして…二度目の絶頂が近づくのをなすすべもなく受け入れようとしていたとき、変態がずるりと指が抜き出された。
「あ…?」
あと少しだったのに。
一瞬でもそう思ったコトに羞恥で扮しそうになったが、変態はにこっと笑った。
「とろんとろん…欲しいんですよね…?」
ひたりと押し当てられた熱い肉がぐっと押し込められた。だが先端だけ入り込んだそれは、まるで焦らすようにそれ以上動かない。
「ん、あ…あ…っ!も、…離せ…!」
欲しいと、思ってしまったのは事実だ。…だが俺の理性は欠片だけになってもソレを言葉にすることを許さなかった。
飲み込もうと動いてしまいそうな己の腰を、変態の体を押し返すことで堪えようとしたのだが…。
まるで食い入るように、変態が俺の顔を見つめて、呆けたような顔をしている。
何だか分からないが、今なら逃げ出せないだろうか?疼く奥を持て余すコトになっても、こいつに屈服するよりずっとましだ。
「イルカ先生の顔…も、もうたまりません!」
「あぁ…っ!?」
抜き出そうとしていたソレが一気に俺を貫いた。ほぼ同時に視界が真っ白に染まって…気持ちイイというよりその衝撃で吐き出してしまった己を知った。
震える足は一度脱力してしまうともはや立つこともできず、俺はただ、放出の余韻で震えることしか出来なかった。
「気持ちイイ…!ああ、出しちゃったんですね…?ふふ…でも、足らない?」
「え、あ…?」
変態の言葉が理解できるほどの思考力は残っていなかったのだが、その不穏な雰囲気だけは感じ取れた。身じろぎすることも出来ずに見つめた先で、変態がうっとりと飛び散った熱の残滓を掬い取り、舐めている。
逃げなければ。
その理由さえ思い出せないのにそう思うのに。…脳髄が蕩けてしまって、骨なんか残っていないんじゃないだろうか?歩くどころか、深々と己の中に埋められた凶暴な肉棒に貫かれたまま、ただその変態を前に呆けている。
じわじわと思考力が失われていくのが、薬のせいなのか、度重なる放出のせいなのか…。
分かっているのは、変態がこれで満足するわけが無いというコトだけ。
「蕩けすぎちゃって動けないかなぁ?俺も、1回出させてもらってから、一緒にもっともっと気持ちよくなりましょうねー?」
幼子にするように頭をなでられて、屈辱だと思う間もなく揺さぶられて…訳のわからないうちに腹の中がやけどしそうなほど熱い液体に満たされて…。ほぼ同時に俺から飛び散った物が変態と俺を汚した。
「なんで…こんな…!」
遠のいていく意識をそのまま沈み込ませてしまいたかったのに、変態が度重なる絶頂に敏感になりすぎた体に手を滑らせれ、ソレを阻む。
「も、そろそろかなぁ?」
暢気な口調に苛立ちを覚えたが、そんなコトより恐ろしいことが…!
俺の腰を支えたままの変態が、ベッドに体を横たえた。 つまり、にこやかな変態とつながったまま…!?
「も、駄目だ…!」
それ以上事態を理解したくなかった俺は、さっさと途切れかけていた意識を手放すコトにしたのだった。
「あ、飛んじゃったかなぁ?気持ちよくなったら目、覚めますよね!」
等という変態の言葉は、勿論聞かなかったコトにしておいた。


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はいおまけ!
なかみはないよ!

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