たのしみだ!今日はみんなでおでかけだ!

今日はみんなでじいちゃんの所にお出かけだ!任務も休みだし丁度いい!!!
早速カカシにたくさんおめかしさせてやろうと意気込んでいたが、本人に辞退された。
…首輪は予約しそこなったけど、カカシに似合いそうな服、用意したのに…。
浴衣も悪くないけど、やっぱりドレスも捨てがたいよな!!!看護婦さんの服もじいちゃん大好きっぽいからいいなと思ったんだけど、やっぱり先立つ ものがアレだったから、ちょっと厳しかったんだよな…。どこで売ってるかわかんなかったし。
…でも、ドレスはちゃんとお店でカカシに似合うのを選んで買ったのに着てくれない。カカシの赤い方の目にあわせたのに…。青い首輪とセットで ちょうどいい感じになりそうなのをちゃんとコーディネイトしたんだけどなー。せくしーだいなまいとなかんじで。
…やっぱり照れ屋だなぁカカシは。せっかくの美貌を隠そうとするなんて。結局最初に着てた変な服と覆面に戻ってるもんなー。もったいない!!!
あ、でも、いっぺんに魅力を見せすぎないのが舞台俳優の務めなのかも…。すごいな!カカシ!!!さっすが客に鼻血を吹かせるだけある!!! プロ意識高いんだな!!!
そんなこんなで、カカシのおめかし作戦に奮闘している間に、アスマ兄ちゃんには逃げられた。と思いきやカカシがちゃんと捕獲した。
さっと変な紐みたいなので、アスマ兄ちゃんを捕らえる姿がかっこよかった!!!後でたくさん褒めてやらないとな!!!それと、もっと元気になったら、 俺にも教えてもらおう!肉はいつでも確保できた方がいい!!!俺が将来、ちゃんともさもさになるためには、必要な能力だ!!!
それに、敵を捕らえて所持品を奪い取る時とかにも使えそうだ!!!
それにしても、カカシは多芸だなー。俳優って大変なんだなー。いつでも忍になれそうだよ!
…捕まったアスマ兄ちゃんと捕まえたカカシは、その前にまた激しく喧嘩してたけど、やっぱりカカシが勝った。…かあちゃんビクトリー伝説は、やっぱり 本当だったんだ!!!ちょっと尊敬しちゃいそう。
…というわけで、今俺はかあちゃんもといカカシと、ぐるぐる巻きのとおちゃん…にそっくりな状態のアスマ兄ちゃんとお菓子を貰いにじいちゃんのとこに 向かっている。
「はずせ!…おい!」
アスマ兄ちゃんがカカシに担がれながら、往生際悪くもがいている。…はずしちゃったら逃げちゃうよなー…。かあ…カカシに聞いてみよう!
「なあ、カカシ、どうしてアスマ兄ちゃんも連れてくの?」
最近じいちゃんと仲悪くて、しょっちゅう喧嘩してるし、お菓子の取り分が減るのに。
「ああ…。いいから、さっさと行くよ!」
機嫌悪いな…。やっぱり飯足りなかったからかなあ?カカシがやたら急いでたから、朝飯ご飯と味噌汁と漬物だけだったもんなー…。アスマ兄ちゃんも ぐるぐるまきだったから、食べさせにくかったし、あんまり食ってくれなかった。…飯はうまそうにモリモリ食って欲しいもんだよなー。
ああ、それはいいとして、カカシが腹をすかせているなら、なんか与えないと!!!確かポッケに…お、あったあった!!!
「カカシ。ほら!コレ食え!!!」
「うぐっ!だから食いものを口に突っ込むのはやめろと何度も!!!うっ…甘い…。」
あ、やっぱり腹減ってたんだな!飴玉一個で黙った。貴重な糖分だが、うちのこのためだしな!…信頼関係もまだまだだから、ちゃんと可愛がってやらないと、 アスマ兄ちゃんちの子になっちゃったら困る。
「アスマ兄ちゃんも食べる?」
「ああ、今んとこいいわ…。それよりコレを…ぐっ!」
あ、カカシ。前かがみになって喜ぶのは良いけど、絞めすぎじゃないかな…ちょっとさっきから顔が白っぽくなってるけど…。アスマ兄ちゃん…よく見ると 今日は一段と無精ひげが濃いなぁ。肉…あんなにちょっとで男性ホルモンに変換できるのか…やっぱり凄いな!アスマ兄ちゃんの漢魂!!!俺も見習わないと!!!
…カカシは肉食わせてもあんまりヒゲはえてこないなぁ。顔隠してるから分かりにくいけど、今日も朝のうりうりタイムで頭をもしゃもしゃしてやったときに 確認したら、やっぱり生えてなかった。…かあちゃんっぽさはヒゲにも影響するのかな…。
ヒゲはまあ良いんだけど…。
…頑張って肉くって、でっかくて強い男になるぞ!!!…あ、でもその前に…。
「ねぇ、カカシ、アスマ兄ちゃんが…」
「うぅ…あま…って?このおっさんがどうしたの?」
「さっきから息してないみたいだよ?」
「あ。」
カカシが慌てて紐を緩めてくれた。足とか手はそのまんまだったけどな!この厳しさ!流石だ!やっぱりカカシはかあちゃん風味だぜ!!!
「げふっ!はーはーはー…」
アスマ兄ちゃんが息を吹き返した!…よかった!!!まあアスマ兄ちゃんは強靭な肉体を保持してるから、ちょっと絞め殺しかけたくらいじゃ大して 堪えないよな!!!
「あ。」
アレ?ぐったりしちゃったみたいだな…。ちょっとつんつんつついてみたけど全然反応がない。
…なっさけないなぁ!!!とおちゃんになったら三日三晩吊るされても耐えられないと生きていけないのに…。うちのとおちゃんなんか一週間は耐えられたぞ!!!
…まあ、アスマ兄ちゃんはおっさんくさい外見のわりにまだまだ若いからな!きっとこれから吊るされ耐性を培っていくんだろう。 人生これから!なんかいい響きだよな!!!
「おーい。生きてる?あー落ちちゃったかな…ま、いいか。」
あ、カカシもつんつんしてる。やっぱり!そっけないふりしてたけど、アスマ兄ちゃんにも関心があるんだな…!これからはカカシがうっかりアスマ兄ちゃんち の子になっちゃわないように、ちゃんと気をつけていかないと!!!
「カカシ!早く行こう?」
「あー…そーね…。」
カカシの感心をアスマ兄ちゃんからそらすべく、ちょっと急ぎ足でじいちゃんのところへ向かった。
アスマ兄ちゃんごめんね!カカシはうちのこだから、俺の幸せのために耐えてくれ!!!
*****
今朝は本当に大変だった…。
俺の朝は何故か川の字で寝かされた布団から飛び出したイルカが、朝っぱらから元気一杯かつ執拗に俺に真っ赤な(しかもやたら胸元と背中が大きく開いている) ドレスを着せようとするのをどうにか断るところから始まった。
俺に妙な格好をさせることに異常な執念を燃やすイルカとの戦いに、朝っぱらから大分消耗を強いられたが、さっさといつもの暗部服のアンダーに着替えて しまったら何とか諦めてくれた。…ようだ。
俺の格好に不満げなイルカだったが、途中から何でか一人で急に納得して、朝飯を作るために台所へ行ってくれた。納得した理由が分からないので不安だが…。
まあとにかく。…その隙を見逃さず、今日の打ち合わせをしようと、俺とイルカのやり取りを見ていて、朝っぱらから大分くたびれた感じのおっさんと 会話しはじめた。
が、おっさんはイルカを三代目にあわせたくない。自分も会いたくないなどと言い出した。教育に悪いとか言ってたが、何がどうしてそうなるんだ!
…あからさまに逃げようとしているその態度に、流石の俺も腹が立った。
「お前にもなついてるんだし、お前も来いよ!大体お前がもうちょっと頑張ってれば…。」
おっさんの胸倉を掴み、ついつい怒鳴ってしまった。
「俺が必死にやっても変わんなかったんだよ!!!それより、お…三代目のところに行ってどうするつもりなんだ?アイツのことは…」
しかし、おっさんは俺の発言にぐだぐだと言い訳する姿勢をみせた。いい加減イライラして、
「いいから来い!」
と怒鳴りながら、朝っぱらから無駄に毛深いおっさんの腕をいやいや掴んでやったが、掴まれたおっさんは、
「放せ!」
などと無責任に逃走を図ろうとした。結果として。
「逃げる気か?!」
「三代目に会う必要なんかないだろ!!!」
…激しい押し問答になった。
そこに相変わらずチャクラも空気が読めないイルカが、
「カカシー!アスマにいちゃーん!今日の味噌汁は…」
…こっちの殺気だったやり取りをまるで無視して声を掛けてきた。
「ッ!!!」
おっさんはその隙を見逃さず、無駄にでかい身体を意外にすばやく動かして、逃げようとしやがった!
さすがは一応上忍か…だが、まだまだ甘い!暗部なめるなよ!!!
「待ちやがれ!!!」
「あ。」
議論が尽くされる前におっさんが逃走を図ったので、暗部特製ターゲット拘束用ロープでしっかり捕獲したら、何故かイルカが凄く嬉しそうにおっさんを 見ていた。
…イルカ…拘束願望でもあるのか…その年で変質者の薫陶なんてうけちゃったから変な道に…。慌てた俺はしっかり縛ったおっさんを足元に放置して、 イルカに教育を試みた。鉄は熱いうちに打て!だ!!!
「イルカ。あのな、紐で他人を縛るのは本当はよくないことなんだぞ!…今回は…あーその必要に迫られてだな…」
我ながら歯切れが悪いが、とにかく間違った認識は即座に正さなくては!そう意気込んだ俺に、イルカはにこやかに返した。
「うん!分かってるって!吊るすんだよな!!!!!」
…だからどこでそんな知識を…。ああ、こんなに幼い内からどうして…。
「いいか、イルカ。人を吊るすのもよくないことなんだぞ?今回は例外ってやつなんだ。いつもいつもその辺で人を捕まえて吊るしたりしてるわけじゃない。 …犯罪っていって、そういうことをするのはいけないことなんだ!任務とかなら別だけどな。」
さて、理解の程は…。
「家族のこみゅにけーしょんってやつだよな!!!分かってるって!!!さっすがカカシだな!!!」
…理解していない…んだろうな、コレ。なんだコミュニケーションって…。
このままじゃ絶対マズイ!!!
…今、長い時間かけて説明するより、早く飯食って三代目に許可をとって、じっくりイルカのゆがんだ知識を取り除かなくては!!!
「…イルカ、今日の味噌汁は?」
「へへ!今日はナスだぜ!!!カカシはナス好きだもんな!!!」
「…ありがと。」
この気遣いを何とかして方向転換させて、まっとうな道を歩ませてやらねば…。そのためにも!おっさんもまきこんでで協力してコトにあたらなくてはならない。
…イルカの教育は、一人では絶対に失敗するという貴重な前例だ。利用しないなんて手はない!…大体俺一人じゃ被害を食い止められないのは明白だしな。 犠牲者…もとい協力者は多い方がイルカを矯正するという目標の達成率は高まる!…はずだ…。
四代目!見ていてください!!!俺は必ずやこのどん底にいる子どもを救って見せます!!!
とりあえず急いで片をつけたかったので、簡単にさせた飯を食っていると、なんでかイルカが床に転がしといたおっさんのとこでもそもそ何かやっている。
不審に思って見に行ったらイルカが…おっさんの口に飯をねじ込んでいた…。
…おっさん。苦しがってないで叱れよ!
「アスマ兄ちゃん!うまい?」
「あ、ああ。うぐっ!…うん。美味いよ…だから、な!これほどいてくれ!」
「えー?いいじゃん。似合ってるよ?はい次、漬物。きゅうりが新鮮だから美味いぜ!!!夏のさっぱり梅風味だしな!!!」
「もがっ!…あのな!だから…」
ああ、こいつがこんなにも不甲斐ないからより一層イルカが間違った道に進んだんだ…。
改めて俺の責任の重さを感じた。

…そんなこんなで目的地に着く前に、俺は疲労困憊だ…。
だが、ここで諦めるわけには行かない!いずれもっととんでもないことをしでかす前に、何とかしなくては!!!
…それにしても、何だか妙に急いでるが、相変わらずコイツの行動パターンは分からないな…。それにいつも俺とおっさんが言い争ってるのを見てやたら 嬉しそうなのはなんでなんだ…。
とにかくコイツの教育のためには、三代目の説得が不可欠だ!
考えるのを中断し、急ぎ足のイルカの歩調に合わせて、俺もおっさんを担いで三代目のところへ急いだ。
*****
じいちゃんとこに行くのはちょっと久しぶりな感じだ!カカシが俺ばっかりお菓子を貰うと拗ねちゃうので、ちょっと行くのを控えていたのだ。 さっきの飴玉でじいちゃんから貰ったお菓子はもうなくなった。
…補充したいよなー…。カカシは頻繁に腹をすかせるから世話が大変だよ。ま、そこもかわいいとこだけどな!!!
「イルカ。三代目にご挨拶できるよな?会うのは初めてか?」
カカシがぐったりしたアスマ兄ちゃんを担いだまま心配そうに聞いてきた。ご挨拶?…あ、そっか。
「コレがうちの子になったカカシですって紹介すればいいんだよな!!!ちゃんとイイ子だって紹介するから大丈夫だって!!!」
不安そうな顔をしているカカシをなでてやろうとしたが、深いため息をついたカカシがじいちゃんの部屋の扉を開けてしまったので、できなかった。
…俳優としてはもっとドレスとかを着て、色々凄いところとかも見せといた方がイイと思うんだけど、それは今回見送っちゃたんだよなー。
でも!ちゃんと浴衣美女バージョンの写真は持ってきたからじいちゃんへのアピールは大丈夫なんだよな!!! 心配性だなカカシ!ますますかあちゃんっぽいぜ!
「じいちゃーん!!!」
さっそく開いた扉からじいちゃんを呼んだ。中に入ったらいつもみたいに椅子にすわってるじいちゃんがいたので、早速抱きついた。
「おお!イルカ!よく来たのう。」
じいちゃんがいつもみたいに俺の頭をうりうりしてくれる。
じいちゃんのうりうりは手は別にでっかくなんだけど、アスマ兄ちゃんと違って年季が入ってる分味わい深いんだよなー!なんていうかこう深みが あるっていうか…。
「三代目!知り合いなんですか!コイツと!!!」
あ、そーだそーだ。カカシの紹介が先だったな!!!睨むな睨むな!ちゃんとうちの子だっていうから!!!
「じいちゃん!これ、こないだ拾ったうちのカカシ!これから宜しくお願いします!!!」
まずはこれでどうだ!後はこのステキな写真で畳み掛けるように営業してやるぞ!!!
「…任務からなかなか戻らんと思ったら…また、無茶をしおったな…?おお、イルカ、イルカはほれ、コレをやるから、ちょっと外で遊んできなさい。」
やった!さっきと同じ飴玉とちっさいせんべい!!!コレ美味いんだよな!!!糖分多いし!!!
…あれ?でも、じいちゃんがちょっと怖い顔してる。あー…こういう時って素直にごめんなさいって謝ったほうが傷が浅いんだよなー。
カカシー!早くあやまっちゃえよ!…それにしても一体何したんだ?
「三代目…。…三代目が変質者だったなんて…!?」
カカシが急に芝居をはじめた。ああそうか!まだ写真見せてないから、焦って営業活動を始めたんだな。あ!それともあの変な服着てきたのって、 ひょっとしてこのお芝居のためだったのかな?
…でもタイミング悪いよ。じいちゃんがびっくりしてる。いまさらかもだけど、一応うちのカカシのいいところを見せておくか!
「じいちゃん!外行く前に、コレ!うちのカカシのべすとしょ…」
「まだ持ってたのか!!!イルカ!!!ちょっとそこ座んなさい!!!」
あ!写真とられた!!!…それに…お芝居やめちゃった。…ちょっと展開が楽しみだったのに。お客が鼻血吹く位だからきっと凄いんだって 期待してたのに…。
「カカシ。あーその。な。」
「イルカに近寄らないで下さい!!!イルカ、そんなもん捨てなさい!何が入ってるかわかんないでしょ!」
あれー?お芝居再開?あ、そっか。カカシはプロだから、観客のニーズに敏感なんだな!俺の続き見たいぜオーラに答えての大熱演だ!!!
…でもやっぱり衣装がしょぼいよなー。
「ちょっとまて!あーその、お、…三代目。俺から説明させてください。」
あ、アスマ兄ちゃんちょっと復活。そうだよとおちゃん…っていうか男ならしぶとくないとな!!!
今まさにアスマ兄ちゃんは…長い長いとおちゃんロードの第一歩を踏み出したぞ!!!あとは、カカシとの戦いがどうなるか…楽しみだな!!!
「何よおっさん!何か知ってんの?!だから朝あんなこと…。逃げようとしないで止めなさいよ!!!」
「だから、ちょっとまて、早くコイツをほどけ!いまさら逃げねぇよ!!!」
おお!早速はじまったぜ!あ、でもやっぱりアスマ兄ちゃんの旗色が悪いな。
「やめい!…カカシ。アスマの拘束を解いてやれ。…イルカ。ちょっと外に行ってきなさい。じいちゃんはこいつらとちょっとお話があるからの。」
あ、じいちゃんが止めちゃった。…つまんないの。
「でも。じいちゃん…うちのカカシの紹介がまだ途中だよ?それに…」
「ああ、ちゃんと後で聞くから大丈夫じゃよ。…話が終わったら使いをやるから、そうさな…庭の木苺でも見てきなさい。今が食べごろのはずじゃから。」
おお!いいコト聞いたぜ!!!じいちゃんは俺の好みを熟知してんな!!!やっぱ流石火影様!!!!!
「行ってきますじいちゃん!またあとでねー!!!」
早速糖分補給に行かないと!!!そんでもって飢えたカカシにも与えてやらないとな!!!一杯採ってくるから待ってろよー!!!
*****
「どういうことなんですか…?」
まさか三代目火影ともあろうものが、あんな幼子に不埒なマネをたくらんでいようとは…。ああ、先生の守ろうとした里が…こんな…。 誰かウソだといってくれ…!!!
「だから誤解じゃ!変質者とはなんじゃ変質者とは!!!」
いくら激高されても、いくら火影であっても…変質者の下にイルカを近寄らせることなど出来ない!断固戦おうと身構えたとき、拘束を解いたおっさんが いきなり怒鳴った。
「あながちまちがいじゃねぇだろうが!!!あんな本無造作にほっぽっとくから、イルカが余計なもん覚えちまったんだよ!!!」
「なんじゃとう!!!」
「だから!あんな本こそこそへらへらしながら読みふけってるから、イルカが興味もっちまったんじゃねぇか!!!ちゃんと子どもの目の着かないとこに しまっとけよ!!!」
「うるさい!ちょっとした息抜きしとっただけじゃろう!ちゃんと引き出しに仕舞って…」
「ウソ付け!机の上においてあったってイルカが言ってたぞ!!!」
「先だってからしつこいわ!!!黙れ!!!」
「なにがだ!!!クソ親父!!!変態!!!イルカが変な道に走ったらどうすんだ!!!」
え、何コレ。なんか親子喧嘩が始まったんですけど。
「ちょっと待って。話が見えないんだけど。」 
「ワシは別にイルカにいかがわしいことをしようとしたわけでは…」
「だから!同じだろうが!!!」
ああ、話が先に進まない…。親子喧嘩なんかどうでもいいんだけど。
「ちょっと!いいから順番に説明して!…三代目も、ちょっと黙っていてください!」
*****
その後も激しく言い争う親子を黙らせるのは苦労したが、とにかく何とか詳細を聞きだすことができた。
つまり、三代目がうかつにもイルカが見ているのに気付かず、執務室でこそこそエロ本を楽しそうに読み、しかもその上無造作にエロ本をその辺に 置きっぱなしにして、ソレをイルカがじいちゃんが好きな本だからと一生懸命読んだ結果…とんでもないことになってしまったらしい…。
それに気付いたアスマ(もうおっさんとは呼ばない。…お前はよく頑張った!)が三代目とそのことで激しく争い…結局より近くでイルカを何とか するために家を出たんだという。
任務で帰宅が不定期だから同居するのは子どもによくないだろうと、わざわざ近くに家まで借りて…。涙が出そうだ…。
それにしてもアホだ…。というか、なんで執務室でエロ本なんか読みふけってるんですか三代目…。ガキの気配に気付かずに読むのもどうかと思うけど…。
その前に。
…イルカ…お前どうしてこんな環境に育ったんだろうな…。吊るされるのがコミュニケーションとかっていうのも、三代目のエロ本から得た曲がった 知識なのか…?!
でもとおちゃんがどうとかぼそっと言ってたしな…。ひょっとしてまだなにかあるのか…?!
「…話はわかりました。イルカには再教育が必要だというのは三代目も納得されていますよね?…俺に、イルカを任せてもらえませんか? 勿論そこのアスマとも協力します。」
というか一人であの馬鹿を矯正するのは絶対無理だ!!!
「…だが、お主には任務があるじゃろうが。大体…」
「三代目…俺の提案を聞いてくださいませんか。」
*****
「じいちゃーん!!!木苺!お土産!!!」
ちょっとだけって言ってたけど全然呼びに来ないから、じいちゃんもう年だから忘れちゃったんじゃないかと思って帰ってきたけど、違ったみたい。
じいちゃんの部屋にもどったら、まだ二人でぼそぼそ話してた。…話し長いなぁ。カカシが腹減らしちゃうよ!
「…では、そういうことで。」
「仕方ない…は減らさんぞ。…おお!イルカ!」
何だか難しそうな話をしてたみたいだけど…舞台のスポンサーとかになってもらったのかな?ところでどうしてアスマ兄ちゃんは床で寝てんのかな?
…あ!そうか!カカシが勝ったのか!!!…やっぱりな!!!
「イルカ。今日はもう帰ろう。では、三代目、失礼いたします。」
「頼んだぞ…。」
お、なんかいい感じ?さっきの芝居のせいかな?さっすがカカシ!!!後で続き見せてもらおう!!!
ちょっとアスマ兄ちゃんが気になったけど、カカシがまた興味を示したら困るので、じいちゃんに俺の採った木苺を半分置いてから、カカシを連れて 帰ることにした。
「じいちゃーん!!!ばいばーい!!!」
「おお。またいつでもくるんじゃぞ!」
またじいちゃんに味わいうりうりをしてもらってから、部屋を出た。
「…イルカ。一緒に頑張ろうな。」
カカシが決意をこめた表情で言った。
…そうか、きっと近々大きな舞台があるんだな!任せとけって!!!うまい飯沢山食わせて、お肌も毛並みもつやっつやにしてやるぜ!!!
「おう!頑張ろうぜ!!!」
宣言のついでに、ハラヘリカカシのために木苺を口にねじ込んでやった。
「うぐっ!おい!」
うん!何だか絆が深まったって感じだな!…肉はないけど木苺があるし、今日の所は頑張ったカカシのために、このまま帰って一杯うりうりしてやろう!!!
明日からのつやつやカカシ作戦を練りながら、俺はカカシと一緒に夕焼けに照らされた家路を急いだのだった。

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こんなんでましたけど…これでもいいんでしょうか…。
相も変わらずアホですが…。

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