騙す日



性格の悪いカカシ注意!それと、隠さずに超微エロ(あくまで当サイト比。)がありますので、苦手な方はご注意下さい!!!
いつも通り中身はあんまりありません。…ご無理はなさらずー…。



「また、いないじゃない!」
この時期は毎年、大名連中が春の歌合だのなんだのをやたら執り行うから、護衛任務が多くなる。わざわざ俺じゃなくてもいいはずなのに、 そういう連中に限って、名前だけが欲しいらしい。
休み無く舞い込む任務をイライラしながら片付けて、折角急いで返ってきたのに…コレだ。
イルカはいつもこうだ。大体今日は休みのはずなのに家にいない。
まあアカデミーや受付でも、年度末だからどうとか言う話があるらしいから、多分また俺そっちのけで仕事なんかやってるに違いない。
…どうやって、捕まえよう?
アカデミーへの道を急ぎながら、そう考えてたら、子どもがじゃれあってるのを見つけた。
「ばーかだまされてやんの!」
「なんだよ!ウソツキ!」
「今日はウソついていい日だもん!」
「うー!覚えてろ!ぜってー騙してやるから!」
走っていく姿はイルカなら喜んだだろうが、俺には正直どうでもいいことだ。でも…。
「ふぅん?」
イイコト、聞いたかもしれない。
行事自体はしってたけど、確か今日はエイプリルフールとか言う日だ。
この日はウソをついてもいいんだと、イルカが言っていた。
アカデミー生を相手にしてると、この日は一日中授業そっちのけで騙すコトに集中するから、大変なんだといいながら、楽しそうに笑っていた。
…それに腹が立って押し倒して散々泣かせたんだけど。
まあ子ども相手ならまだその位で許せるけど、残業は許せない。
だってそんなのはイルカじゃなくても出来るはずだ。そもそもイルカは自分以外の仕事をやたら引き受けすぎてるんだから、こういう時ぐらい早く帰ってきても罰は当たらないだろう?
本人は時間のことなんか考えないでただひたすら働いてるんだろうから、さっさと連れ戻すコトにした。放っとくと平気で休日返上しかねない。
とにかく早く連れ戻したくて急いでたけど、もっといい方法を思いついた。
「今日は、ウソついてイイんだもんね?」
生徒のウソにはあれだけ嬉しそうにしてたんだから、俺もしっかり相手をしてもらおう。
忍犬にイルカの所在を確認させたら、案の定受付所の書類整理中だったらしい。
今すぐ攫いに行きたいのを堪えて、式を飛ばした。
「さて、帰るか。」
元来た道を引き返す足が、さっきより大分軽くなったように感じた。
*****
「アンタなにやってんだ!?」
怒った顔で俺だけを見る…普段ならそれが暗い喜びをもたらしてくれるのに…こんなに青い顔されてると、そっちの方に腹が立って素直に喜べない。
まあ、いいんだけど。これからそっちもなんとかするんだし。
「ん…?ああ、お帰り。」
普段なら迎えに行く所を式で済ませ、ベッドの上に物みたいに転がってるだけなのに、イルカはそれだけで大騒ぎしてる。
ま、いつもなら疾うにイルカをベッドに引っ張り込んでるから、驚くのも不思議じゃないか。
「この馬鹿!何でうちなんかに!怪我!?はなさそうだけど!?…チャクラ切れか!病院…っ!」
慌てふためいた顔で、俺に駆け寄ってきたイルカから、やっぱり他の奴らの匂いがする。
…確実に残業だ。つまり、俺以外の奴らに構ってたってことだから…コレくらいのかわいいウソ、許されてもいいはずだ。
だるそうに手だけ伸ばして、不安で一杯って顔のイルカを抱きしめた。
「俺普通じゃないから。病院なんか行っても、たいしたコト出来ないしねぇ?弄り回されるだけで。…寝てれば治るでしょ。」
任務の連続とそれなりに気を使う戦闘が多かったから、疲れてるって言えばそれなりに疲れてるけど、チャクラ切れ起こす程じゃない。
寝てれば治る。…ソレもちょっと休んだら十分だ。
そういう意味では、俺はウソをついてない。
…ただこんなにぐったりするほど体調が悪いわけじゃないってだけのこと。
「アンタは…!」
泣きそうな顔で俺の手を握り締めてくれた。
きっと今、イルカの頭の中は俺のことで一杯だ。
たくさんの書類より、同僚より、子どもより…俺だけのことを考えてる。
…湧き上がるような歓喜を抑え、当初の目的どおりことを進めるコトにした。
「ねぇ。どうせ休日返上して働くんなら、俺の世話してよ?」
本当は世話なんか必要ないけど、イルカがこんな状態の俺を放っておけるはずがない。
ちょっと弱ったフリでねだったら、いきなりイルカが怒鳴りだした。
「っ…!心配かけんじゃねぇよ!」
殴られなかったってことは、多分ウソはばれてない。
ただ俺の状態が、イルカが想像したよりよかったから、ホッとしたんだろう。
ぎゅっと握り締められた手と、零れ落ちた涙…それだけ俺を心配したってことがわかって嬉しくなる。
「えー?でもしょうがないじゃない?」
茶化しながらそれでもイルカの同情を掻き立てるよう、いつもの様に抱きこんでそのまま襲うことはしなかった。
「飯作ってくるからあんたは寝てろ!」
腹立ち紛れにベストを投げ捨てるように脱いで、イルカが腕まくりをしだした。
これは…計画が相当うまく言っているようだ。
…このままだとイルカとヤれないのが玉に瑕だが、頃合を見て治った振りして襲えばいいことだ。
…ちょっとだけ、触れるだけで我慢するコトにした。
「ん。いいけど。それより…」
「何だよ?」
俺がわざと小さくした声を聞き取るために、イルカが不満げな顔を寄せてきた。
…計画通りだ。
近づいてきた顔にゆっくりと手を伸ばし、軽く引き寄せて触れるだけのキスをした。
「なななななななにしやがる!!!」
唇を押さえて取り乱すイルカをこれから独占できるんだと思うと、興奮した。
それに、その真っ赤になって照れと怒りを表現するその姿にも。
「ん?キスだけど?」
しらばっくれてそう応えると、イルカが怒りをこらえるような顔で拳を振るおろすのを逡巡しているのがわかった。
…普段なら疾うに殴り飛ばされているけど…。どうだろう?
そう思った矢先、どたどたと大きな足音でイルカが台所へ逃げてしまった。
「もっと凄いことしてるのにね?」
普段なら追いかける。…でも、今日はずっと一緒にいられる。
だから、俺は、こみ上げる笑いをそっと漏らしながら、耳まで赤く染まったイルカを眺めて楽しんだ。
******
思ったより甲斐甲斐しく世話された。
正直に言うと、あれだけ怒らせたし、イルカは結構大雑把な所があるから、それほど期待してなかった。
それなのに…イルカは言葉通り手早く雑炊を作ってきてくれて、ベッドの背もたれにクッションはさんで俺の身体を起こしてくれて…。
すごく真剣な顔で俺に触れてくるから、思わず襲いたくなったけど、堪えた。
そのままおとなしくしてる俺に、イルカはちょっとずつ雑炊を食べさせてくれたのだ。
もちろん、ちょこっとずつすくったのを、吹いて冷ましながら。
普段なら食い物にそんなにこだわりはなかったけど、そうやって食べるとただの雑炊なのにことさら美味く感じた。
「味は?大丈夫ですか?熱くない?」
「うん。美味い。大丈夫。」
美味かったから正直に答えたら、凄く嬉しそうに笑った。
…ちょっと泣きそうなその顔に、欲情した。
キス位ならいいだろうと、食べ終わってすぐに手を伸ばそうとしたのに、イルカは俺の口の周りを丁寧に拭うと、すぐに食器を下げてしまった。
「汗かいたし、そのままじゃ気持ち悪いでしょう?風呂は…ちょっと厳しいけど、身体拭くからそのままちょっと待ってなさい!」
「え!」
拭く…ってことは、イルカが俺の服脱がせて…!
予想外の展開に驚きを隠せないでいたら、それを不満ととったのか、まるで子どもに言聞かせるようにイルカが頭を乱暴に撫でた。
「…しょうがないでしょう?アンタ俺よりデカイし…食ったばっかりだから風呂は元気になるまでお預けです!」
「あー…うん。」
ここまでしてもらえるなんて…!
たまには体調を崩すのもいいかもしれない。頻繁だと一緒にいられないとか怒っていたから、最近は任務でもそれなりに気をつけていた。
でも、こんなにイイコトがあるなら、最初っからちょっと無茶しとけば良かった!
「イイ子で待ってなさいね?」
苦笑しながら風呂場に消えていくイルカを見送りながら、イルカがどんな顔するんだろうと考えて、こみ上げてくる笑みを堪えていた。
*****
熱めの湯とタオルを用意して、イルカはすぐに戻ってきた。
それに…さぞ照れるだろうという予想に反して非常に手際よく服をはいでいく。
…気に障ったので、不満げな表情を隠さずに、イルカを問い詰めた。
「ちょっと!…なんでこんなに手馴れてるのよ!」
「当たり前だろうが!任務で負傷者の手当てするのは大抵俺たち中忍だ!それに…アカデミーでもしょっちゅう怪我人だの風邪引いて寝込んだのが出るから馴れてるんですよ!」
「なによそれ…!?」
子どもは諦める。本当はソレもいやだけど、そこまではイルカに免じて許してやれる。
でも、何だその負傷者っていうのは!
「そいつらになんかされたりしなかったでしょうね…!?」
「殺気なんかだすんじゃない!体調悪いくせに!」
「誤魔化すな…!アンタそいつらに何された…?」
呆れた声で怒られても…許せない。
もしイルカに何かしたやつらがいるなら、今からでもソレ相応の目にあわせてやる。
それに…そんなことしたイルカも、自分が誰のモノなのかわからせてやらないと…!
「怪我人だの病人だのがアンタが考えるようなことできるわけないでしょうが!…精々魘されてちょっと暴れるくらいです!怪我人がいくら暴れても何とかできるに決まってる!」
うんざりした顔で言ってるけど…。
「やっぱり!アンタもう絶対に任務に出さない!」
どうしてイルカは弱いくせに平気で危険なところに行くんだ…!?
実力に差があるのに無茶するんだから…!こんなに無鉄砲なのもう二度と任務に出せない!
決意も新たに、手始めに腕をつかんで布団に引きずり込もうとしたら、熱いタオルを頭にかぶせられた。
「馬鹿言うな!…もういいから、身体拭いたらとっとと寝なさい!」
「ちょっと!」
まだ言いたいことがあるのに、イルカはテキパキ身体を拭いていく。
「ほら!腕上げて!」
それが当然の様な顔をして、無造作に俺の腕を持ち上げ照るのを見る限り、これ以上言っても聞く気は無いだろう。
「覚えてなさいよ…!」
まだ、今日は4月1日。
…こうなったら意地でも騙しきって、後で散々鳴かせてやる!
*****
背中や足は結構熱心に拭いてくれたけど、流石に足の間はもくもくと視線を合わさずに拭いていた。
からかってやろうかと思ったけど、ちょっと赤く染まった顔で一生懸命なのが可愛かったから、このことも後回しにすることにして、とりあえずおとなしく拭かれてやった。
「俺も風呂入ってくるから。…寝てなさい。」
教師の顔でそういうイルカが、俺にパジャマまで着せるのを手伝って心配そうな顔で風呂場に行った。頭なんか撫でて。
慌てた様子だったから、黙って待ってたら…普段と違って異常に長風呂のイルカがすぐに出てきた。
「早いじゃない。」
寝かされた時のまま、イルカに言うと、
「アンタ俺がいないと寝ないでしょうが!いいからほら、寝なさい。」
当然だ。イルカは俺のモノなのに、任務以外で他のところで寝るなんて許さない。
「ねぇ。どこにも行かないでね…?」
不安そうな表情を作って、弱弱しいそぶりで腕を伸ばしたら、ぎゅっと抱きしめられた。
抱いてる時以外で、イルカから俺を抱きしめるなんてこと、めったに無い。
驚いたけど、それが、今イルカが俺だけのことを考えてる証明に思えて、俺からも腕を絡ませてしがみ付いた。
「ほら、寝る!」
イルカの照れたような声にきざし始めた欲望を感じたけど、ソレよりもその腕が、俺だけを守るようにまわされていることに、目が眩むほどの喜びを感じる。
このまま抱いてしまってもいいけど、それももったいなくて、沸きあがる幸福感に浸った。
そのうち、イルカから規則正しい寝息が聞こえてきて…まだ日は高いけど、イルカのことだ。多分徹夜明けで家に帰って来たんだろう。
それなのに、俺の世話まで熱心にしてくれた。
今もずっと何かから守るように抱きしめて…。
まだ4月1日だからと言い訳のように考えながら、俺も瞳を閉じた。
*****
大げさに倒れて見せた程体調が悪かった訳じゃないけど、確かに疲労していたせいか、思ったより深く眠っていたらしい。
「うぅん…」
隣で眠っているイルカが、僅かに身じろぎしたせいで目が覚めたが、疲労はすっかりぬけていた。
となると、そろそろ自分が限界だ。
イルカはどうか知らないが、疲れが取れた分、押さえつけていた欲望が開放を訴えている。
何より目の前にその対象がのんきに寝こけているのだ。我慢する方が馬鹿らしい。
「ねぇ。起きて。」
「ん…?あ、カカシさん?」
俺の声に目を覚ましたイルカがぼんやりした目でこっちを見つめている。
「抱きたい。」
単刀直入に用を告げて、さっさとパジャマを引き剥がしていると、上半身を剥いた所でイルカが正気に返ってしまった。
「へ?ってあんた体調悪いくせにナニ言ってるんですか!まだ寝たり無くて頭ボケてんだろ!」
眠りを妨げられたせいか、普段より数段口が悪い。
だからといって、これからすることを止めるつもりは毛頭ないが。
「酷いねぇ?ま、いいけど。抵抗されてもスルし。」
寝ぼけているからというより、イルカの方が疲れているのかもしれない。普段より動きが鈍い。
「ダメに決まってるだろ!アンタ疲れてるくせに!」
怒鳴りながら脱がせかけていたパジャマのズボンを引き上げている。
抵抗されるのは楽しいが、無駄に心配させたいわけじゃない。
…そろそろばらしてしまおうか。
「寝たら治ったっていうか…そもそも今日は4月1日でしょ?」
騙されるのが悪いのが忍の世界だ。そもそもウソをついたというより、イルカが勝手に勘違いしたんだし。
そう思ったが、やはりイルカがどんな表情を見せてくれるのかが気になった。
だが、返ってきたのは予想外の言葉だった。
「それは…知ってたけど!アンタがあんなに深く寝込むなんて…どうせ無茶したんだろ!まだ寝てろ!俺も眠いし!」
「…ウソ。分かってたの?」
慌てたり怒ったりするのは予想していたが、まさか気付かれているなんて思ってもみなかった。
イルカは真剣に心配しているように見えたし、介助の様子も的確で必死だった。
それに…戦闘能力はそれ程悪くないが、演技が上手い方じゃないのも知っていたのに。
…まんまと騙されていたのは俺のほうだったわけか。
それにしても、普段ならこんなコトしても怒鳴られるだけなのになぜ今日だけ?
疑問の視線を向けると、イルカが深くため息をついた。
「拗ねても無駄!普段は隠そうとするのにこんな時だけあんなことしたらばれるに決まってるでしょうが…。アンタ馬鹿ですか?その上…あんなにぐっすり寝込むし!」
馬鹿。イルカによく言われるが今日ほど心底呆れたように言われたのは初めてかもしれない。しかも、イルカはまだ心配しているのだ。…俺のことを。
ココまで綺麗に騙されたら、流石の自分も怒る気になれない。
まあ、イルカは騙していることを知った上で、真剣に心配してたから気付かなかったんだろう。
「ま、いいけど。それに、この程度なら普通だし、大丈夫よ?」
イルカを安心させなければと思った。
こんなに悲しい気配を出されると、こっちがいたたまれない。
「普通じゃねぇだろ!里にいるときくらいゆっくり休めってんだ!」
だが、そんなコトは受け入れられない。
「なら一緒にいなさいよ。それに、ヤれないで集中できなくなった方が怪我するかもよ?」
ただ寝るだけならいつでもできる。
イルカと一緒に暮らすようになるまで、深く眠ったことなんか無かったけどこれまで普通に生活してきた。
今更そんなコトで弱ったりしない。
そんなコトよりイルカに触れられないことの方が重要だ。
「エイプリルフールはもう終わりだ!…残業したから明日フリ休なんです。ちゃんと寝て、体調が戻ったら相手してやるから、今は寝なさい!」
「そんなに柔なくせに外の任務でないでよ?」
教師らしく言聞かせるように言われても、納得なんかできるわけが無い。
相手してやるなんていっても、元気になったと判断されたら、どうせ俺を置いて仕事に走るだろう。
…折角休みなら、イルカに触れて、喘がせて、縋りつかせて…ずっと一緒にいた方がずっと有意義だ。
しかも、休まないと色事もできないなんて…そんなに弱いくせに任務になんか出せない。
そう思ったのに、すかさずイルカに殴られた。
「俺の話じゃなくてアンタだ!しがみ付いたまんま寝こけてんのみたら心配にもなるだろうが!」
…そうか。そういえば心配されてたんだった。
でも、それならただ寝るよりずっと早く治す方法がある。
「アンタといると、落ち着くから。」
「…御託はいいからとっとと…!…ああでも、飯食ってからにするか…?」
怒ってるくせに、急に思いついたように食事の心配までしているイルカは、隙だらけだ。
「そうする。」
「やっぱ雑炊じゃ足りなかったんだろ?あんなウソつくから!」
勝ち誇ったよう言って、イルカがイタズラっぽく笑っている。
…あれで意趣返しのつもりだったんなら、見当違いだ。
食糧なんか無くてもなんとかできるけど、わざわざイルカが食わせてくれるなら毎日雑炊でも構わない。
それに…。
「食うのはアンタだけどね。」
どうせばれたんだし、逃がすつもりは無いことを示すためにも、イルカを押し倒してやった。
「へ?わっ!待てコラ!なにすんだ!」
「黙って。」
ばたつかせている足から、邪魔なパジャマを剥ぎ取って、露になったイルカの股間に手を滑らせた。
「うぁっ!んっ!…心配、ばっかりかけやがって…!こういう時だけ…!」
甘い声を漏らしながら文句を言い続けるイルカの瞳が、少しずつ蕩けていく。
「話は終わってからね。もう無理。」
任務続きで我慢してたし、イルカだって溜まってるはずだ。
もう回りくどいマネは止めて、とっととイルカをむさぼるコトにした。
「馬鹿野郎!」
思いっきり怒鳴ったその口をふさいで、それからはもう、いつもの様にイルカを味わうことだけに集中した。
*****
ゆっくりと瞳を開くのを見ていたら、さっきと段違いの速さで飛び起きたイルカに殴られた。
「いったー…っ!」
「自業自得だ馬鹿野郎!明日のフリ休ウソにすんぞ!」
殴った本人の方も痛そうにしてるくせに、イルカはかわいくないことをいう。
まあ、そんなコト認めないけど。
「ソレはダメ。っていうか、アンタ明日仕事なんて無理でしょ?」
腰庇ってよろよろしてるくせに、どうしてわざわざそんなコト言うのか理解出来ない。
どっちにしろ今日も明日も…休みの日は俺の側から離すつもりは無いけど。
「誰のせいだ!加減しろって言ってるのに…!」
顔中真っ赤にして怒鳴っても、行為の名残で潤んだ瞳のせいで欲を煽るだけだ。
そんなコト、本人は考えても見ないんだろうけど。
「責任とって今日も明日も俺が世話してあげる。ずーっとね?」
手始めに風呂にでも入れて、ついでに色々してしまおうと、イルカの腰を撫でていたら、イルカが深いため息をついた。
「はぁ…何がそんなに嬉しいんだか…。洗濯も!溜まってんのやってもらうからな!」
「はいはい。」
洗濯くらいはお安い御用だ。
イルカとイチャイチャしてる間に忍犬たちか影分身にやらせてもイイし、料理ははっきり言ってイルカより俺の方が得意だから問題ない。
「返事は一回だ!」
俺の態度に早速文句つけてきたけど、イルカはいざとなったら俺を優先することがわかったから、ソレも可愛く思えてきた。
「とりあえず、飯食ったらもう一回ね?」
「なっ無理に決まって…!」
真っ赤な顔で慌てふためいて抗議するイルカを抱き上げた。
ぎこちない抵抗で無自覚に煽った責任も取ってもらおう。
「たまにはいいかもね。こーいうのも。」
これから、風呂に入れて、飯食わせて、それからイチャイチャして、また飯食わせて…ずっとイルカの世話するのもいいかもしれない。あの時みたいに、休みの間だけでも独占してしまおう。
「アンタのエイプリルフールは質が悪い!」
耳を引っ張りながら怒鳴るイルカを風呂場に運びながら、今日は後どれだけ鳴かせてやろうかと考えたのだった。


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エイプリルフール大遅刻…orz。
イチャイチャ間に合わなかったよ…追加した方がいいのか…?
枳実様〜!!!酷い有様ではございますが…。なにかご要望ご意見ご感想などがありましたら、お気軽に拍手などからどうぞ…。

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