噛みます。 その後


公認KI祭!なぜだか思いついたので、肉食獣でその後をどん!

昨日…いや、さっきまで頑張ってくれたイルカは良く眠っている。
怒ってやたらと噛み付かれたのは正直辛かったが、その後は…まさに天国だった。死ぬ気で頑張った俺へのご褒美は、人生で最大級なんじゃないだろうか と思うくらい、甘えてすりよってくるイルカは…最高に可愛かった!!!
だが、激しい戦闘の後、イルカが心配で早く帰ったせいで、一応5代目に心配された俺は、必ず今日病院に行く様に言われているのだ。
噛み傷は全身いたるところに広がっているので、隠せそうな所だけは隠し、適当に服を着た。
そして…ベッドの上でよく眠っているイルカを置いて、家を出た。
*****
イルカが起きる前に帰ってこないと…!そう思いながら急ぎ足で病院につくと、すぐに病院の職員に案内された。
「あら、良かった。ちゃんときましたね!」
そこで待っていたのはシズネさんだった。この人は5代目の片腕として昨日も里中のけが人を治療して回って疲れているはずだが、 そんな様子は微塵も見えない。
むしろ昨日イルカ相手に朝までいちゃいちゃしていた俺の方が、疲れているように見えるかもしれない。正直…太陽が黄色い…。
「?こっちにきて、傷を見せてください。」
「あ、はい。」
そうだった!さっさと帰らないといけなかったんだよ!イルカは置いてくと拗ねるからなぁ…。噛むし。
「じゃあ上、脱いでください。昨日は…背中の治療でしたよね?」
「あー…はい。」
正直脱ぐのは抵抗がある。…男の勲章って言っても爪あとじゃなくて噛み傷だからなぁ…。しかも結構しっかり血が出るまで噛んでたみたいで、 ベッドに血が染みこんでたし…。
シャワー浴びたときもやたら染みて地味に痛いんだよなー…。
「どうしましたか?…怪我の調子が悪いとか…?」
俺が思考に沈んでいると、シズネさんが心配そうに聞いてきた。
「あ、いえ。大丈夫です!…今、脱ぎます…。」
こういう時はさっさと脱いでしまうに限る。いくらなんでも幻術かけたりするわけにも行かないんだし、多分イルカ先生の事情は医療班にも伝わってる はずだから理解してくれるだろう。…ま、してもらわないと困るんだけどね。
「あひぃ!凄い傷…!何があったんですか!?昨日の敵は…妙な術を使ったんですね!?暁…!恐るべし…!」
シズネさんは勢い良く上着を脱ぎ捨てた俺に、思いっきりピントのずれた発言をしてくれた。
そういや昨日は5代目に見てもらったからこの人傷の状態見てないんだった…。
そして…この様子じゃ多分俺とイルカの関係も知らなさなそうだ。
「治療しなくちゃ…!チャクラで傷を塞いで…後は…こんな術見たことない…後遺症は…!」
シズネさんはすっかり取り乱して、薬品棚から薬やら包帯やら挙句巻物やらまでとりだして、その後もどんどんモノを引きずり出してくる。 俺はこの状態なら、誤魔化すと帰って大変なことになりそうだったので、慌てて事情を説明しようとした。
「ああ、そのーコレは違…」
「カカシさん!!!」
あ、間に合わなかったみたい。
「イルカ…。」
「置いてった!酷い酷い酷い!!!」 目を吊り上げて地団駄踏みながら怒って拗ねたイルカが、飛び掛るようにして俺にしがみついてきて…また、噛み付かれた。
今度は上着を脱いでいたことが禍して、胸元を思いっきりかみ締めて、上目遣いで睨みつけてくる。
こういうところも可愛いんだけど…今はシズネさんの前…流石に色々と憚られる。
もちろんイルカにとってはそんなコトは関係ないので、腹立ち紛れに唸っては噛み、唸っては噛みを繰り返している。
「あら、そういうことだったんですか。…うーん。このままじゃ治療できない。」
シズネさん…意外に柔軟な考え方してるんですね…。流石あの博打狂の5代目のお付きなだけある…!
でも!今一番の問題って、それですか…!?
「…そうだ!」
シズネさんはさっき散らかしたところから、木の枝のようなものを掘り出した。
「ほーらほらほら…イルカさーん!いいものがありますよー!」
楽しそうにシズネさんがその枝切れを振ると、さっきまで熱心に俺を味わっていたイルカが、カっと目を見開いて飛び掛った。
「危ない!シズネさん!」
怒ったイルカは俺を噛む事には熱心だけど、こうやって他人に襲い掛かる事なんて今まで無かったのに…!間に合わない!!!
「…ウゥゥー…ごろごろごろ…」
あ、アレ?襲われたのはシズネさんじゃなくて…枝?
「やっぱり猫ですねー!さ、後がつかえてるんで、治療済ましちゃいましょう!」
異常な事態にもかかわらず、シズネさんはテキパキと傷をチャクラでふさいでいく。手際のよさは流石だが…。
「アレ!何なんですか!?」
何か俺のイルカが目を半開きにして、よだれとかたらしちゃってるんですけど!?
具合悪いのかとも思ったけど、顔をみると何だか凄く気持ちよさそうにしている…。
何かこう…昨日の事を思い出しそうな表情だ。
「ああ、これはまたたびです!今は秋だから効くんじゃないかなーと思ったけど、やっぱり効果絶大でしたね!!!」
またたび…そうか!そういえば猫にはまたたびが効くっていうもんな!でも、実際には始めて見た。
表情と言い、物狂おしく身をよじる様子といい…なんかもう我慢するの大変なんですけど。
昨日あれだけヤったのに…!
取り合えず、俺は己の欲望に忠実になることにした。
「あのー…後で、それ、分けて貰ってもいいですか…?」
流石に怒られるかと思い、恐る恐る効いてみたが、シズネさんは快く承諾してくれた。
「ああ!かまいませんよー!そんなに噛まれちゃうと大変ですもんね!」
俺の邪な欲望は嗅ぎ取られることなく、シズネさんが爽やかに笑って、同情的なのに後ろめたさを感じながら、だがしっかりまたたびを分けて貰った。
そして、気持ちよさそうにくねくねしているイルカを担ぎ、大急ぎで帰ったのだった。

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お祭その12!!!!!!
なぜか肉食獣その後…。
何かこう…いちゃいちゃしてるのが書きたかったようです…。
時間ないので大分短いですが、まだまだ…カカイルへの愛を大募集中!!!
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