結婚して?

樹上から見下ろす先には、歩いているイルカ。
「間に合った…。」
獲物は目の前。
この日をどれだけまったことか。
逃がす訳にはいかない。
枝を蹴って、イルカの前に舞い降りると、イルカはその真っ黒な目を見開いて驚いてくれた。
「ただいま!イルカ!」
まずは…とびっきりの笑顔で挨拶する。
「カカシ!帰ってこれたのか!」
イルカも笑顔全開で、俺に駆け寄ってきた。
「当たり前じゃない!今日はイルカの誕生日でしょ?」
照れくさそうに鼻傷を掻いて、それでも嬉しいのが隠し切れないんだろう。
顔がほんのり赤く染まってて、俺もドキドキした。
帰れるかどうか分からないって知ってたから、間に合わなくてもいいよって言ってくれてたけど…やっぱり寂しかったんだろう。
そういう風にしたのは自分だって自覚があっても胸が痛い。
小さい頃からずっとイルカだけを見てきた。
あの災厄があってからはずっと一緒にいて、大切に大切にしてきた。
俺がいないと生きていけないくらいに。
…だから。許して?
「なんだよ!無理しなくてもイイっていっただろ?怪我とかしてねぇだろうな?」
ちょっと口を尖らせて、俺の身体を心配してか、やたら触ってくるのもかわいい。
…この真っ直ぐな瞳を心を…諦めようと思ったのは一度どころじゃない。
何度もこうやって無邪気なイルカの優しい幼馴染でいるだけでいいと思おうとしてきた。
俺は上忍で名が売れてて、イルカにはもっと幸せな里での生活があるんじゃないかって。
大怪我して入院するたびに泣きすぎた瞳を真っ赤にして俺にしがみ付いて、それから一生懸命世話してくれるイルカに、普通の幸せをあげることなんてできないと思ったから。
戦ってイルカを守れるのは俺の誇りだ。
だから、イルカを泣かせない生き方は多分無理。
それでも…諦め切れなかった。
俺以外の誰かの側でイルカが笑ったら、きっと俺はイルカを見守るのを止めてしまう。
相手を始末して、攫って、閉じ込めて…。
その想像は確かに狂っているのに、それを喜びと感じる俺を誤魔化すことはできなかった。
愕然とした。…でも同時に納得した。
俺はイルカじゃないとダメなんだと。
すぐにも手に入れてしまいたかったけど、大事で大事すぎて何も知らないイルカを壊すのが怖くて…だから今日まで我慢した。
正式な結びつきってヤツがイルカとの間に欲しかったっていうのもあるけど。
今日からイルカは正式に大人になる。
…今日をもうずっと長いこと待っていた。
不安そうなイルカが、俺の無事を確認してほっと息を吐くのを見てから、俺はイルカに笑って見せた。
「うん。大丈夫!それよりお祝いしようよ!今日でイルカも大人の仲間入りだし?」
「お祝いなんて…」
ちょっと困ったような顔をしているのは、成人したって実感がわかないのかもしれない。
俺も、そうだったし。
いきなり昨日と違う人間になるわけじゃないから当然かもしれない。
それにそもそも成人する前に、大抵の忍は一通りの経験を済ませるから、年齢は大して考慮されないことが多いっていうのもある。
イルカは…俺がソレを許さなかったから何も知らないけど。
まあ、イルカが実感しようがしまいが、今日から大人として扱われるのだ。
…結婚できる大人に。
もじもじしながら、でも嬉しそうにしてるのは分かったから、それだけでいいことにする。
「いいじゃん。祝わせてよ。とりあえず俺んち来て?」
恥ずかしがったイルカを逃がさないように握った手を、ぎゅっとをして握り返してくれた。
これから何をされるかなんてわかってないだろう。
それでも…俺はイルカを手に入れる。
今日こそ、全部。
*****
イルカと出会ったのはずいぶん昔のこと。
父さんが任務がちょっと落ち着いたけどまだ小さい俺を一人で育てるのを不安に感じてた時に、知り合いの上忍夫婦を頼ったのが始まりらしい。
元々知り合いで時々は俺を連れて遊びに言ってたらしいんだけど…。
父さんは任務以外では本当に不器用な人だったから、どうやらその時に色々やらかしたらしい。
イルカの親父さんの話によると、俺を床に落としかけて、そのまま拾えばいいのに慌てすぎて風遁つかったり、空腹で泣き喚く俺をどうしたらいいか分からなくなって忍犬大量に呼び出してあやそうとしたりしたんだとか…。
…その不器用さが命を縮めたのかもしれない。真っ直ぐな人だったから。
まあそれで、面倒見がイイというかお人よしと言うかおせっかいと言うか…とにかく父さんのあまりの育児の危なっかしさを心配したイルカの両親が、もうすぐ自分たちの子どもも生まれるし、近所に住めば任務の時に面倒を見られるって言う提案というか…半ば脅しのように押し切られた父さんが、結局隣の空き家に引っ越してからの付き合いだ。
俺が歩けるようになったら、当然のように父さんが任務に連れ出して、ソレをイルカの両親が説教してとか色々あったみたいだけど…物心ついたときから、修行したり、時々父さんと一緒に出かけて、帰ってきたら説教される父さんの横でイルカと遊ぶのが日常になっていた。
…正直俺は父さんだけが育ててたら今頃この世にいないと思う。今思えば結構とんでもないことさせられてたから。コレくらいなら大丈夫と思ってっていいながら、バリバリの暗殺任務に当時三歳くらいだった俺を連れまわしてた父さんはやっぱりちょっとずれていた。
それに料理とかもあんまり得意じゃなくて、結局イルカの両親に教えてもらった俺の方が上手くなったし。
俺が作った物を食べて喜ぶイルカが見たくて頑張ってたら、イルカの両親も喜んでくれたからいいんだけど。
…父さんは、どうして料理ができるのかを驚くばっかりで喜ぶまでにはいかなかったけどね。その分、ずっと修行を見てくれた。寡黙な人だったけど真剣に。…子ども相手にも容赦なく。
まあとにかく、父さんは不器用すぎるくらい不器用で、でも俺を凄く大切にしてくれた。…今思えばだけど。
だから、そのせいで自分を追い詰めて追い詰めて…先に行ってしまった。
その頃の俺は既に忍としての任務をこなしていて、父さんとは別に行動することも多くないっていた。留守にするたびに泣きそうになるイルカを心配しながら出かけていた。
イルカは小さい頃からかわいくて、大きくなったらますますかわいくなって…その頃から既に欲しいと思っていた。誰かの物にしたくなくて、俺が留守中に他の奴らと遊ぶイルカに怒ったりしたっけ。
修行と称して二人っきりで過ごして、食事も風呂も一緒にすることが俺の一番の楽しみだった。
育休から復帰したイルカの両親が任務で出かけてるときなんかは、それこそずーっと一緒にいられるから、すまなそうにイルカを頼んで出かけていくイルカの両親に密かに感謝したものだ。
それだけ、戦が激しくなってたからなんだけど。父さんは中々帰って来なくなってたし、俺も忙しくなってて、父さんがあんなコトになるなんて想像もしなかった。
帰って来たときから様子がおかしくて、それから上層部に呼び出されるたびに憔悴していった父さんを、イルカの両親はものすごく心配して、でも父さんは外に出たがらなくて…食事もだんだん取らなくなって、俺の言葉にも反応しなくなって…どうしたらいいかわからないでいる内に…。
ウソみたいにあっさり消えた父さんの影を埋めるみたいに、任務と上層部の言葉が投げつけられた。
里のために戦えと。
父の失態を濯げとばかりに押し付けられる任務に、俺は熱心に取り組んだ。
三代目だけは謝ってくれたけど、その頃は父さんが勝手にいったことが受け入れられなくて、随分酷い態度を取ったと思う。
先生は…何も言わないでくれたのが、俺にとっては救いだった。
…イルカのことも。
家に帰らない日が殆どなくらい任務を入れて、遊びに来てくれたのがわかっても何も話せないから無視して…でも、たまに帰るとポストに入ってる手紙だけは、むさぼるように読んだ。
イルカからの好意だけを搾取して、過去を否定する生活。
…そして、そのツケを親友と片目を代償にして払うコトになって…。
ソレからも俺は…戦って戦って…でも今度は戦う理由が変わった。
イルカを守るために。
でも、いつか強くなったらイルカにもう一度会いに行こうと思ってる間に、里にあの禍々しい獣が現れて全てを焼き尽くした。
家も、イルカの両親も。
俺も途中まで戦ってたのに、先生にも仲間にも子どもだからって理由で追い返された。…術までかけられて。
やっと解術して飛び出してみたら、里はめちゃくちゃで、俺は真っ先にイルカを探した。
そうしたら…表情が抜け落ちたイルカが立ってた。
多分この辺がイルカと俺の家だったはずだから、イルカも両親を探しに行ったのかもしれない。あの戦いで真っ先に飛び込んでいったから、その先は俺も想像がついた。先生の術式もみえたから、多分一緒に…。
うつろな瞳でクナイを手にしているイルカを見ていたら何も考えずに飛び出していた。
「馬鹿!なにやってんのよ!」
「カカシ…?」
久しぶりに見るイルカは、俺の記憶の中のイルカよりずっと大きくなってて、でも不思議そうに俺を見る顔は酷く幼く見えた。
何もかも抜け落ちたような顔。
それが俺を写したとたん、みるみるうちに驚きを形作り、見開かれた瞳に涙がこぼれていった。
「ほら!しっかりして!」
「無事で良かった…!」
頬をぺちぺち叩いて正気に戻そうとしたら、すぐに飛びつくようにして抱きついてきた。
イルカは、生きててくれた。
その体温で急に実感が湧いてきて、俺はへたり込みそうなくらい安堵した。
それから…色々話して、イルカの今までを知った。
俺がイルカの愛情だけをむさぼっている間にも、イルカはずっと俺のことを心配してくれていた。
ソレがどんなに酷いことかよくわかってたのに、それが恐ろしいくらい俺を喜ばせた。
そんなこと、イルカには想像もつかないだろう。
誰にも渡さない。…二度と放さないと決めたなんて。
…それからはもう、転がり落ちるみたいにイルカだけを見てきた。
一緒に住めるほど里にいなかったから、イルカは三代目の家に住んでる時期があったけど、イルカが忍として独り立ちしてからすぐ、俺はイルカを上手く丸め込んで俺の家に住まわせた。
イルカに気付かれないように、イルカの時間を独占して、寂しさがりのイルカのために、いい人のフリをしてイルカの行動をそれとなく探り、余計なモノは寄せ付けなかった。
一番近くで、優しいフリをしてずっと。
俺の企みになんか気付くはずもなく、イルカは俺を見てくれた。
自分なりの友人や知り合いはいても、イルカは無意識に俺を一番に考えるようになった。
18歳になる今日まで。
今日、俺はイルカを全部手に入れる。
…イルカの幼馴染じゃなくて、もっと一番近くにいるために。
用意した小道具を並べてちょっと不安そうにしているイルカをなだめる様に、差し出してやる。
「やっぱりお祝いって言ったら酒だよねぇ?」
これ以上は…もう待てないから。
*****
イルカは俺の勧めに乗って、どんどん飲んでくれた。
俺がそろえたのは喉越しが良くて飲み易いけど、アルコールとしては決行強い部類に入るものばかりだ。
すぐに酔っ払ってくれるだろう。
そして予想通りイルカはそれから間をおかず、身体をゆらゆらと揺らし始めた。
とろんとした瞳も、赤く染まった顔も、どれも今すぐにでも押し倒して欲しいと言わんばかりで、俺にとっては水とそうたいして変わらない液体をイルカにあわせるように飲み続けた。
そろそろいいかもしれない。
そう思い始めた頃、楽しそうにしていたイルカが、急に思いつめたような顔で呟いた。
「お前がどこに行ってもなにやってても…俺はお前のことちゃんと待ってるからな!」
涙目のイルカが何を考えてるのかなんて、すぐ想像できた。
今日でイルカが成人したから、俺とも離れないといけないと思い込んで、それで落ち込んでるに違いない。
つまり、イルカは俺と離れるのをこんなに寂しがってくれてるってことだ。
イルカが嫌がっても手に入れるつもりだった。
もしコレで拒絶されてもどんな手を使ってでもと。
…でも、これでその問題は解決した。
イルカは、俺を拒まない。
「うん。待ってて。ずっとずっと…!」
いうだけ言ってスッキリしたのか、舟をこぎ始めたイルカを抱きしめた。
「大好き。だから…俺を全部上げるよ。」
腕の中のイルカが愛おしくて気が狂いそうだ。
もう、逃がさない。
*****
寝ぼけたイルカは壮絶にかわいらしかった。
赤く染まったからだのそこここに印を残して、服を脱がせると、ぼんやりしてるのに律儀に反応を返し、時々むずかるように身体をゆすった。
それでも手を止めないでいると、流石に気付いたのか不満そうにとろんとした瞳でにらんでふにゃふにゃと文句を言ってきた。
ソレすらも俺を煽るなんてコトに気付きもしないで。
当然か、ずっと…俺自身がそういうことからイルカを遠ざけてきたんだから。
俺が服を脱ぎ捨てても、今にも眠りに落ちそうな瞳で不思議そうに見てるだけで、警戒すらもしていない。
「ねぇ。好きだよ。」
「俺も、好きだよ?」
思いあまって好きだと告げても、嬉しそうに頬なんか引っ張ってきて子どもみたいに笑っている。
どうしてこうも俺を煽るんだか。狙ってるんじゃないのは良く分かってるけど、優しくしてあげられそうにない。
「それ、忘れないでね?」
そういうと、俺は邪魔なズボンも脱ぎ捨ててイルカに覆いかぶさった。
子どものころも今も…イルカはあけっぴろげで警戒心が薄い。
その何も知らないイルカに美馬から俺は酷いことをしようとしている。
自覚しても押さえられない衝動に支配されて。
「イルカとずっと一緒にいたい。誰にも渡したくない。だから…」
言い訳のように口を突いた言葉に、イルカは自分から止めを刺してくれた。
「カカシー…どこにいっても絶対俺のトコに戻って来いよ?」
涙が今にもこぼれそうに鳴ったその瞳に、俺の情けない顔が映った。
鼻水をすすりながらすがり付いてくるイルカは、俺を欲しがってくれている。
そういう意味じゃなくても、離れたくないと望んでくれているのなら…これ以上我慢しなくてもいいだろう?
「うん!俺の全部はイルカのものだから、イルカのところに戻ってくる。」
こみ上げる喜びとともに、欲望のタガが外れる音がした気がした。
「ホントか!」
嬉しそうに笑っているイルカが、どこまで理解してくれるか疑問だけど。
「…ねぇ。だから約束しよう?イルカも、俺に全部頂戴。ずっと一緒にいて?」
「する!そうだ!俺のやる!」
あっさり俺の言葉にうなずいたイルカは、多分これから何をされるかなんて想像もしてないだろう。
少なくともこれから俺がイルカをどうするか知ってたら、こんなに嬉しそうにしないから。
でも。
「うん。全部貰うから。」
酒の混じったイルカの舌が、熱くて湿ったその感触が、俺の衝動を後押ししてくれた。
「んんっ!?」
案の定、理解が出来ないとばかりに目を見開いているイルカの頬に、暗い喜びとともに触れた。
「なぁんにも教えなかったもんね?誰も近づけさせなかったし、誰のも触れさせなかった…。」
「カカシ…?」
僅かなおびえを湛えた瞳さえ、俺のつきあげるような衝動を後押しする。
「大丈夫。優しくする。」
…あんまり自信はないけど。
「ひゃう!」
驚かせてしまったらしい。
イルカはそういう方向の知識に疎いから、俺が何をするかなんて予想できなかったんだろう。
熱く狭いそこに、これから受け入れてもらうモノは大きすぎるかもしれない。
「ここも、痛くないようにするから。」
それでも、途中で止めて上げられる余裕はなかったから。
俺はそのまま指を進めた。
厚い粘膜は俺の指を食い締めるように味わい、コレに包み込まれたらどれだけ気持ちがいいんだろうと俺は興奮を抑えるのに苦労した。
「うー…!止めろ!やだ!」
イルカは首を振り、足をばたつかせ、俺の暴挙に抗議の声を上げた。
その抵抗さえ愛おしくて、俺を拒もうと必死な手をつかんで口づけると、ソレすらも俺の熱を煽った。
甘く熱いその手すら、食べてしまいたいくらい欲しくてたまらない。
「止めない。…だって約束でしょ?」
「やくそく…?」
なだめる言葉に首を傾げるその仕草に煽られて、俺を包んでくれるはずの肉に、指を突き立てた。
凶暴な気分に追い上げられるように、ぐいぐいと押し込み、かわいい胸の飾りや、仰け反って食われたそうにしているうなじにもキスを落とした。
涙目であおるように俺を見つめるイルカ。
これから全部俺のモノになるんだと思うと、興奮しすぎてめちゃくちゃにしてしまいたくなった。
「な、んで…っ!ヤダ!もう止める!」
「だーめ。…約束破ったらダメでしょ?」
頑是無い子どものように、首を振って俺を拒むのをいなし、イルカが反応を返したところを執拗に攻めた。
それでも、覚えたように上がるちいさな悲鳴と共にイルカが泣きそうな瞳で訴えてくる。
「うぅー…っ!でも、何でこんなことするんだ!」
「コレ見て、わかんない?」
興奮した己を晒し、無垢なイルカに突きつけた。
イルカが驚いたように俺の怒張した雄に怯えるのを、笑顔さえ浮かべながら眺めた。
俺の愛を…欲望を思い知ればいい。
押さえ切れないほどのこの思いに、どうか流されて…?
祈りと興奮の赴くままに、驚いたように手を引こうとしたイルカを押さえつけた。
興奮を示すイルカの可愛らしい物にはげまされながら。
「これ!どうして…!?」
「イルカが欲しいから。そういう意味で。イルカもそうでしょ?だってホラ…もうこんなだよ?」
俺のすっかり勃ちあがったモノを見て、驚愕と怯えを含んだその顔に、めちゃくちゃにしてしまいたいくらい興奮した。
イルカのかわいらしいものと一緒に握りこむと、イルカも興奮しているのが感じられて熱い息がこぼれる。
これ以上は我慢できない。
「あ…!」
「触られてるだけでイきそうだけど、…やっぱりこっちで出させて。」
その言葉にまるで期待しているかのように俺の指を締め上げた中に、早く己を飲み込ませたかった。
イルカの足ひろげさせ、受け入れさせるためだけの大勢に固定すると、事態を把握しきれず固まっているイルカに俺の猛りきった雄をつきたてた。
「あぁぁっ!」
奥まで俺を飲み込んで、悲鳴のように甲高く恐怖と驚愕に彩られた声を上げるイルカに、振るえが繰るほど興奮した。
コレで、イルカは俺のモノだ。
「好き。誰にも渡さないよ?…もう、コレで離れられないでしょ?」
衝撃が強すぎたのか、がくがくと足を震えさせながら、荒い息を吐くイルカを見ていると、愛おしさと共に、もっと欲しいという突き上げるような欲望で頭が一杯になった。
とろんとした瞳に、確かな快楽と陶酔を見て取って、それに後押しされるように、興奮しきった俺の欲望が暴れだす。
「ごめん。我慢できない。」
「やぅ…っ!ちょ…っ待っ…!」
急な侵入者に怯え、まだ慣れていない肉に、俺の熱く硬い猛りを叩きつけるように突きこんだ。
痛い思いをさせているかもしれないと一瞬頭をよぎった危惧は、イルカの甘い声に解けて消え、ただ気持ち良さそうに腰を揺らし俺を求めるイルカに夢中になった。
「あっ…あっ…あっ!」
恥ずかしそうに身をよじりながら、それでも快楽に逆らいきれず、俺に縋り、腰を揺らし、熱い吐息を吐き、甘い声と共にその瞳で誘う。
…食われそうだ…!
何も知らないイルカを襲ったのは俺なのに、イルカの中は俺自身に絡みつき、離れたくないとでも言うように熱く包み込む。
すぐにもイきそうなモノが、開放と更なる高みを求めているのが分かった。
押し寄せる波のように激しい興奮が、俺を急き立てる。
「や…も、でちゃう…!」
「ん。俺も…!」
その声で甘い声で身を震わせ、立ち上がりきったイルカの限界も近いのを知った。
媚薬よりよっぽど俺を追い詰めるその声に、誘われるようにイルカの中に吐き出した。
イルカと俺はほぼ同時絶頂に達したのに、吐き出した熱はまだ冷めずに身のうちにくすぶっている。
未練たらしく吐き出したのに萎え切らない己をこすり付けるように腰をゆすると、イルカの身体から力が抜けていくのが分かった。
「イルカ…?」
「寝る…。」
怪訝に思って問いかけた俺の声に、それだけ呟き、イルカは瞳を閉じて意識を手放した。
「…ごめんね…?」
何もかも初めてのイルカに、無体を強いた自覚はあった。
それでも俺を包む粘膜はやわやわと締め付ける。
俺は意識を失ったイルカ相手に、腰を打ち付けるのを止めることができなかった。
*****
ちょっと憔悴して、でもかわいい顔で眠りに落ちたイルカを一晩中眺めていた。
…朝が来て、その瞳がゆっくりと開かれて…俺を見つめた瞬間、堪えきれずに言っていた。
「ね。結婚して?」
イルカの全部を手に入れた嬉しさと、イルカがどんな答えをだすのかという恐怖。
…頼むから拒まないで。
そう思いながらイルカをぎゅっと抱きしめて、ダメ押しのように囁いた。
「聞いといて何だけど、逃がすつもりないから。」
イルカの温かい手を握り締め、一世一代の告白をした。
もし拒まれたらきっと俺はイルカを閉じ込めてしまう。
平静を装っても隠し切れない不安に気付いたのか、イルカが戸惑った顔で俺を見つめている。
触れる肌から激しい鼓動が伝わってきて、イルカの焦りを肌で感じた。
でも…困ったような顔をして、それでも…イルカはうなずいてくれた。
ぎこちなく、それでも確かに俺を見て。
喜びと嬉しさで狂いそうになりながら、俺はイルカを抱きしめた。
…俺だけのイルカを。
*****
勝負を誕生日にかけようと思ったのは、イルカをどうしても手に入れたかったからだけど、今でもイルカはだまし討ちのような告白を根に持っているらしい。
…そういうところは子どものころから変わってない。
未だにイルカのアイスを食べちゃったことを覚えているくらいだからしょうがない。
ま、かわいいからいんだけどね?
でも…。
「恋人は…誕生日プレゼントに貰ったんです。」
っていうイルカがどこか誇らしげなのに、悔しげなのが可愛くて、ついつい抱きしめて、それから先も求めてしまうのは…これからも止められそうにない。


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イル誕その1!カカシ視点おまたせしました!
次もどんどんがんばるぞー!!!
ご意見ご感想などがございましたらお気軽に拍手などからどうぞ!


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