実用的なプレゼント(猫の日)
「いい加減にしろよ?まったく!」
「えー?だってイルカが返ってこないからお迎えにいっただけでしょ?」
「だから、それが皆に迷惑なんだ!仕事途中だったんだぞ!」
「無理―。だって猫だし。」
「うう…っ!猫だけど…!」
「さて、主賓がやっと帰ってきたから色々やらないとねぇ?」
「え?」
「ま、とりあえず座って。」
「なんだ?一体?」
「はい。これ。」
「わっ!…箱?なんだこれ?」
「お誕生日のご主人様にお祝いかなー?」
「そういえば…今日だった!!!だから皆飲みに誘ってくれたのか…!」
「…御礼は今度しておくねー?」
「お礼!そうだな…。お前に任務があるって思ってたから…急に断っちゃって悪かったなぁ…。」
「ねぇ。早く開けてみてよ。」
「おう!…えーっと結構デカイなぁ?…えい!」
「あーあ。びりびりにしちゃって…開け方が子どもみたいだよね。」
「五月蝿いぞ猫!…わ!なんだこれ!?大量に変なモノが…!!」
「おもちゃ。」
「お前のか?」
「ま、ある意味ね。」
「…ねこじゃらし…には見えないが…?」
「気持ちよくなるおもちゃだからねぇ?」
「なんか…やな予感が…!」
「それ、後で使いかた教えてあげるから。ごはんにしようよ。」
「あ!そうだった!…折角誕生日なんだし一楽にでも…!」
「だめー。台所に色々用意してあるから早く食べさせて。」
「猫はわがまま言うな!」
「ごはん…くれないの…?」
「あぁ!?泣くな!ちょっと待ってろ!」
「お礼参りはいつにしようかなー?」
*****
「美味い!」
「そ?」
「一楽も捨て難いけど、寿司も美味いなぁ!」
「ちゃんとしっかり食べといてね?」
「食うけど…なんでだ?」
「あとで俺といっぱい遊んでもらうから。」
「…何か素直に食うのは業腹だけど…美味いからいいか。」
「そうそう。」
「ほら猫!食え!」
「…ん。ま、おいしいかな?」
「…生意気だな猫…!こんな高そうな寿司に…!」
「イルカのお祝いなんだからいいじゃない。イルカが美味しければ。」
「そ、そうなんだけど…!」
「いいから次頂戴。」
「おう!」
*****
「ふー!風呂上りのビールは最高だな!」
「ねぇ。遊んでよ。」
「あーまあ、せっかくのおもちゃだしな。」
「そうそう。」
「で、そのおもちゃはどうやって遊ぶんだ?」
「いいから。」
「わっ!なんだ!?離せ!」
「今日はローターからにしようかなー?」
「なにすんだ猫!」
「一杯気持ちよくなってねぇ…?俺からのお祝いだから。」
「お祝い…なんかやな予感するからいらん!離せ!」
「えー?でも猫だからいうことなんかききたくないなぁ?」
「なんだそれ!?」
「ってことで…今日は一杯鳴いてもらおうっと。」
「やっ!なんで!?ぶるぶるする…っ!?」
「実用的な誕生日プレゼントだよねぇ?」

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猫は猫のような?
欲望に忠実なのでお祝いという口実でタップリイルカてんてーを頂いた猫だったという…。
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