薬草つみに5(適当)




これの続き。


抱き上げてたイルカを玄関におろした途端、大喜びで跳ね回ってくれた。
「すごいすごい!どうやったの?カカシ!」
「時空間忍術っていうのを使ったんだ。いつかイルカにも教えてあげるね?」
「うん!」
薬草の勉強を一緒にしたせいもあってか、イルカが俺を見る瞳がきらきらに輝いている。
尊敬ってやつかなぁ…。本当はもっと違う意味で俺だけを見て欲しいけど、これはこれでやっぱり嬉しい。
それにしてもあんまり煩いし美味しそうな匂いさせてるからイルカだって気づいちゃうしで、大慌てで術使ったんだけど、大丈夫かなぁ?
うみのさんみたいにまじめな人には、先生みたいに天真爛漫に迷惑かける人は会わないと思うんだよね。
悪気が全然ないから逆に迷惑っていうかなー…ま、きっとなんとかするだろう。
「じゃ、早速これ届けてこよう。それなんとかしてからだけど」
「うん!あと、これはえっとえっと!」
「そ、すぐに処理しないともったいないから、今やっちゃおうね」
言い訳に使ったものの、実際今回手に入れた薬草は珍しい上に薬効が高いものだ。
でもすぐに成分が飛んじゃうから、洗って薬液に漬けこんでおかないといけない。
先生はこの所構ってあげてないから、帰ってきたらわめくだろうし、これ上げても委員だけど、むしろうみのさんの方がいいかなぁ?
「洗ってきた!」
「ん。じゃ、このビンに入れてくれる?」
「うん!あとは?」
「後は暗いところにおいておけば大丈夫。ありがと!」
「えへへ!カカシもいっぱいありがとう!」
突然飛びつくみたいに抱きしめてくれたイルカに、やっぱり逃げてきて正解だと思う。
あの場にいたら、絶対なにか良からぬことに巻き込まれてたはずだ。
少なくとも先生はなにか碌でもないことを考えていたのは間違いない。
うみのさんも叫んでたもんなー…なにやらかしたんだろう。想像するとちょっと怖い。
…ま、先生のことだからもうとっくに里に戻っているだろうけどね。
つかの間の平和を満喫しないと。
「じゃ、三代目に報告してこよう」
「うん!」
このおままごとみたいな任務は多分先生が仕組んだものだと思うから、隙をみて三代目のところに駆け込めば、多少被害が減らせるかもしれない。
うみのさんで遊ぶのに夢中だったみたいだし、そんなに気にしなくても平気かなー?最近奥さんが忙しいからって、拗ねて暴れまわるのやめて欲しいよ。
仕事はできる人なんだけど、落ち着きって物がない。冷静に敵陣を瓦解させるときと、俺の皿に嫌いなにんじん載せるときの顔が一緒だなんて、他国には知られるわけにも行かないし。
「カカシくーん!おっかえりなさい!さ!ご馳走だよ!」
遅かったか…!
俺の家の中でも薬草なんかを置いてあるあんまり行かない方を選んだのに、さすが先生だ。
「イルカ!よくがんばったな!さあ帰るぞ!」
うみのさん…なんだかよろよろしてるけど、先生…まさか一緒に飛んだ?
目が血走って怖いけど、こんなときでもイルカを守ろうとするのはかっこいいよね。
「ヤダ!ちゃんと報告するんだもん!まだ帰らない!」
「イルカ…!だがお前はただ同行しただけで…」
ああ、まずい。このままじゃイルカが泣いちゃう。
今でも肩を震わせて、うみのさんをにらんでるのに、さらにまた父ちゃん大嫌いなんていおうものなら、弱ってるうみのさんの精神が崩壊しかねない。
「うみのさん。これも修行になるからって、三代目が言ってました。一緒にいったらダメですか…?」
上目遣いに懇願したら、うみのさんが目に見えて動揺した。
…こういうとこが、奥さんがあの人かわいいのよーってのろける所以なのかな…。最初に会ったときの印象が強すぎて、少しも納得できなかったんだけど、イルカも優しいって言うか…隙が多くて心配だもんな。
「か、かまわん。今回は世話になったな。今度うちへ来い。一人じゃろくなものを食べていないだろう」
「母ちゃんのご飯おいしいよ!あと父ちゃんのも!」
イルカがきゃあきゃあいって喜んでるし、ここはありがたく頷いておくべきだろう。
なんでかしらないけど、先生が泣きそうな顔してるのは鬱陶しいけどね。
「はい!是非!」
「酷いよー!カカシ君!俺ともご飯食べようよ!」
「はいはい。先生とはまた今度…って言うか、今日はここでみんな一緒にご飯にしたらだめですか?料理もいっぱいあるし」
「ナイスアイデアだね!さすがカカシ君!」
けろっとした顔で笑って喜んでる辺り、先生らしい。もうとにかく報告したらすぐにこの人たちを何とかしよう。
「イルカと報告に行ったら、イルカのお母さんも呼んできますね!」
「あ、ああ。頼む」
「楽しみだなぁ!うみのさんの奥さんがくるならお酒もですよね!」
「お前は少し落ち着かんか!それでも火影…」
「いってきまーす!」
切が無さそうだから、もういいや、ほっとこう。
「父ちゃんたち楽しそうだったね!」
「あー…うん。そうだね」
二人っきりにするのはちょっと怖いけど…付いてこられるよりましだろう。
…そう考えたのが仇になって、家に帰り着くなり二人して真剣にイルカと俺のかわいらしさについて喧嘩してて、二人とも奥さんに鉄拳制裁食らったり、先生の奥さんが迎えに来て、なし崩しにみんな俺の家に泊まっていったっていうのは…まあ俺もまだまだ修行が足りないってことかな…。
イルカがすっごく楽しかったっていってたし、うみのさんからの風当たりが少し柔らかくなったから、まあいいか。


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子カカイル祭り継続中。
おわりー!ってことで、子カカイル祭りもここらでけりつけようかと思います(*´∀`)
ありがとうございましたー!ニーズあったらまたなんかやります!
粗品のネタは常にふらふら迷い道モードなので(;´∀`)
ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ!

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