薬草つみに(適当)

「準備できた?」
イルカは笑顔全開首がもげそうな勢いでうなずいてくれた。
「うん!お菓子もいっぱい持ってきた!」
ちらっと見た限りでは、クナイと手裏剣はいいとしても、それ以外はお菓子でいっぱいだったような…。
ま、イルカの年じゃそんなもんかな。
兵糧丸はちゃんと俺が用意してあるし、数日なら何とかなるだろう。
「えっと。あとお父さんたちにはちゃんと言ってきたの?」
「父ちゃんなんて知らないもん!カカシと一緒に行く!」
ぷいっと顔を背けてふくれっつらしてるところを見ると…多分ひと悶着あったんだろうな。
三代目が口ごもってたのもこのせいか。
これは帰ってからが大変だろうなー…。
イルカのお父さんって…うみの上忍だよね。
一応里長公認とはいえ、無断で外に連れ出しちゃうのってどうなのかな…。
「カカシ!行こう?」
「…うん!」
悩んでたって仕方ない。
四代目が何でいきなりこんなことに許可だしたのかしらないけど、イルカと一緒にいるのは楽しい。
まだちびだし、なんにもないところでこけたりするけど、イルカはすごく優しいし、一生懸命だし、それにかわいい。
それにもうこけても泣かなくなった。きっとこれから強くなるに違いない。
そしたらいつか一緒の任務にだって行けるし、それに…一緒に暮らせるかもしれないもんね。
掃除はイルカのが上手いけど、料理はまだ俺の方が上手だ。それに洗濯物は二人ともできる。
術使って乾かすのは、俺の方が得意だけどね。
忍の家のほとんどが共働きだし、俺とイルカならどっちもなんでもできるから、もうちょっとして俺が上忍になったら…お父さんにイルカを下さいって言って見ようか。
…ってもしかして、そういうことまでばれてるのかな…先生に。
「カカシは甘いのやだから、ちゃんとおせんべい上げるね!」
「ん。ありがと」
細かいことは考えても仕方ないか。俺はある意味任務みたいなものだし、イルカを絶対に守り通せばいいだけのことだ。
携帯食料も持ったし、一応握り飯も用意した。
俺は兵糧丸でも平気だけど、イルカには流石にまだ早いだろう。隠れ家の近くの水場で魚も取れるから、他はなんとかなるはずだ。
親御さんのことは心配だけど。
「…んっとね、あのね。母ちゃんにはちゃんとおでかけしますって言って来た!父ちゃんはぎゃーって言ってたから知らない!」
「そ、そう?あー…ってことは」
奥さんにまた教育的指導を受けたんだな…。
もしかするとイルカのお母さんが頼んだのかも。
子離れなんて一生できそうにないもんなー?イルカのお父さんじゃ。
厳しくてやさしくていい人だけど、息子に近づくとはそれなりの覚悟は決めているだろうなって初対面で言われたのも記憶に新しい。
奥さんに鉄建制裁で黙らされてたから、イルカは気づいてないかもだけど。
「やくそうさいしゅ!がんばる!」
「うん!がんばろうね!」
隠れ家に一晩くらいなら余裕で泊まれる準備はあるけど、ついでに式でも送っておこうかな…。先生にも、それからうみのさんちにも。
ちょっとため息がでそうだけど、イルカがあんなに楽しそうにしてるんだから、余計なことは悟られないようにしないとね。
「あとは、先生が何考えてるかは今度聞き出そう」
「なぁに?カカシ?せんせーって金髪の兄ちゃん?」
「うん」
「そっかぁ…カカシ君のことお願いしますって言ってた!すえながくって!わかんなくてうーんってなったら、カカシ君のことすき?っていうから大好きって言った!」
「そっか!俺もイルカのこと大好きだよ!」
「えへへ!ありがと!カカシ!」
「どういたしまして!」
うーん?先生暴走してるっぽいな…火に油注ぐようなことにならなきゃいいんだけど。
ちょっと不安だけど。
今更先生に何言っても無駄だろうから、どうせなら楽しく過ごした方が得だよね。
「しゅっぱあつ!」
「うん!」
うきうきしながら手をつないで二人仲良く大門を潜った俺たちは、背後から近づく存在に気づいていなかった。
…そのときは、まだ。


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子カカイル祭り継続中。
要するに初めてのお使いです。そして…つづいてもいいですかァ '`,、'`,、('∀`) '`,、'`,、
ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ!

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