「ですから!三代目がプレゼントを持ってきてくださるんですよ…!」 「…何故?」 「え、えーっと?クリスマスですよ?」 「そうだな。ケーキと、後は歌を歌ってくれた。それから本を貰った気がするんだが…。カカシにも絵本を」 「…それ、いくつのときですか?」 「カカシが二つ、か?いやもしかするともっと小さかったかもしれない。彼女が宝物のように抱きしめていて、首や手も折れそうに細くて、俺も抱き上げようとするんだがやわらかすぎて不安がっていたら、大丈夫だといいながら抱かせてくれた」 「それ、一歳かそこらなんじゃ…!?え、えーっとですね?普通は、子どもが寝ている間に、親がクリスマスプレゼントを置くんです。イブの間においておいて、朝になって見つけた子どもが喜ぶように…」 「親、が…?」 「えーっと、その。そんなに驚かなくても!あああああ!落ち込まなくても大丈夫ですから!ほら!任務とかで忙しかったんでしょうし!」 「カカシには悪いことをしてしまった…やはり俺は親失格なのかもしれない」 「い、いまからでも!ほら!うちも俺だと確実に気付かれるんで、三代目にお願いしてるんです!うちの嫁さんを押さえ込んどかなきゃいけないってのもありますけどね…」 「なるほど。正体を悟られないように行動しなければならないということか」 「ま、まあそうなんですけど!でもですね!?そんなに本格的に…」 「ぷれぜんと、か。術か。それとも武器か」 「えーっとですね。一般的なのは玩具です。去年イルカにはぬいぐるみを上げたんですが、今年はロボットの玩具にしようかなと思ってるんです。なんだったら一緒に買いに行きませんか?」 「そうか。それでか」 「え?」 「以前からこの時期になると町が妙に明るくなると思っていたんだ。それがくりすますだというのは彼女が教えてくれたんだが」 「あー…まあそうですね。隠れ里でも帰還するときにキラキラしてキレイですよね!」 「この時期になると、夜、天幕に玩具?を持ってくることが多かった」 「おも、ちゃ?え?」 「忍び込んできたのにクナイを突きつけたら、逃げた。正体に気づいてしまったからか」 「えーっと?」 「きもちよくするというんだが、特に必要がなかったから断ったこともあったな。何故か他にもたくさんの気配を感じたから、全員にきちんと体を休めるように言ったこともあった」 「サクモさん…!?そ、それいつの話ですか!?」 「いつ、だったか?そういえばうみのはいなかった…か?」 「油断もすきもない!ちゃんと気をつけなきゃ駄目ですよ!?」 「そうか」 「わかってませんね!?その顔!えーっとですね!サンタのふりして不埒な真似を働く連中もいるんです!絶対に天幕なんかに入れちゃ駄目ですからね!」 「そうか」 「あー…まあその。そっちは気をつけるとして!プレゼントを選びにいきませんか?うちのはうちので色々用意してるみたいですが」 「そうか。同行してもらってもかまわないだろうか?」 「ええ!もちろん!」 「くりすますか。…失敗するわけには行かないな」 「まあ、その、お祭りみたいなものですし!そこまで気負わなくても!」 「そうか」 「言っても無駄そうですね…。まあとにかく!あの子達に気付かれないように買ってきて、隠しておかなきゃいけませんし!今から行ってきましょう!」 「ああ。ありがとう。うみの」 「いいえ!…子どもたちによろこんでもらいましょうね!」 「そうだな」 ******************************************************************************** 肉食こぬこ。 というわけで、決戦の予兆。 ご意見ご感想お気軽にどうぞ。 |