こねこのくりすます14(肉食獣のいる生活もしも編)



「うまぁい!」
「「「なぁん!」」」
「そうか」
「サンタさん用のだけど喜んでもらえてよかったです!」
「赤いのもおいしいって言ってた!褒められた!」
「なんか、なんていうか…まあうん。楽しんでるみたいだし、いい、の、か…?」
「ああ、来たようだな」
「へ?」
「チッ!」
「サクモさぁあああん!聞いてくださいよ…ッ!俺!俺!…あ、かっわいいですね!」
「何抱きついてんの!父さんから離れろ!」
「「「フー!!!シャー!」」」
「黄色いのどうしたの?ほっぺた真っ赤!あとふさふさ触っちゃ駄目!カカシも駄目!」
「お前、まさかあの子に無体な真似を…!」
「ふぅん?ほっぺた手形!変な顔―!」
「あはは!みんなおそろいなんですね!猫のきぐるみ!」
「だから父さんに触るな!イルカ!チビたち!下がって!こいつ性犯罪者かも…!」
「そ、そうだ!そんなになるまで殴るなんて…お前一体なにをしでかしたんだ!」
「猫のきぐるみ着て怒られても迫力ありませんね?」
「そういう問題じゃないでしょ!この間も妄想垂れ流しながらうっさん臭い顔でデレデレしてたし…クシナさんに何かしたんじゃないの!?」
「赤いのいじめたの?酷い!酷い!」
「猫まみれっていいですね…!うみのさん!」
「馬鹿もんが!ナニを寝ぼけたことを!いい加減白状しろ!」
「カカシ。何か事情があるのかもしれない。…紅茶で構わないだろうか?」
「サクモさん…!うっ…!」
「な、泣くな!勝手に上がりこんだだけじゃ飽き足らず…!第一!子どもの教育に悪いだろうが!」
「「「フン!」」」
「チキンもサラダも前菜もー…ケーキもお酒だっておいしいって言ってもらえたんですよー…」
「そうか」
「ならなんでそんな顔に…?」
「プレゼントに指輪渡して、あけてもらおうと思ってでもすっごく嬉しそうに箱の包装はがしてるのみたらもう、ね?」
「ね?…というと?」
「ね?って!だから何したんだ!」
「ちょ、ちょっとちゅー…なんてしちゃってみたんです。えへへ!」
「そうか」
「…で、殴られたのか」
「馬鹿じゃないの?」
「いやその、真っ赤になってかわいくて、唇押さえてるからなんかもうね!辛抱たまらなくなったっていうか!ちょっとならいいかなーって?好きって言ってその、抱きしめようと」
「そういえば彼女にも」
「ん。父さんはちょっと黙っててね?」
「おい!押し倒そうの間違いだろう。お前のことだから先走ったんじゃ…!?」
「そしたら平手うちされてプレゼントも投げつけられたけど謝り倒して受け取ってもらって、今朝もたくさんおいしいもの作って、食べてはくれたんですけど口きいてくれないんです…!あ、でもあの教えていただいたプディングはソース食べて一瞬衝撃のあまりか真顔になって、それからもりもり食べてたから、気に入ってくれたみたいです!」
「当たり前じゃない?晩生っぽい人にいきなりとか。ありえない」
「そ、そうだぞ!嫁入り前の女性になんてことを!」
「すまない」
「サクモさんは…その、ちょっとお茶を入れてきていただけますか?」
「父さん…」
「あああああ!その!カカシ君も、ほ、ほらチビたち連れて!」
「そうですね。こんなサイッテーなヤツの言葉なんて、イルカに聞かせたくない。…父さんにも」
「奥方。お菓子がある。縁側で少しお茶でも」
「ん?おやつー!うまそう!」
「イルカも行こう?あんなのきいてたら耳が腐るよ?」
「にゃ!?耳腐るのヤダ!それにカカシと一緒がいい!」
「うん!」
「さてと…これでいいか。さあ!さっさと白状しろ!」
「うみのさんってすごいですね!猫使い!」
「馬鹿なこと言ってる場合か!誠心誠意謝ったんだろうな!いつもみたいにちゃらちゃらした態度じゃ、一生許してもらえないぞ!」
「そ、そんな…!いっそ記憶消して…!」
「ばっ!なんてことを!」
「照れてるだけってのもあるかもだけど、アンタ間違えすぎ。あの手の人は段階踏んで、ちゃんと言葉で言わなくちゃ。結婚してくださいって。多分全然違ったと思うよ?からかわれたとか、馬鹿にされたとか思ってるんじゃない?今頃」
「そ、そうかなぁ。そう思う?でもほら、クシナはかわいいし強いから、誰かに持っていかれる前に…ま、俺がいるからありえないんだけどね!」
「カカシ君…!?あ、あれ?さっきあっちに…!?」
「あ、影分身です。いつまでもこんなのにいられたら邪魔なので、さっさと追い出したいじゃないですか」
「そ、そうだけど!君にはまだこの手の話は早すぎ…!」
「ホントに好きならちゃんと言わなきゃわかんないよ?いつも一緒にいられないんだから、一緒にいるときはいつだって好きだって伝えて、他のヤツの言葉なんて耳に入らないくらい大事にしなきゃでしょ?」
「そう、だね」
「やけ食いしてる恋人放ってくるとか、まずそこが駄目すぎ。今すぐ帰ってせめてちゃんと伝えてきたら?」
「カカシ君…!君ってすごいね!」
「こんな幼い子どもにすらわかることなんだぞ!ま、まあその、カカシ君はちょっと賢すぎるけど!とにかく!ちゃんと謝ってきなさい!」
「あ、でも」
「はいはい。影分身でしょ?アンタも。俺でもわかるのにちょっとぬるすぎるんじゃないの?考え方が」
「アンタなんてやだなぁ!遠慮しないで!さ、先生って呼んでいいんだよ?カカシ君!」
「来たな」
「サクモさん!?え?来たって…」
「ああああああの!サクモさん。いらっしゃいますか?」
「あ!クシナー!ぐえ!」
「さっき言ったばっかりでしょ!父さん!その辺の犬より馬鹿なんだけどコイツ!」
「馬鹿っていえばクシナ馬鹿って有名だったもんなぁ…。カカシ君ごめんな…なんでこんなのがカカシ君の担当上忍候補…」
「首が外れるかと思ったよ…。クシナー!サクモさんじゃなくて俺を…!」
「あー!なんでアンタがここにいるんだってばねー!?」
「えええと!?その、男ばかりが不安ならうちの嫁さんも同席させるから!ほ、ほら、まずは暖かいものでも飲んで!」
「うみのさん…すみません!うちのが迷惑をかけて!ほんっとなにやってんだってばね!バカバカバカバカ!」
「いてっいてて!ああ…!クシナー…クシナが触ってくれた…!」
「…変態だね」
「そうか」
「そういう問題じゃなくて!ほ、ほら!座りなさい!」
「あ、ごめんなさい!」
「だーかーらー。猫のきぐるみ着て言われてもーぐえ!」
「失礼なことばっかり言うんじゃないってばね!それに…これすっごくかわいいってば!」
「クシナ!な、なら今すぐ作るから!」
「ミナトはアナタの事が好きすぎるんだろう。押さえが利かなかったのは褒められたことではないんだが」
「サクモ、さん…」
「好き同士で上手くいかないこともあるんだな。…お互いに、少し落ち着けたらいいんだが、それすらできないほど思い合っているんだろう」
「そ、そんな!好きって…で、でも!酷いってばね!」
「クシナー!ホント?ホント?俺はもう君以外を妻にするなんて考えられないほど好きなんだけど!」
「んな!なにいってんだってばねー!」
「ぐぁ!うぅ…さすがクシナ…!今日の拳もキレキレだね!」
「大丈夫そうだな。これも食べて行くといい」
「サクモさんのケーキ!い、いいんですか!」
「わー!おいしそうですね!」
「も、もう!…なんか悩むのが馬鹿馬鹿しくなってきたってばね…」
「おいしいもの食べると元気になるっていってたよね?これもまたレシピを!」
「ああ、一緒に習いに来るといい」
「はい!ぜひ教えていただけたら嬉しいってばね!」
「うー…俺も一緒か…それなら…はい!」
「父さん。すごいね」
「サクモさんは…うん。なんていうかすごいです」
「そうか」


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肉食こぬこ。
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