らぶばかっぽー(適当)




最初は戦場で指揮を執る姿に惚れた。
だってかわいいんだよ!
俺の仲間は絶対殺させやしないーよとか言って先陣切って飛び出してくそのけなげさ…!挙句ほんとに体張って守ろうとしやがるし、凄まじく強くて罠の張り方も巧妙で、戦う姿は見事の一言だ。
それなのに肝心なときにチャクラ切れとかでよろよろしちゃうし!パタッと倒れるくせに意地張って大丈夫だとか言うし!それでつい介抱しちゃったら、ありがとなんていって頬染めちゃうし!どこの乙女だもう!
なんだかもう辛抱たまらなくなって、もう殆ど元気になったし、相手は上忍だし嫌だったら跳ね除けることくらい簡単だろうと、湧き上がる思いのまま勢いにのって、襲いにいってまさかの返り討ちにあったまではいい。
俺が掘られる方なのかって辺りに疑問は残るが、制裁としてならまだ理解できた。
つっこまれながらいく日が来るとかそんなこと考えたこともなかったってのに。先に仕掛けたのは俺だから、どんな目に合ってもしかたがない。殺されなかっただけでも行幸だろう。
でもな。こうもしくしく悲しげに泣かれちゃうとなぁ…。
「え、えーっと。あの」
「う、うぅー…!っきっ…のに…!な、で…!っげほ!」
ああもう!泣きすぎてしゃくりあげる声も掠れて、ついでに鼻水すするのと顔布引き上げるの同時にやってむせてるし!
なんてかわいいんだろう!
達した瞬間、甘く低く腰に響く声で呻いてたときなんてもう最高に色っぽかったんだ。
下にいるのに俺がやってるみたいな変な気分になったくらいだ。
…まあ今すっかり抜けた腰とあらぬ所に残る違和感とむずがゆいような痛みとが、昨夜の行為の激しさ物語っていて、つまりはこの人の方がノリノリでやってたってことなんだが、何で泣くんだよ…。
慰めたくなるじゃないか。男らしくここは謝って消えるべきなんだろうに、それすらも出来ない己の状態が憎い。
卑劣なことと知りながら、それでも玉砕覚悟でぶつかっていきたくなるほど、俺はこの人の事が好きなのに。
それをこんなにも苦しめているのは俺だ。
恐かったのかもしれない。この人とてつもなく強い上忍だけど、きれいな人だけど、もしかしたら。
「ごめんなさい…!」
あ、ヤバイ。
目が熱い。頬を伝う熱い液体が後から後からあふれ出て、シーツに点々と染みを作った。情けなくも貰い泣きだ。襲ってきた加害者に泣かれても、いくら返り討ちにしたからって許せないに決まってる。
この人をまた傷つけてしまうかもしれない。
焦るばかりで使い物にならない体はもちろん、言葉さえ浮かんでこなかった。
「って、好きだったのに。俺が、先に…!里に帰ったらちゃんと告白しようと思ったのに酷い」
詰る言葉さえ甘く響くのは、きっとこの人があまりにもかわいいからだ。
どうしよう?上忍で修羅場なんて死ぬほど潜ってきてるはずなのに、こんなにも愛らしい。
「ごめん、なさい。好きです。好き過ぎてもう我慢できなくなっちゃって、酷いことしてごめんなさい」
「…!うそつき!」
「うそ、じゃ、ないです。本当に本当に好きです。っていうかなんでアンタそんなに可愛いんだ!どういうことだ!」
「かわいいのはあんたじゃない!怪我してんのに無茶するし、食事しろとか俺には言うくせに自分の分後回しにして結局食いはぐってたくせに!」
「それはその…だって好きな人には元気でいてもらいたいじゃないですか!」
「そんなの俺もいっしょだもん!それに他の男に触ったりとかありえないし!」
随分と女々しいことをいう。それも嫉妬だと思うと湧き上がるときめきを押えきれない。
あぁ。好きだ。
我ながらどうかしてると思う。思うんだが。
きっとこの思いは誰にも止められない。
「好きです。あれは同僚です。相談に乗ってもらってたんです。性別を言わなかったせいか、夜這いに行って玉砕して来いと言われまして。…いっそそれもありだなって思っちまったんです。本当にごめんなさい」
「…ホントに?俺のこと、好き?」
ああもう首かしげて涙目だしまあ下半身も丸出しだけどなんていうか…今すぐ抱き締めたくなる。
ここが戦場だってことを忘れそうだ。忘れてそのまま押し倒してしまいたくなる。
その場合またやられるのは俺になるんだろうけど。
「好きです。もうめろめろです。どうしましょう。アンタのこと考えるだけで頭がおかしくなりそうなくらいなんですが」
本音がぼろぼろ零れて、衝動のままに動きそうになるのを押えきるので精一杯だ。
どうしよう。もういっそ何をされてもいいとさえ思ってしまうんだが。
「もう!アンタ俺のだから!そんなこと言う方が悪いんだから!」
プリプリ怒りながらキスをくれた。それからもちろん欲しかったその続きも。
どうしようもなにもマトモに動けそうにないんだということを思い出したころには、足を絡めることすら出来ずにうつぶせにされたまま腰を高く上げてただひたすらあえがされていた。

で、だ。里へ帰ってきた俺と、戦い方とかわいらしい仕草と名前くらいしか知らなかった彼がどうなったかというと。
「おかえりなさい」
「ただいま帰りました」
「ね、明日は休み?」
「ええ」
「そ」
この期待に満ちた瞳が好きだ。キラキラ輝く澄んだ瞳に俺だけが映っていて、もうなんでもしてあげたくなる。
…まあこの場合、求められているのは俺自身で、ありていに言えばやりたいってことなんだが。
体目当てというには無骨かこの体を欲しがる理由は、ただ俺を独占したいからだとかわいらしい告白をくれたから、それすらも愛おしい。残念ながら上忍と中忍の体力差は絶対的で、先に潰れることの方が多いんだけどな。
やってる最中は俺のことだけ考えてくれるでしょなんて言われたら、男として受け止めたくなるだろう?
「お風呂に飯で、それからアンタを食べたいです」
「も、もう!知らないんだから!」
居間に押し倒されて、どうやら風呂も飯も後回しになりそうだと思いながら、俺からもキスを仕掛けた。
たっぷりいちゃいちゃできる恋人同士の生活は最高だよな。うん。

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適当。
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