先手必勝?(毒と暗部にご用心!)

「お!イルカちゃんじゃないか!今日は寒いねぇ!どうしたい?また飴玉かい?」
「え、えっと!…こ、これください!」
「はいよ!めずらしいねぇ!イルカちゃんがチョコ買うなんて!それに…今年も上げてるよ?ほら、まあ小さいけどさ。バレンタインフェアだし、こんなんでも一応チョコ…」
「違うんです!あの、これは…先手必勝って言うか!その!」
「…なーるほど…!イルカちゃんもすみにおけないねぇ!今は男の子からも上げるんだっけねぇ?そんならこんな板チョコじゃなくてさ、こっちのにしときな!」
「え!でも、これ…!」
「イルカちゃんのためだ!負けとくよ!」
「そんな!払いますって!それに、これ、なんか凄くかわいいし!クマのぬいぐるみがついてる…!?」
「ああそんなんじゃ駄目だよ?うちの母ちゃんだって、口説いた時は気使ったもんだ!今はまあ、どしーんとでっかくかまえすぎちゃいるがね!ああ話がそれた。えーっとほら、女はそういうの好きだからさ!おっちゃんに騙されたと思って持ってきな!」
「あ!その!でもこれ、上げるの男…」
「え?…そうか…イルカちゃんがねぇ…!イルカちゃんはちっこい頃から元気でかわいかったからわからなくもないか!まあ好きあってるならどっちでもいいやね!持ってきな!でもピンクより青い方がいいかねぇ?」
「…おじさん…俺にクマつきチョコ渡したいだけじゃないですよね…?」
「泥だらけになって飴玉ほおばってたちびすけがいまじゃこんなにりっぱになって…!」
「うぅ…!いつものことながら話きいてねぇ…!」
「そうさなぁ…!俺のときも…色々あったっけねぇ…!」
「あ、あのー…これにします。ください…」
「はいよ!…ついでにこれも!」
「え!?」
「愛の告白にゃあ薔薇が付きもんだよ!山中の大将からのおすそ分けだ!なぁに!うちにあっても母ちゃんが喜ぶだけだからね!いいから持ってきな!」
「で、でも!」
「そいつを渡してばっちり決めればなんとかなるさ!頑張れよー!イルカちゃん!」
「は、はぁ…」
*****
「ただいまー…どうしたの?」
「先手必勝だと思ったんだ…」
「ふーん?で、この花は?」
「それはその!うう…先にチョコ渡しちゃえば、去年の二の舞は避けられると思ったのに…!」
「…なんかあったのねー?ま、いいけど。これ、俺の?」
「お前のだ。クマがついててかわいいんだ。でもなんか勘違いされてるって言うか…!」
「折角イルカの愛だもんねぇ?」
「うっ!…まあその…お前のだけど!で、でも!」
「なぁに?」
「俺はなんにも入れてないからな!」
「そうねぇ?入っててもいいけど。どうせ効かないし、効いたらイルカが大変なだけだしー?」
「なっ!?」
「浮気はしない主義だから。でもま、覚悟はしてね?」
「なんでだ!」
「だって、折角愛を受け取ったんだから、俺も貰ってもらわないと」
「だ、だったら!俺が!えーっと!?なんかしてもらうべきだろ!」
「んー?ご奉仕しようか?」
「なんだそれー!?」
「とりあえず…はい。あげる」
「んぐっ!?チョコの味…まさか!?」
「ま、それなりに色々?…いっぱい気持ちよくなってねー」
「あ、あ…っ!?今年もなのか…!?」
「愛はたっぷり返さないとね!」

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毎年恒例バレンタイン!毒暗部!…なのか?
…で、当然後輩は先を見越した周りの皆様の手により、遠くはなれた地で任務に励んでいたりして!
ではではー!ご意見ご感想など、お気軽にどうぞー!

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