聖夜(いじめっ子)

「イルカ」
「わっ!お帰り!っつーかアンタ窓からじゃなくてちゃんと玄関から入れって!」
「はい。クリスマスプレゼント」
「へ?」
「なによ?知らないわけじゃないんでしょ?ガキどもと騒いでたんだから。…今年はサンタじゃないらしいけど、結局他のヤツに構ってるんだから、一緒だよねぇ…?」
「う…!そ、そりゃ俺はアカデミー教師だし、ナルトたちとはちょっと昼飯兼ねて一緒に祝っただけだ!」
「ま、アンタのことだから予想してたけどね。…ほっとくとほんっと危なっかしい」
「うるさい!何でもいいから風呂入って来い!…こんなに身体冷やして…風邪とかひいてないだろうな…!?」
「忍にそんなのありえないでしょ?ま、いいから、その前に、ソレあけて」
「あ、…その、ありがとうございます。これって…?」
「いいから、あけなさいよ」
「…なんでそんなに態度がでかいんだ!…あける、けど…」
「ど?それ」
「これ…!」
「飯はこれから届けに来るはずだから」
「…意味って…」
「ホントは首輪付けときたいんだけどね。アンタふらふらしてるから。でもそんなのよりこういうのの方が鈍いアンタでもちゃんと俺の事意識するでしょ?」
「指輪なんて…アンタホント…」
「んー?月並みだけどね。ま、これで多少は悪いことしたって…」
「うるさい!ああもう!」
「…ちょっと。そんな可愛いことされたら、我慢できないんだけど?」
「元々我慢なんかしないくせに…!だまってしばらくじっとしてろ!いっつもくっ付いて来るんだからたまには俺に抱きしめられるくらい我慢できるだろ!」
「そーね。…それ、ちゃんとつけてよ?」
「…うぅ…!」
「別に指じゃなくてもいいけど。アンタのことだから恥ずかしいとかそんなコト考えてるんだろうし」
「違う!…そ、そりゃこんなのつけてたら職員室でも大騒ぎになるだろうけど!そうじゃなくて…俺、プレゼントなんてこれしか…」
「へぇ?一応俺にも用意した訳?」
「あ、当たり前だ!去年も俺ばっかりで…」
「アンタになんかモノ貰おうなんて期待してないよ。可愛い声で鳴いて縋ってくれればそれでいいし」
「ばっ!馬鹿言うな!…いいから!これやる!」
「いったいなぁ!なにすんのよ!投げるなんて…ああ、これ…」
「な、なんだよ!いらないならナルトにでも…!」
「だーめ。論外。そんなの許すわけ無いでしょ?俺のなんだから。…へー?マフラー?」
「外の任務の時は無理でも、里内なら…」
「もらっとく。…ありがと」
「アンタ、一応礼なんかいえたんですね…」
「貰って嬉しけりゃ礼ぐらい言うでしょ?アンタがくれたんだし」
「…態度は相変らずなんだよなぁ…」
「ああ。来た来た」
「え?あ!忍犬!」
「こういうの好きでしょ?ガキども食べてたのより美味いよ」
「張り合うなって!…でも、うわぁ!美味そう!ありがとな!」
「…犬に構ってないで、食べなさいよ」
「アンタもな!どうせ禄に食ってないんだろうに…」
「食べたら、側にいなかった分きっちりアンタ貰うから」
「だまって食え!…そんなの、俺だってこんな日は…」
「今日は随分積極的?それだけ誘うんだから、覚悟してよね?」
「アンタも覚悟しとけよ?」
「中忍のくせに態度でかいよね」
「うるさい!…怪我、今年はしてこなかったみたいだけど、どうせ無茶したんだろう!全部きっちり白状してもらうからな!」
「アンタを全部貰ってからね」
「…はぁ…。いいから食え!それから風呂も入れ!」
「はいはい。面倒臭いけど、アンタが言うならいいってことにしとく。それに、どうせヤルならキレイなほうがいいでしょ?」
「もう黙れ!…でも…メリークリスマス。今年も無事に帰ってきてくれてありがとう」
「そうね。メリークリスマス。どうでもいいけど、アンタが可愛いからこんな日もいいよね」
「はぁ…相変らず…。でも、まあ、そうだな。こんな日も…あり、だよな」


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いじめっ子的聖夜…のような気が致します。
今年も来年も喧嘩ばっかりしてそうな二人でしたとさ!
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