てんぷらしっぱい(かぼちゃのてんぷら)

「春だなぁ…!」
「また山行ってきたの?」
「おうとも!春の山はご馳走の宝庫なんだぞ!…って!?うわぁ!帰ってたならそういえ!びっくりした!」
「…そうみたいねぇ?山菜に木の実に…こっちは薬草?」
「春は安心の季節だよなぁ…!うっかり色々作っちゃって金欠でも生きていける!」
「ま、いいけどね。で、ナニ作っちゃったの?」
「え!あ、いやその!」
「食費財布にはたっぷり中身あるのにねぇ…。条件反射?」
「なんでもない!なんでもないぞ!」
「はい嘘ー。…で、どうする?身体に聞こっか?」
「や…!いやだ!昨日もいっぱい春だからって…!」
「そうね。春はやっぱりムラムラするよね?」
「同意を求めるな!俺は別に…!」
「えー?でもノリノリだったじゃない?上乗るの怖がった割には腰振っちゃって縋りついてくれたし」
「ぎゃー!なんてこというんだ!…大体あんなことするから…!気持ちよすぎてあんまり覚えてないし…」
「かわい」
「ん…!そこ、だめ…!」
「このままやっぱり身体に聞く?」
「あっ!だ、だめだ!…うー…!」
「あらら。泣かないで…?」
「春だから農家のおばちゃんたちに色々頼まれるんだ…!」
「あらそ?それで最近泥まみれで…」
「メンテナンスはいいんだけど、やっぱり新しくするとそれなりに材料が…!ちょ、ちょっとだけ新作も作ったけど!」
「食費あるんだから使えばいいでしょ?留守中だって使っていいのに」
「…うー…!べ、別に!いないからって平気だ!ご馳走はみんなで食べるもんだし、自分だけ食べても楽しくないし…。山菜だっててんぷらにしちゃうつもりだっただけで…!」
「ま、今回確かにちょっと長かったか。やせてはいないみたいね?」
「平気だ!だってお前、絶対帰ってくるじゃないか」
「…そうね」
「帰ってきたんだからお前も山菜のてんぷら食え!油高いけど!」
「てんぷらはいらないよー?でもこれでご飯作るから、お風呂入ってきてね?」
「お前も任務帰りだろ?先に風呂入れ!」
「んー?じゃ、一緒に入ろ?」
「わっ!自分で歩ける!降ろせー!」
「…白状するのが遅かったからおしおきねー?」
「え!?」
「…責任重大だしね。必ずかえんないと心配すぎて化けて出なくちゃならなくなる」
「山菜―!天ぷらー!味噌汁に煮物に…!」
「はいはい。…お風呂入ったら天ぷら以外は作ってあげるから。おみやげもあるしね?」
「お土産…!」
「そ。春の限定なんとからーめんだって。らーめん好きでしょ?」
「春…春っていい季節だよなぁ…!」
「その顔見ちゃうとついつい買ってきちゃうよねぇ?…ま、いっか。今日くらいは」


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かぼちゃのてんぷら。
食い気たっぷり。
ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ!

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