らーめん(適当)

寒い日は一楽に限る。
あっつあつのらーめんを一気に啜りこんで、旨味たっぷりのスープまでしっかり味わえば、あったまる上に美味さで幸せな気分になれること受けあいだ。
ガキの頃から大好きだったあの店に、最近更に足しげく通っているのはまた別の理由が増えたからでもある。
店の暖簾をくぐり、いつもの席につくと、予想通り先客がいた。
「カカシ先生!こんにちは!」
「あらイルカせんせ。こんにちはー」
この飄々としたどこかつかみ所のない上忍は、俺との共通点など忍であるというところくらいしかないと思っていた。
凄腕で元暗部で写輪眼もちで、その上顔もいい。
性格はちょっと変わってるが、いい人だ。
一方こっちは腕は悪くないといってもらえちゃいるが中忍で、特にこれはというものはない、特徴といえば鼻の傷だけなんていう普通の中忍だ。
ああ、顔の傷もそういえば数少ない共通点か。
…それと、なにより。
「やっぱりらーめんは一楽ですよね!」
「ん。ここのらーめんは美味いよねぇ?」
これだこれ!
高級料亭やら花町やらが行きつけだと噂に聞いていた上忍は…俺と同じくこの店のらーめんが大の好物だったのだ。
里に常駐になってからしばらくはこの店の存在を知らなかったらしいんだけどな。
俺がこの店を気に入ってるとナルトが教えて、ふらりとたちよって以来しょっちゅうくるようになったらしい。
なんだか…なんだかそういうのって嬉しいだろ?
いや別に俺がこのらーめん作ってるわけじゃないんだけどさ、美味いんだって教えた店で喜んでくれる人がいて、しょっちゅう通ってくれてるってのが俺は嬉しかったんだ。
「嬉しいこといってくれるねぇ!先生方!ようし!そんなら今日はちゃーしゅーのサービスだ!」
「テウチさん!いやそんなつもりじゃ…!」
ここのチャーシューは蕩ける美味さで…でもこんな風に貰っちゃうのは悪い。
今までもラーメン食ってるだけで宣伝になりそうなくらい美味そうに食うからって、煮たまごとか貰ったことあるけどさ!
「ね、ここはテウチさんの顔立てて、ありがたく頂いときましょ?またここに来て御礼すればいいんだし」
慌ててたらこしょこしょ耳元で囁かれた。
くすぐったいというか…なんだ?今なんか背筋がぞくっとした。
なんかこう…腰の奥まで響くというか…。
いかんいかん!らーめん。今はとにかくらーめんだ!
「そ、そうですね!折角だし!は、はは!」
とりあえず笑顔で誤魔化しておいた。
寒いからだな。きっと。後この人は…なんだかしらないけど思った以上に子どもっぽくて、スキンシップ好きだからだ。
それでちょっと驚いただけだよな!うん!
「おいしーですね?」
この顔かわいいよなー。この人、結構な経歴だってのに無防備に笑うんだもんなー。
ちょっとしたアクシデントはあったけど、今日も幸せそうにらーめんを啜っている上忍を見ながら、俺も幸せな気分になったのだった。


後日、かの上忍がラーメン好きというより俺を捕まえるために通っていたのだと知ったのは、御礼の作戦会議とやらのために上忍の家に上がったときのことだ。
驚きの事実を知ったその日のうちになるようになってしまったのは、やっぱりそのう。この人の手が早いというか、俺もらーめん食ってるうちになんとなくこの人のことまで好きになっちゃったせいというか。
とりあえず、らーめんは今日も美味い。
…隣で一緒に幸せそうにラーメン食ってくれる人もいることだしな!


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適当。
食べたいのはあなたですっていうね。
ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ!

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