きっかけ(適当)


描写はさらっとですが後天にょた注意!!!!!!!!!!!!!!!!!!


媚薬盛られて女体化してた勢いもあって偶々行き会った顔見知りの男を捕まえて上に乗った。
任務は首尾よく片付けて、薬を盛った張本人は檻の中確定だ。
やたらと勿体つけるターゲットのおっさんが服を脱いだ所でさくさく縛り上げてやったはいいが、隙を作るために時間をかけすぎた。
熱に浮かされてどうにかなりそうで、他里の者かもしれない連中相手に発散するわけにもいかない。
その上厄介なことに姿止めの術まで使っていたから、男に戻って適当な女を買うことも出来なかった。
そこにふらりといかにも遊びなれた風情で花街を歩いている知り合いがいたからつい。
擦り切れた最後の理性で相手に選んだだけのこと。
要するに恐れ多くも上忍に性欲処理相手をさせたわけだが、どうせ行きずりだ。こっちが襲ったといっても、こっちが掘ったわけじゃなし。…中身を知らなければ迫ってきた女と遊んだってだけですむはずだろう?
それにチャクラも姿も、そもそも性別すら変えていて、そうそう簡単に気づかれるはずもないだろうと高をくくっていた。
そしてそれが甘かったということを、今思い知っている。
「イルカせんせ」
「えーっと。その、はい。この体勢は…?」
マズイ。非常にマズイ。
何がマズイってここは仮眠室で俺は押し倒されていて、しかも宿直が俺だから誰も助けには来てくれない可能性が高い。
そして何より。
「んー?匂いでわかんない?」
「わかりますが!でもですね!?」
この匂いは嗅ぎ覚えがあるなんてもんじゃない。この間食らったばかりのものと同じだ。
だがこの人は上忍だし、うらやましいとすら思えないほど引く手数多だし、ここは里でしかもアンタさっき普通に受付済ませただろうが!
必要ならその手の専門の女性に、いくらでも相手をしてもらえた。わざわざ宿直の時間まで待って、深夜のアカデミーに忍び込まなくてもいいはずだ。
すぐに頭をよぎったのは意趣返しという単語だった。
確かにやることやってすっきりして、まともな思考が戻ってきてからの俺は酷かった。
適当に身づくろいして眠る男を置いて逃げ出したのだ。…宿代はおいてったけどな。
やり逃げって言われたらそのまんまそうだが、男と寝たのも初めてなら女体化したままってのも考えたこともなかった。半ばパニックになりながら、任務完了の式だけ飛ばしただけで精一杯だったんだ。
遊びなれていそうなこの男なら、そういう関係にもなれているだろうから、すぐに忘れるだろうと思ったのに。
「やらせて」
「いえその、俺はですね。男ですし」
「知ってる。この間みたいなのも楽しいけど、やっぱり素の方がいいし」
ばれていないだろうという見込み自体が甘かったらしい。
素の方がいいって…この人ホモだったのか。
「あのですね。先日はご迷惑をおかけしたのかもしれませんが、俺としましては…」
「んーん。楽しかったよ?食われそうな目で見るくせに、どうしたらいいかわかんなかったんでしょ?いいからシテとか言い出すからもう」
「わーわー!?いえその!…ほんっとーに申し訳ありませんが記憶にありません!」
腰の痛みと考えたくもないモノが滴り落ちる感触なら覚えている。だが変化をといた後一人落ち込んで酒飲んで寝て、忘れたつもりだったのに。
「ま、どっちでも気持ちよくする自信はあります。勢いが欲しかったから時間掛かったけど…ね、あの時俺を選んでくれたでしょ?他にいくらでも男はいたのに」
そりゃそうだ。だってこの人は木の葉の忍で…信頼できる人だったからだ。
顔見知り程度でも、子どもたちの懐きようを見ればわかる。普段エロ本片手に歩いちゃいるが、任務に関しては誰よりも真摯だ。
それに…この人ならなんとかしてくれると、望まぬ熱に浮かされた頭で確信した。
まあ実際なんとかなったはずだ。よく考えれば相当な時間交じり合っていたような…。
「…あなたは、木の葉の上忍です。任務のためなら協力してくださると…。ッ!」
「そ?じゃ、もちろんイルカせんせも協力してくれるよね?」
笑顔が恐ろしい。ジワリと冷や汗がにじんで、押し倒されたままの体勢にひしひしと危機感を覚えた。
「あ」
そうだ。あの時もこんな状態になって、それで。
「恐いの?大丈夫だから」
同じ台詞。
手首を縛める力は恐ろしいほどなのに、優しく降って来たキスは別人のようで。
そこで抵抗を止めた理由なんて、自分でも理解できなかった。
*****
何度穿たれただろう。何度吐き出しただろう。
いつこの行為は終わるんだろう。
「ひっうっあ、あ…!」
「…んっ…!俺も」
ひきつけを起こしたように断続的に収斂する内部が、熱いモノを受け止める。
放出の余韻になど浸れるはずもなく、放ったばかりでもその硬さを失わない凶器に快感を探り出され、あられもない声を上げて喘いだ。
「うあ、ぁ…!や、んん…!」
「女よりこの体のがいいね。やっぱり。最後まで付き合ってくれそうだもん」
男の薬が移ったんだろうか。
欲の炎は強まるばかりで治まる気配を見せない。
「ん、ん…!」
今更だと分かっていても、滑稽なほど甘く甲高い声に羞恥を感じて、歯を食いしばって声を殺そうとしたのに。
「だーめ。どうせなら頂戴?」
唇が重なったと同時にくぐもった声で抗議した。
絡まる舌にそれも上手く行かなかったのだが。
容赦なく与えられる快感に理性とっくに溶けはじめている。
「う、うー…!も、終われ…!」
処理できないほどの快感が恐ろしい。あんな所にあんなモノが入るなんて信じられない。
後だけで性器が勃っただけでも信じられなかったのに、突っ込まれて苦しくて、それなのに気が狂いそうなほど気持ちいい。
「やだね。…もう逃げられなくなるくらいするんだからがんばって?」
笑顔の男にこの悪魔と叫ぶ声がちゃんと吐き出せたかどうか記憶にない。
+++++
嵐のような情交が終わり、お陰で腰もすっかりつかいものにならない。
仕事中になんてことするんだとかすれた声で詰ってみれば、引継ぎ日誌を嬉々として男が記入している。見たところ俺の字そっくりで、上忍ってのはそんなところまで真似できるらしい。それとも赤い左目のせいだろうか。
「さ、帰りましょ?今日はおやすみでしょ」
「あー…はい。どうぞお先に」
まず立てない。這って移動するくらいはできそうだが、許されるのであればこのまま寝てしまいたい。
それにこれ以上ないほど酷使された体で、この男の行動の理由などかんがえられそうにもない。
要はそっとしておいて欲しい。
「はいはい。寝言は寝て言ってね?」
「あ?」
思わずドスの効いた声になったが、男は我関せずとばかりに態度を変えずに、荷物のように俺を抱き上げた。
「夜までは勘弁してあげる」
挙句の果てに、さも譲歩してやったみたいな言い方しやがって…!
「先日の行為については謝罪します。申し訳ありませんでした。…でもアンタこれはちがうだろう!なにすんですか!…もうほっといてくださいよ…」
男と寝たのは二度目だが、どちらも恐ろしいほど気持ちよかった。薬のせいじゃなく上手いんだろう。つまりそれだけの経験をつんでるってことで。
…そんな男の遊び相手になるつもりはない。
「いやです。いっつも遠くからみてるだけだったのが、折角近づいてきたのに逃げるんだもん」
「いやむしろ逃がしてくださいよ…」
もういいじゃないか。そっとしておいてくれれば。
昨日の乱れきった自分を思い返すだけで死にそうに恥ずかしいのに、一人で自己嫌悪にのた打ち回るくらい許してくれよ。
「アンタもう俺のですから。だめ」
…なんだろう。もう何もかも諦めていいだろうか。
話が通じない以前に、聞く気がないにちがいない。
「…寝かせてください」
「ん。どーぞ?夜まではね」
なんだかろくでもないことになった気がするが…今更か。
とにかく寝よう。あとは…それからかんがえればいい。
「おやすみなさい」
さっさと眠気に逃避した俺の耳に、仕込んじゃえばこっちのものとかいう不穏な台詞が聞こえたが…起きたら死ぬ気で暴れてやればいいだろう。
*****
…そしてまたもその判断は覆され、起きるなり美味しく頂かれて、さらに勝手に一方的に恋人だと周囲に言って回られていて、すっかり外堀が埋まっていた訳だ。
その上、それからも幾度となく俺は己の判断の甘さを身をもって思い知ることになるんだが。
どうやら恋人なんてものになったらしいイキモノとの暮らしはなんだかんだと上手くいっている…らしい。
「幸せってのはどこからやってくるかわからないもんだなぁ」
「そうですねぇ」
のんびり茶をすすりながら、不穏な視線を受け流すことにももう慣れた。
隙を見せればまとわりついてくる男が俺の気を引くためにとんでもないことをしでかすので平和とは言いがたい毎日だが、どうやら俺には合っているようだ。
「…しませんよ」
「けち」
さてそろそろ洗濯物でも取り込んで、シーツをかけなければ。畳の上でやられると色々と不都合が多いからな。丁度1年。こっちから襲えばきっと男は驚いてくれるだろう。
隙を狙う男をいなしながらほくそ笑んだ。
…春だからまあいいかなんて思いながら。

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適当。
はるなのではつじょうもの。
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