酷暑の怪奇5(変態さん)


「しっかしホントにきやがらねぇな…?駄犬の癖にめずらしい。まあ駄犬が約束守ってるなんざ、嫌な予感しかしないが」
「ホントだね!父ちゃんにパンツでもあげたの?それともふんどし?あ!分かった!食べかけの弁当と割り箸とかでしょ!あ…でもそれ全部でも四半刻も持たないよね?」
「…おめぇの父ちゃんは確実にどうかしてるぞ…!?まさか虐待…!?…っていうかうちの駄犬そっくりすぎる…!あんなのがまさか世の中にまだ存在するのか…!?」
「だー!もう!なんでとれないんだってばよ!このへんなの水で溶けちまうし!」
「はは!そりゃお前が乱暴すぎるからだよ。ほらみてな?こうやって…下からひっかければ」
「すっげぇ…!ホントに破れてねぇ…!しかもでっかい!このスーパーボール!」
「母ちゃんすげー!」
「…母ちゃんじゃないけどありがとな」
「くっそー!俺だってやれるってとこ見せてやるってばよ!」
「あーまあほどほどにな?最後の一個だろ?そのポイ。ちゃんと狙って無駄に大物狙わなきゃ取れるはずだ。あとターゲットは一つに絞れよ?よっぽどじゃないと破れるからな」」
「わかってるってばよ!うっし!ぜってー取るぞー!」
「母ちゃん!そんなヤツなでてやんなくていいじゃん!俺、一杯取ったよ!」
「こらこら。にしてもお前本当にすごいな!アカデミー生だったらきっとあっという間に忍になってるぞ?」
「え!どうしちゃったんだよ母ちゃん!父ちゃんほどじゃないけど、俺も下忍になるの早かったじゃん!父ちゃんが心配しすぎて任務に出したくないとか駄々こねなかったら追い抜かせたのになぁ…。出迎えにくる父ちゃんに馬になってもらうのも楽しかったけどさ」
「…ちょっとまて…!?も、もしかしてお前…!」
「俺こないだ上忍になったじゃん?それなのに父ちゃんしつっこいんだよな!心配しすぎ!」
「…俺より階級上だったのか…!ナルトたちよりチビなのに中忍…!?いや上忍…!」
「母ちゃんもでしょ?どうしちゃったんだよ!」
「あーなんでもないぞ?お前の母ちゃんは上忍なんだな…それにしてもそんなに早く上忍になった子どもがいたら知ってそうなもんだが…?しかも上忍にしちゃ人違いも激しすぎるだろ…!人違い、だよな…!?」
「父ちゃんが毎日毎日しつこいからって、ぜってー負けねぇってすっごい修行してたじゃん!子どもの教育に悪いって…そんで強いくなったし、流石に父ちゃんの相手が中忍じゃ危ない?とかって、特別上忍?になったんじゃなかったっけ?まあ俺にはどっちでもいいんだけど!だって母ちゃんは母ちゃんだもんな!」
「まあ修行はしてるが。子どもの教育…には悪いだろうなぁ…。まるで俺の駄犬みたいだもんな。お前の父ちゃん」
「そうそう!駄犬父ちゃん号!楽しいよ!首に鎖とかもいいけど、やっぱりロープのが喜ぶよね!でも首輪は母ちゃん以外はつけちゃダメなんだって!」
「お前の親御さんにあったらいろいろ聞かなきゃな…。まだ十かそこらだろうに…!」
「それにしてもほんっとどうしちゃったんだろ。母ちゃんの側にいないなんておかしい!」
「はは!お前の両親は仲はいいみたいだな。色々問題はありすぎるが…。駄犬も逆に心配になってきたな…」
「仲がいいって言うかさ。父ちゃんがストーキングしまくって、そんである日根負けした母ちゃんが絆されてヤられちゃったのが始まりじゃないの?」
「なんかその出会いは聞いたことがあるっつーか…あるんだなぁ…そういう話他でも…。でも子どもが知ってていいことじゃないだろ…!?」
「母ちゃんはさ、男なのになんでこんなことにって一杯泣いたのは事実だけど、俺たちのことは誰よりも大切だって言ってくれた。だから俺も母ちゃんのこと大好きだ!」
「そか…幸せなら、まだ、その。…いやちょっとまて男?母ちゃんじゃない、のか?え?」
「母ちゃんは違うの?…まあ父ちゃんがアレすぎるからちょっとってのは分かるけど、おもしろいじゃん?木の葉神社で一杯お祈りしたら夢がかなったとかなんとか、俺たち見ながら意味わかんないことよく言ってるけどさ…」
「なんかもう考えたくないんだが…お前、本当に俺に…似すぎてる、よな。神社にお祈りって…俺が願ったのは駄犬のいない平和な時間だけだったのに」
「父ちゃんが色々したんじゃない?ま、無駄だったみたいだけど。一部は」
「…なんで、アイツはここにいないんだ」
「母ちゃん?」
「もうすぐ、花火だな」
「いっつも花火がうちあがるときになると、母ちゃんが父ちゃんに浚われちゃうから…。二人でって初めてだよな!」
「そう、なのか。なあナルト!すまん。用事を思い出した。この子みててくれないか?」
「母ちゃん!」
「え?あー!やぶれちまったってばよ…!いきなり声賭け…うわっ!小銭?」
「それで遊んでいいから。…俺はちょっと…その、駄犬を迎えに行って来る!」
「え?え?なんだってばよ!?」
「そっか!父ちゃん…だからいなかったのか」
「あー!忘れてたけどそういやお前一応迷子のいるとこいかないとなんだよな?連れてってやるってばよ!」
「…まあ一応夫婦水入らずってのを邪魔しないであげるか…。やに下がってる父ちゃんはおもしろいもんな!」
「なんだかわかんねーけど、行くぞ!小銭あるし、食いもん買ってやるから言えってばよ?」
「うん…」
「なんだよー?しょげんなって!このうずまきナルトさまがぜーってえお前の母ちゃんと父ちゃん探し出してやっからよ!」
「いらない。自分で見つけるから。じゃあな!結構楽しかったよ!チビだった頃の火影様!」
「え!おい!待てってばよ!?…いっちまった…!?」
「おい。なにやってんだドベ」
「サスケ!イルカ先生から鼻傷消してちっちゃくしたようなチビみなかったか!?えーっとえーっと!?背丈は俺よかちょっとちっちゃくてさ!」
「迷子か?…にしてもそんな怪しいの明らかにあのクソ上忍師絡みだろうが」
「でも!迷子なんだってばよ!母ちゃん探すっていっちまった…!」
「…チッ!祭なんて面倒なものに来てやったのに、面倒ごとふやすんじゃねーよ」
「なんだよ馬鹿サスケ!もういい!てめーなんかに頼んだ俺が馬鹿だったってばよ!」
「黙れドベ。…いいからどっちに行ったか言え」
「探してくれんのか…!へへ…!いいところあるじゃねーか!」
「いいからさっさとしろ。川だって側にあるんだぞ。ガキが落ちたらどうすんだ」
「そ、そうだった!あっち!あっちだってばよ!」
「本堂の方か…?行くぞ!」
「おう!」


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変態さん。
ちびっこ一生懸命。
ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ!

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