まんじゅうこわい(かぼちゃのてんぷら)

「どう?狭くない?」
「狭くはないけど…どこだここは!」
「んー?旅館?」
「なんでだ!お、俺は昨日飯食ってて…まだ土産の饅頭食ってなかったのにお前が…!」
「饅頭ならほら。はい。」
「おお!美味そう!えへへ!」
「じゃ、そっからさきは覚えてないのね?」
「…そういえばそれから先の記憶がない…。お前に襲われてそれから…どうしたんだっけ?」
「あのあと、イルカが饅頭食い損なったってへろへろになりながら可愛い顔で文句言うから、直接ココに連れてきたんだけど。」
「なっ!なんてことを!」
「だってイルカ夏休みでしょ?今週はイルカも休みだって言ってたじゃない?」
「そ、そうだけど!だからってなんでこんな…高そうな宿に!金持ちめ!」
「いいじゃない。お土産よりその場で食べた方が。ほーら出来立てだよ?」
「う!ま、まあそうだけど!でも!俺はそんなに食い気ばっかりじゃない!」
「そうね。」
「…で、でも…まだ温かい…!」
「あ、できたてのうちに食べてあげてねー。饅頭がかわいそうでしょ?」
「そ、そうだな!もちろんそんなかわいそうなことはしないぞ!」
「じゃ、どんどんたべて?ここの温泉って、いろんなまんじゅうあるから。後で出る食事もそれなりだし。」
「おお!芋!黒糖!チョコまであるのか…!食事…きっと美味いんだろうなぁ!」
「そんなに嬉しい?」
「どれから食おうかなぁ…!やっぱり芋か?いやむしろチョコ…!」
「お茶入れてくるから、冷めない内にね。」
「おうとも!へへー!やっぱり黒糖からだな!」
「…さて、俺はどんな風に食べようかなー?」
「美味い…!ふわっふわで温かくてあんこがずっしりで…!!!幻覚ならもうしばらく冷めないでくれ…!」
「まーたあんなこと言ってるし。…どうせならやっぱり温泉プレイかなー?」
*****
「はい。お茶。」
「んぐ!…美味そう!お茶まですごいな!…でもここの宿代っていくらなんだ…!?」
「さあね。ま、いいからお茶飲みなさいよ。甘いもの食べたし、喉渇いたでしょ?」
「いい香り…!いっただきまーす!んぐんぐ…美味い!!!」
「そ、よかった。じゃ、お腹落ち着いたら温泉もあるからねー?」
「ホントか!わー!楽しみだ!」
「浴衣はそっちね。」
「おう!いそいで着替えて準備しとかないと…!」
「んー?予定変更かな?」
「なんだとう!温泉!入れると思ったのに…!」
「後で入れてあげるよー。でも…こっちが先。」
「へ?あれ?なにするんだ!…あ、でもお布団までふかふかだ…!」
「相変らず…ま、そこがいいんだけど。」
「んぁ!?やぁ…っ!ナニすんだ…!?」
「温泉イルカもいいけど、浴衣っていいよね。ちらちら見えるのが。」
「馬鹿なこと…あぁっ!」
「じゃ、一杯俺も味わってもらおうかなー?」
「や…っそ、そこダメ…!」
「一番美味しいイルカは俺が頂いちゃうけどねー?」


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その後イルカてんてーはまんじゅうを警戒するようになったとかならないとか!
イルカてんてーは美味しく頂いてこそですね!!
ご意見ご感想など、お気軽にどうぞ…!

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