クリスマスのいけにえ(あくまで子イルカ)

「…思ったより時間かかったが…なんでこんなに家が様変わりしてるんだ!」
「いやぁクリスマスっすっばらしいイベントだよな!」
「お前にとってはな。…で、どうして家中がやたらめったか電飾だらけなんだ?」
「ちっちっちっ!それだけじゃないんだぜ!ほら!じゃーん!」
「なんだその赤いの…って、パックン!?」
「うぅ…!不覚…!」
「かっわいいよな!レアな犬友!仮縫いまでに捕獲…っと、ご協力願えて良かったぜ!これから肉球袋とか色々オプションつけちゃうぜ!乞うご期待!」
「パックンに何てことするんだ!離せ!」
「肉球のかわいらしさ!口のもったりぐあい!最高だろ?心配しなくても、ちゃーんとカカシのも…」
「いらん!パックン無事か…!」
「逃げるんじゃ…!すでに三代目の息子も…!ぐえ!」
「パックン!くそ!そんなのできるわけないでしょ!くまは自業自得だかどうでもいいけど!」
「感動的な友情だな…!すごいぞ!さすがカカシ!冬の舞台も大成功間違いなしだな!」
「俺は俳優じゃないと何度いったら…!」
「そんなお前には…これだ!」
「何度も言うが、俺は着ない!パックンをさっさと開放しろ!」
「犬友とお揃いだぞ?カカシのは…ミニスカサンタさんだ!かっわいいぞー!」
「お前はまたどうして俺に女装させたがるんだ!?」
「似合うから!」
「アホかー!?」
「今日も元気にかっこかわいいぞ!そんなカカシには…じゃーん!」
「…聞くのも怖いが、何だその箱…!?」
「クリスマスプレゼント!準備号だぜ!」
「準備号…?」
「いいからいいから!あけてみろって!」
「まさかクマ…?いやいくらなんでも小さすぎる…?」
「きっとびっくりするぞ!な!犬友!」
「ううぅ…逃げろ…逃げるんじゃ…!」
「あけるしか、ないのか…くそっ!」
「おお!開け方も豪快だな!さっすがカカシ!大胆且つ繊細に数々の役柄を演じ分けるだけあるな!」
「…なんだこれ!?」
「え?レースたっぷりで!かわいいだろ?」
「なんでまたドレスなんだ…!いい加減懲りろ!しかもこの妙にごてごてした被り物は一体…!?」
「ウェディングドレスだ!すごいだろ?」
「どうしてそんなもんを!?」
「だってすごい母ちゃん力を誇るカカシは、きっといい母ちゃんになると思うんだ!その日のために…いまから練習しとこうとおもってな!まずはデザインの修正から…」
「ろくでもないこと考える間に修行しろ!」
「おう!まずは腹ごしらえしてからだよな!」
「むぐっ!第一クマはどうした!?」
「それは今度のお楽しみだ!きっとびっくりするぞ!さすがアスマ兄ちゃん!毛皮が超似合うよな!」
「…もういい。自力でなんとかできるだろ。不自然な大きさのクマのぬいぐるみなんて俺は知らない」
「クリスマスプレゼント第一弾から第三弾まで予定してるから楽しみにしててくれ!」
「覚悟を、決めるしかないのか…」


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あくまで子イルカ。
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