かさ地蔵3(適当)



これの続き。


パラレル注意。あ、はい。おわんなかた。うへあ。エロ濃度により長さが変動します。アッー!_Σ(:|3 」∠ )_

連れてこられた先は男の万年床でした。
天気のよい日であれば毎日干していますが、真冬ともなれば中々そんな日はありません。
独り者の気安さで、敷きっぱなしになることも多くなっていました。
普段はそれで困るというほどのこともなかったのですが、今回ばかりは困ったことになったかもしれない。
男はそう思いました。
「あらちょうどいいじゃない。アレ使うね?」
何がなんだか分からないうちにその布団の上に降ろされ、当然の顔で地蔵だった男も潜り込んできたからです。
服も纏わずに布団に入ったことなどこれまでありませんでした。
その手のことに不慣れな男は知らなかったのです。
これからなにをされようとしているのかを。
「あのう。布団なら一応他にもありますよ?」
物持ちの良い男は、両親の残した布団をいまだに手元に残してあったのです。
売りに出せばいくばくかの金になるからと、倹しい暮らしをする男を諭してくれた人もいましたが、幼い頃両親と川の字で眠った布団は男にとって大切なものでしたから、手入れを欠かさずいたのです。
そうして長い間捨てることはできませんでしたが、誰かに譲ることは考えたことがありました。
とはいえ、大事に使ってくれる人の元にいくのならとそれとなく聞いてみたときに、死人の使った物を厭う人が多いことにもまた気付かされることになったのですが。
それきり捨てることも出来ずに持っていた布団が二組残っています。
人を食う物の怪ならば、死人の持ち物を厭うこともないでしょう。
そもそも己を食べようとしている相手に布団を勧めること自体がおかしいということに、男は気付きもしませんでした。
それよりも気にかかったのは、この状況です。
大の男が二人納まるには、男の布団は小さすぎるものでした。
地蔵だったときならまだしも、姿を変えた後となっては男とそう変わらない大きさです。いえいっそ、少し大柄なように思えるほどかもしれません。
そうなると当然布団は狭苦しく感じます。
同時にぬくもりも感じるのですが、素肌を合わせた感触など知らなかった男にとっては、落ち着かない気分になるばかりでした。
しきりに身を捩じらせる男に対して、抱き包んだままの銀髪の男が囁きます。
「布団は一組でいいでしょ?ま、汚してから考えましょ?」
汚す…つまりは己の血かなにかでということだろうか。
そう男は考えました。
それにしてはつじつまが合いません。汚してから交換するつもりであるように聞こえます。
食われながら布団を変えても汚れるばかりではないかと思ったのです。
理解できないことばかりで男は不安に顔を歪めました。
「あの、そ、その。出来ればあんまり血がでないように食ってください。残さずに」
汚れた布団の片付けなんて誰だっていやだろうし、食われてしまった自分が自分を片付けることなどできるはずもないので、それをするのは恐らく村人になるはずです。
それなら綺麗さっぱり食べてもらって、姿を消したと思われた方がずっとましです。
途端に動きを止めた地蔵男に、気付くことができないほど必死でした。
「あ、後は…その、他の人は食わないで欲しいんですが…」
村人は孤児になった男にも随分よくしてくれました。
二親がそろっている子どもたちに比べれば、確かに苦労も多かったのですが、何くれとなく世話を焼き、育ててくれた人たちです。
特に村長がいなければ、男はとっくの昔に死んでいたでしょう。
風邪を引いたり怪我をしても、いつだって村長に頼ることができました。
黙っていてもどうしてか気付かれて、それとなく面倒を見てくれた村長をまるで本当の祖父のように今でも尊敬しています。
この世の中で一番自分を心配してくれる人ですから、食われてしまったことを知れば、きっと悲しむでしょう。
できればそんな思いはさせたくありません。
でも…飢えた物の怪をそのままにしたくもありませんでした。
それならば、せめて。せめて村に迷惑をかけないようにしたかったのです。
涙ぐみながら訴えた男に、ふるふると震える手が触れました。
「ちょっと…も、なに?なんなのそのくどき文句!まっさらさらっぴんすぎるでしょ!意味分かってないくせに!」
怒鳴りつけられてもそれがどうしてなのか、男には理解できませんでした。
男がわかるのは、ケダモノ染みた視線が鋭さをましたことだけです。
「ご、ごめんなさい!」
怒らせてしまったことに慌てて、つい頭を撫でてしまいました。
湿った髪を乱暴に手ぬぐいで拭き取っただけの割りに、ふわりと手触りの良い感触です。多少湿ってはいるようでしたが、元々毛が細いのでしょう。
村長の家に住み着いている三毛猫よりもずっと柔らかく滑らかでした。
そういえば地蔵に化けていた時は頭の天辺に不思議な模様がありましたが、今になってそれがどうやら髪の毛だったことに気付きました。
手触りがあまりに心地良く、目的を忘れてしばらく撫でていると、のしかかっていた地蔵だった男がぺたりと男の胸に頭を落としました。
「もー…なんなのアンタ…」
ふわふわの頭が胸元にあります。柔らかいものと溜息が肌をなでる感触に思わず声がこぼれました。
「ん…っ」
今まで知らなかった感覚に戸惑いながらもどかしさに身を震わせると、くすくす笑いが耳元で響きました。
地蔵男の顔がいつの間にか鼻が触れ合いそうなほど近くにあったのです。
「感度良好?…あんたほんっとに面白いね?ね、いい?」
「え、えっと。何をでしょう?」
不思議そうに首をかしげた男に、にんまりと笑った唇が近づき、そして。
ぬるりと自分の口に入り込んできたものが何か、男には理解できませんでした。
理解できないうちに息が上がり、クラリとめまいがするほど追い詰められて、体が熱くなっていることに気がついたのです。
戸惑いと酩酊感にも似たものが身の内に膨れ上がり、縋るように地蔵男に手を伸ばすのが精一杯です。
「ねぇ。…他の誰にも触らないし、アンタだけにするから」
だから、全部頂戴?
涙に潤む視界に広がる切なげな笑顔に、男は思わず頷いてしまったのでした。

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適当。
おわんないのはどうしてかとこいちじかん。
しごとー
ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ!

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