ドーンっと何かがドアが無理矢理蹴破られたような音がして、同時にバタバタ靴を脱ぎ散らかす音と、それからどかどかとフローリングを歩く音がして、それからドでかいひとりごとが聞こえてきた。 「おお…寝てる寝てる。うっし!まずは飯だな!」 それより静かにしてくれることの方が重要なんじゃないのって言いたいとこだけど今は眠いし動きたくない。っていうかさほど俊敏には動けないんだよねー…。チャクラ切れで。 この人は大方親切心で看病に来てくれたんだろうけど、いかんせん行動が雑だ。助けてもらっておいて言うのもなんだが、日々の行動が雄雄しすぎる。 がっちゃんがっちゃんすごい音がしてる割には、いつも出てくる飯はあったかくて美味い。まあ大雑把だけど切り口だけは綺麗で、もしかしてクナイ使ってんじゃないのかって疑惑もあるんだけどそこはまあ、お互い様だ。 俺も使うしね。まあ野営地とかでならだけど。 「体は…ふ、拭くか?拭いちゃうか?いやでも…うぅ…!」 照れ屋でむっつりスケベなイルカ先生のことだから、絶対真っ赤になってると思う。 でも摩擦熱で発火しちゃうんじゃないのって程なでられるのもちょっと辛いんだけど。 「ん」 「おっと!そーっと、そーっと」 今更唐突に気配消されてもね…。もうそういう所も可愛いとは思うんだけど、普通に起きちゃうよね。忍なら。ま、寝たふりは得意だけど。 「へへ…!かーわーいーいーなー!」 え?なにが?って驚いて、うっすらと目を開けてみると、そこには俺を除き込んででれでれしてるイルカ先生が。 え。あれ、もしかして…俺? 「ふぅ…いいもんみた。さって飯飯―」 綺麗だとか、色男だとか、その手の賞賛は飽きるほど聞いた。 でも、かわいいって言われたの、初めてだ。 「ふーんふふふーん」 メロディラインも無茶苦茶な鼻歌っぽいモノは無意識なんだろうか。 トントンというリズミカルで軽快な音と共に、少しずつ美味そうな匂いが漂ってくる。 一生懸命飯作ってくれてて、それから風呂の支度もしてある…俺のために。 「…そろそろ、いいか」 そーっと気配を消したまま、背後に回りこんで抱き締める。 「へ?うおあ!?わー!そ、そそそその!飯食って寝てください!」 取り乱し方まで可愛いと思う。ほれた弱みってのは、昔は散々馬鹿にしてたけど…中々楽しい。 「飯食ってお風呂入ります。一緒に」 「あ、え?ま、まあその。飯は一人じゃ詰まんないですよね」 にこにこし出した。本当は俺と一緒ってのが嬉しいくせに素直じゃないんだから。 遠慮、しなくていいよね?もう。 「この任務、いつもありがとうございます」 「いえいえ!任せてください!まあ飯はあんまりうまくないかもですが」 「いーえ。いつもおいしそうですよ?」 「そうですか?へへ!」 テレやさんだよねー。…この顔が、もっと真っ赤に染まるのをみたい。快楽で。 「まずは飯かなー」 「ああはい。すぐに!」 …こういのうは、今日で最後にしよう。 今度からは任務じゃなくて…任務扱いにしてもいいけど、恋人ってのにそろそろ昇格してもいい頃でしょ? 「楽しみだなぁ」 「え?え?」 水色のエプロンをきたイルカ先生は、食卓にならぶどの料理よりも美味そうだった。 その後、ちょっとだけ実力行使の後なだれ込むように告白とキスとちょっとおさわりまではこぎつけたんだけど、自分を大切にしなさいって泣かれておもしろすぎたから、もうちょっとだけこの関係を維持しようかなと思っている。 ******************************************************************************** 適当。 ご意見ご感想お気軽にどうぞ。 |