宮仕え(いじめっ子)


これの続き。


「それではそろそろ…」
「なんじゃ?そう急がんでもよかろう?」
「申し訳ありません。まだ里に仕事が…」
「あぁ、急な依頼ですまんかったのう」
「いえ!そんな!」
「おかげでやっと安心できたわい。頼むならお主が一番じゃな!」
「木の葉の忍でしたら、皆己の任務を果たすことに誇りを持っています。ですから誰でも…」
「ふむ。確かに木の葉の忍は粒ぞろいじゃが、やはり信頼できる者に頼みたくてなぁ…」
「ありがとうございます」
「なんというか…お主は相変わらずじゃのう?照れとる顔が子供の頃と変わらん」
「そ、そうですか?」
「ぽやっとしとる所もな。…火影もかわいくて仕方がないんじゃろうが、そろそろ嫁とりでもして落ち着いた方がよいぞ?」
「あー…その、それは」
「なんじゃ!その顔…!ほうほう!もう相手がおるか!遅い春じゃな!」
「うぅ…!相手というかなんというか!」
「詳しい話を聞きたいのう?…使いを出そう。ゆっくりしてきなさい」
「え!?」
「なに、どうせ自分のでもない仕事ばかり押し付けられておるんじゃろう?玉には…」
「確かにそうだけど、コレ、俺のだから返して貰うよ」
「くっ!…お前は」
「っ!アンタ依頼人になにやってんだ!」
「ああ、アンタか。三代目の爺さんとよろしくやってればいいでしょ?コレは俺の」
「…お主の方も相変わらずか…」
「え!?ご存知なんですか!?」
「ふん。面なんぞしとらんでもわかるわい。殺気だちおって…随分厄介なのに好かれたようじゃな」
「え、あー…その、…否定はしません」
「まったく…ワシはお前にここに入る許可を出した覚えはないぞ?」
「俺もイルカを貸す許可なんて出した覚えないんだよね…?」
「だー!?殺気立つな馬鹿!」
「いったいなぁ!大体アンタが…!」
「申し訳ありません!そ、その!コレは今すぐなんとか…!」
「っふははは!なんじゃ、尻に敷かれておるのか!」
「尻にっていうか…ま、突っ込んでるのは俺だけどね?」
「わー!わー!?黙ってろ馬鹿!」
「っ!いったいって言ってんでしょ!」
「くく…!あの獣を良くぞここまで…やはりさすがじゃな」
「あ、あの!すみません!コレがこんな状態ですので、そろそろお暇乞いを…!」
「そうじゃのう?…それごと離れで泊まって行くか?」
「んー?ま、それでもいいけど、話なんかさせる余裕ないよ?これからずっと鳴かせる予定だから」
「ぎゃー!馬鹿言うな!大体アンタ任務は!?」
「終わってる。…それなのにアンタ里にいないから」
「…三代目に土下座してこねぇと…」
「お主が謝ることはなかろう?アヤツがワシの無理を聞いてくれたことには感謝しておるがの」
「い、いえ!ですがコイツは…」
「くく!そうじゃな?お主が飼い主になったようじゃし。…まんざらでもなさそうじゃしな?」
「うっ!あ、あの!その…!」
「晩生なのは相変わらずか?お主もやりずらかろうなぁ?」
「で、もういいの?」
「そうじゃな。十分楽しませてもらった。…火影にも礼を言っていたと伝えておいておくれ」
「は、はい!」
「じゃ、帰るよ」
「わぁ!?降ろせ馬鹿!まだ語挨拶が…!」
「相変わらず血なまぐさいねぇ?ここは。…ま、俺にはどうでもいいけど」
「ふん。お主は…まあよいわ。…離すでないぞ?」
「とーぜん!」
「うわっ!あの!申し訳ありませんでした!また今度改めて…」
「じゃ」
「…ふむ。いってしまいおったか…。…中々面白いことになっとるのう?」


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いじめっ子。
ちょっと前の続き。結局中忍はやっぱり誘拐されたという話。
ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ!

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