ひな祭り的演劇大会(あくまで子イルカ)

「ただいまー…って!?な、なんだこれは!?」
「おうお帰り!さっすがカカシ!綺麗に並んでたぜ!」
「イールーカー!お前だな!?こんな…俺がいない間に良くわからんことしでかしたのは!折角並べたのに、どうしてこんな!?」
「凄いだろ!分かりやすさと雰囲気作りには神経を使ったぜ…!」
「やり遂げた顔するんじゃない!…ネームカードは百歩譲って許してやる。雛人形なのにダーリンとかサマンサとか意味が分からんが。…だがな!」
「そっかー?カカシ的には脚本が物足りない?プロの目は厳しいぜ…!」
「そういう問題じゃないだろ!人物相関図とか台本とかいらん!普通に祝え!なんだこのステージみたいなのと第29回 激情の果てにとか書いてあるたて看板は!しかも出演者になんで俺の名前が書いてあるんだ!?」
「もちろん!ご馳走の準備なら完璧だぜ!はまぐりのお吸い物に始まって…今年は変わり寿司なんていかなって思ってさ!色々計画中だぜ!」
「お前は飯だけ作ってろ!絶対に金輪際雛人形には触るな!」
「そっか!さっすがカカシだぜ!演出にはこだわりがあるんだな!」
「そんなもんあるかー!」
「…さてと、あとはク…いや、アスマ兄ちゃんのデコレー…いや、お祝いの準備だな!」
「いっそ冬眠してた方が幸せだろうな。クマは…」
「さってと!俺はちょっと色々…仕度があるから!」
「あ!こらまて!」
「来年も宜しくなー!」
「はっ!?俺は…!くそっ!…急がないと…!」
*****
「で、どうしてこうなった?」
「あれー?おっかしいなぁ?」
「おっかしいなぁじゃない!クマ!おいクマ!?」
「人形がー…人形がー…」
「お内裏様役がぴったりだと思ったのに」
「残念そうに言ってる場合か!お前コイツに何したんだ!?」
「え?ちょっと…台本読みに付き合ってもらっただけだぜ!」
「それだけ…なのか…?」
「ちょっと白熱しちゃって演技力とは何かについて議論を交わすついでに人形を見つめてその心を読み取る修行をやってもらったんだけどな!父ちゃん力を上げる縛り上げ修行とも平行して!」
「だから縛り上げられて目にセロハンテー貼られたクマが、大量の人形に囲まれてるのか…。お前…クマが精神崩壊起こしたらどうするんだ!?下手な拷問よりタチ悪いことを…!どこの邪教の儀式かと思うだろ!」
「アスマ兄ちゃんも台本にはポロリと来てたのに…やっぱりプレッシャーが…。そう考えるとやっぱりカカシは、すごいな…!!!」
「明後日な感動してないで、クマを助けてやれ!」
「おうともさ!任せとけ!さ、カカシ!これを読むんだ!」
「えーっと?アナタ?アナタのためなら命を懸けてでも絶対に救って見せるわ?なんだこれは!?」
「感動的だな…!」
「アホかー!コレさっきの台本のセリフか!?」
「うぅ…あ?箒頭…?」
「さすがだ…!カカシの演技力でアスマ兄ちゃんが甦った…!」
「ぐ、偶然だ!クマは自力で自分を守れるはずだろ!?」
「…でも、カカシ…?」
「なんだ!?これ以上何かさせる気か!?」
「カカシはうちの子だから、絶対にどっかいったら駄目だからな?」
「そういう問題かー!!!」
「にんぎょうがー…にんぎょうがぁ…!」
「…イルカ。これからお前はさっさと飯を作れ。俺はこのクマを…何とかするから」
「そっか!…演技指導はやっぱりカカシに任せるべきだったか…!頼んだぜ!」
「頼まれるか!…いいからいけ!」
「おうとも!たっぷり作るから、その空腹もあっという間に満たしちゃうぜ!あ、ソレまでコレ食ってて?」
「もが!…ひなあられか…?」
「じゃ、頼んだぜ!」
「…はぁ…。おい。クマ!」
「うわぁ!…に、にんぎょうじゃない…!?」
「…ちっ!…しばらく、寝てろ!」
「ぐふっ!」
「…雛人形でなんでこんな騒ぎになるんだ…!」


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当身食らったクマが目覚める頃には、ほっぺたが落ちちゃいそうなご馳走と共に、絶対零度の視線をよこす苦労性箒頭暗部(女装済み)がいたとかいないとか…!
ではではー!ご意見ご感想など、お気軽にどうぞー!

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