|
「痛い？」 先走りでぬるついた熱い肉に割り広げられるのは、確かに久しぶりだった。 その存在を刷り込むかのようにじわりじわりと入り込むモノがもたらすものが、苦痛だけじゃないのが辛い。 「く、ぅ…！…き、きくな…ぁ…！」 意識したくないんだ。今何をされてるかなんて。 一回だけなんていわなきゃ良かったと今更ながら思う。 コトを長引かせないための苦肉の策のつもりだったが、駄犬としては新しいプレイかなんかのつもりなんだろう。 嵐のように襲い掛かられるのも辛いが、訳の分からないうちの終われるからまだましだ。 こんな風に執拗に反応を確かめられながら愛撫されるなんて、拷問のようだ。 痛みはある。そりゃそうだ。元々そんなもんつっこむような構造をしていない。 ぶちまけられた液体の大半はたっぷりとシーツにしみこんでしまったが、駄犬が入り込むためにもしっかり使用された。 ぬるぬるの下肢を汚しているのが得体の知れない潤滑液だけだったらよかったのに。 「一回ってイルカせんせのじゃなくて俺のですよね！あ、それにちゃぁああんと！一緒に行きますけどぉ…イルカせんせのたっぷり溜まっちゃってるミルク…！いーっぱいいーっぱいだしちゃいましょうね！」 などと言い出した駄犬の手により、手で一回、口に一回、後ろを弄られて…何回か覚えていない。 しっかり広げないといけないからという割には、明らかに俺をいじくり倒して楽しんでいた。 宣言通り出したものは駄犬がしっかり…う、うぅ…！ とびちっちゃってもったいないとか言い出して咥えられたときに、俺のも合わせて一回だと叫んでやればよかったんだ。 弄り倒されたせいでそれすら敵わなかったんだけどな…。 散々やられたおしたおかげで敏感になりすぎた体を、駄犬の舌が這う。 乳をねだる赤ん坊のように無心に、だが垂れ流すほどの色気をまとったまま。 「や、はやく…うご…んっ！」 「一回…もうでちゃいそうですけど…！でもでも！イルカせんせにいーっぱいいっぱい気持ちよくなって欲しいから…！俺、がんばりますね！」 意思の疎通はいっそ泣き喚きたいほどにできていない。 全身を俺に摺り寄せてくるおかげで、ぬちゃぬちゃと卑猥な音が響いている。 そのくせ決定的な刺激は与えてはくれないのだ。 中にあるだけで腰が浮くようなじれったい快感はある。 …だが、それじゃ足りない。 意識すら保てないほどの快感を、この体は知っている。 それこそ記憶を奪われたって消せないほどの…いっそ毒に近い悦楽を。 出せそうで出せない苦痛で頭がおかしくなりそうだ。 いっそ自分でしたいくらいだが、駄犬に握り締められていてはそれも叶わない。 締め付けてしまったのは、だからわざとじゃなかった。 早く終わらせたいのと、このもどかしい快感から逃れたくてもがいただけだったのに。 「あ、…く…！せんせ…イルカせんせもいっぱい欲しいんですね…！一回だけなんてやっぱり…足りないでしょ…？」 自分だって随分と苦しそうにしてるくせに、駄犬がえらそうに。 いつもだったら馬鹿みたいにどろどろになるまで出しまくるくせに。 「黙れ！なんでもいいから、さっさと…動け！」 自分の台詞を後悔することになると分かっていて、それでも耐え切れなかったのは…腹立ち紛れだった。 駄犬が切なげに出したいと顔に書いて強請ったわけでは…断じてない。はずだ。 ********************************************************************************* 変態さん。 さらっと ではではー！ご意見ご感想等御気軽にどうぞ！ |