危険な相談

「あー…月が綺麗だなぁ。…早く帰ろ…」
「イルカせんせ」
「え?ああ、こんばんは。カカシさん」
「ね、ちょっと相談に乗ってくれる?」
「…ナ、ナルトが何か…!?いやもしかしてサスケが!?それともサクラが思い余ってサスケに…!?」
「ああ。そうじゃなくて」
「へ?」
「…生徒のことじゃないと、ダメ?」
「い、いえ!そんなことはないんですが!…ただそのう…内容によっては全然役に立たないかもしれませんが…?」
「ん。大丈夫」
「そうですか。えーっと。じゃ、その、こんな時間ですし、日を改めて…」
「…やっぱり、ダメ?」
「わぁ!?ダメじゃないですから!そんなに落ち込まなくても大丈夫です!…散らかってる上に狭いですが、俺んちでも構いませんか?」
「イルカせんせの家、お邪魔したいな?」
「侘しい一人暮らしですから、その辺だけは覚悟しといて下さい…」
「ありがと」
*****
「粗茶ですが」
「イルカ先生は優しいよね」
「…優しいって程じゃないと思いますが…」
「でも、俺の悩み聞いてくれるんでしょ?」
「ええ。まあ。俺でよければ」
「…じゃ、早速だけど」
「わっ!ななななっ!?なにすんですか!?」
「発情期、なんだよねぇ?」
「は、はつ!?いやいやいや!おかしいでしょうが!人間にそんなもん…!」
「だって…イルカ先生見てるだけで我慢できない」
「そりゃなんかの病気です!ええ、絶対に!明日病院行ってきてください!むしろ今すぐ…!」
「病気かも…だって苦しい」
「わー!?こんなことやってる場合ですか!毒!?術!?食あたり!?」
「…最後のがイルカ先生っぽいよね」
「いいから身体動かせますか!?俺に乗っかってるヒマあったら病院!」
「病院?要らないよー?」
「それを決めんのは医者だ!自己判断じゃダメです!いつからですか!」
「ずっと」
「ずっとぉ!?ナニやってたんだー!そんなにほっといて悪化したらどうするんですか!?」
「どんどん…苦しくなってる」
「ぎゃー!?医療班ー!式か!?式なのか!?それとも運ぶべきなのか!?うごかしちゃだめなのか!?」
「イルカ先生を見てるだけで苦しい」
「…へ?」
「俺以外に笑ってるのも、一人で時々凄く寂しそうにしてるのも、全部全部苦しい」
「うえあ!?」
「でね、こうなっちゃうんだよね?もー痛いくらい」
「あ、あたってる!うっぎゃあ!」
「発情期かなぁって。だから相談に乗ってもらおうと」
「乗ってんのは俺の上にだし、発情期は人間にないし、そもそも…訳が分からないんですが!?とりあえず病院行きましょうって!」
「んー?でも、やったら治るかもしれないし」
「ひい!まず同意を得てくれー!」
「あ、そうですね。じゃ、やらせてください。イルカ先生」
「なんだその軽さは!お断りです!」
「うーん?…でも、苦しいまんまじゃ…」
「だから!それ!そんな恋患いに苦しむ乙女みたいなこと言ってないで病院…って!?こいわずらい…!?」
「ああ、なるほど。相談にして良かった。納得です」
「認めていいんですか!?俺男!アナタも男!あと降りてくれー!」
「という訳で。好きです。やらせて下さい」
「前半部分は考えさせてください。後半部分は却下です!」
「なんで?」
「当たり前でしょうが!恋人でもないのにそんなこと…」
「そうですねぇ?結婚を前提にお付き合いからにしましょうか?」
「…ソレも重いです…。というか、だから俺、男なんですけどその辺は…?」
「関係ないかなぁ?だって、欲しい」
「…色々言いたいことはありますが…。とりあえず!退いてください!」
「えー?」
「えー!じゃない!…まずはお友達からです!」
「はぁい。…これから宜しくねー?」
「…ああ…訳が分からん…!」


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