晩夏6(農家)


これの続き。


「なぁなぁイルカ先生!なべ!ぴっかぴかにしたってばよ!」
「こっちも終ったぞ」
二人ともびしょぬれな上に、頭の上にまで洗剤の泡が乗ってるのは気付かなかったことにしてやろう。
取っ組み合いしながらでも、なんだかんだでやることやってくれたようだ。
ま、ムキになっただけかもしれないけど。
「ありがとさん。こっちも終ってるよ」
「おつかれさま!」
ちなみに食器の片付けも当然完璧だ。
渡す端から洗い終わっていく食器を見て、サクラが驚いてたみたいだけど、こっちも事情があるのよね。
大事な大事な…イルカ先生とのいちゃぱらっていう用事が。
「みんなお疲れ様!ありがとな!」
にこにこ笑って頭を撫でるイルカ先生に、みんなくすぐったそうにしながらも嬉しそうにしている。
ま、なんだかんだいってコイツらはまだガキだし、イルカ先生の前だと素直だ。
…ちょーっとメラメラするけど、その辺は譲歩してやろう。
「へへ!がんばったんだってばよ!」
「…飯、美味かった。その、お礼…」
「ふふ!イルカ先生こそお疲れ様!」
とはいえ三者三様にイルカ先生との親密な雰囲気をかもし出している。
ちょっとくっつきすぎでしょ?ああもう!さっさと離れなさいよ!
それだけでもいらいらするっていうのに、イルカ先生は気づいてしまった。
「にしてもお前らびしょぬれじゃないか!まだ暑いっていっても風邪引くぞ?着替え…」
くっ!このままじゃ下手するとお泊りコースか…!?
慌てた俺の耳に飛び込んできたのは、予想外の台詞だった。
「大丈夫だってばよ!今日はこれから修行すんだ!」
「ドベの面倒は俺がみてやるから安心しろ」
…へぇ?どういう風の吹き回し?
普段は嫌って程妨害してくるはずの二人が奇妙に素直だ。
ナルトは大好きなイルカ先生に褒めて欲しいって可能性もあるけど、サスケは確実に俺に向かって言ってる。
裏があるってのは分かるが…長年培った忍の勘からして、悪意を感じない。
一体何があったんだか。
「そうか?でも無理するなよ?」
「おう!大丈夫だってばよ!イルカ先生こそ食いすぎでぶっ倒れるなよな!」
「こいつと修行位大したことない」
「あ、私もいますから!大丈夫ですよ!」
「そうだな!サクラ、無鉄砲な男連中で苦労するだろうけど、頼んだぞ!」
サクラ見てあからさまにホッとしましたね?イルカ先生…。
いや、気持ちは分かるんだけど。
「じゃーなー!カカシ先生!あとイルカ先生―!ご馳走様だってばよ!また一緒に一楽いこうぜ!」
「お邪魔しました。…おいカカシ。無理させるんじゃねぇぞ?」
「お邪魔しました!二人のことは任せといて!…ちょっと!待ちなさいよ馬鹿ナルトー!」
嵐のように食べ、嵐のように片付けて、嵐のように三人とも駆け出していった。
「いっちゃいましたね。楽しそうだし、よかったけど」
「そうですね」
あ、イルカ先生が寂しそうな顔してる。
…いつまでたっても俺の部下でもあるあの子達は…イルカ先生にとってはかわいい教え子なんだろう。それは仕方ない。
妬けるのも事実だけど。
でもどうせなら、」」そこに付け込むしかないよね?
「元気そうでよかったです」
そんなことをいうくせに、その本人がしょんぼりしてる。もう!意地張っちゃって!
「…ね、寂しい?」
「うっ!あ、その…ちょっとだけ」
へへっと照れくさそうに笑って眉をへにょりと下げたりするから、俺は苦しくなる。
切なげな表情はそれだけで夜のこの人を思い出すから。
…邪魔者はもういない。それに俺はもうたっぷり我慢したはずだ。
「側にいます。俺はずっと」
「…はい…!俺、も…!」
抱き寄せても逆らわない。泣きそうな顔で体重を預けてくる。
後はもう、することなんて決まっていた。

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リクエストをいただけたので農家にしてみたり。
次当たりエロスがこいこい!
ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ!

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