惑溺(適当)


なにをやってんだと思ってはいるんだ。我ながら。
「足もっと広げて」
背後から熱っぽい声を吹き込んで、俺を蹂躙する男が腰の辺りをなで上げた。
「ん…っあ…っ!」
鼻にかかった吐息は我ながら卑猥で、だが羞恥よりも快楽を追うコトに夢中になった脳は、ソレすらも興奮の糧とした。
はぁはぁいいながら必死で腰を押し付け合って、合間に体をよじってケダモノじみたキスを交わす。
縋りつく窓の桟は古いせいで鈍く軋んだ音を立て、その窓の外には…無邪気な子どもたちが、コロコロと子犬のように駆け回って遊んでいる。
「気になる?」
そんなこと、男が一番分かっているはずだ。
こんな所でと拒んだ俺を窓に押し付け、強引に行為を進めたのは…この男のくせに。
最初は抵抗した。
…抵抗しなければ易々と流されてしまうのを知っていたからだ。
この男と情を交わすようになって、俺は変わってしまった。
キス一つで簡単に体が溶け出すような快感を与えられ、あっさりと理性が溶ける。
その先が欲しくて奪い合うようにキスを交し、肌を暴く手に溺れて…後はもう発情期の獣のように、互いのことしか見えなくなってしまう。
女の肌は知っていたのに、こんなにもあっさりとソレを上回る快楽を仕込まれてしまうなんて、想像もできなかった。
こんなに、好きになってしまうなんて。
今も唆すように男の手がつながっている所を撫で、ゆるゆると腰を揺さぶる男の手管に、抗いたいとすら思えないでいるのだ。
「早く…っもっと…!」
資料室の澱んでかび臭い空気は、青臭い精の匂いで重く濁っている。
互いに幾度も欲望をはじけさせ、快楽に溺れた証だ。
それなのに、足らない。
続きを求める言葉を吐き、男に縋ることを許されない手で桟を壊しそうなほど握り締めた。
中を一杯にする熱いモノを締め付け、早くソレをよこせと強請ると、男がふぅっと深い溜息を吐いた。
「たまんない…っ」
「ひぅ…!」
その言葉と同時に痛いほど強く捕まれた腰に、男の限界まで膨らみきった肉棒を食まされ、甘い呻きがもれた。
もうダメだ。
こんな所で行為にふけるほど、男に溺れていたつもりはなかったのに。
男を愛していた。だからこそ溺れてしまうのが怖かった。
…遊びでいいとさえ、思っていたのに。
「好き、あいしてる」
どうしたらいい?こんなにも胸が苦しい。
俺の中は男で一杯だ。他のことなど考えられなくなってしまう日が来てしまうんじゃないかと怯えるほどに。
子どものように純粋で必死に愛を請う男から、もう俺は逃げられない。
男が…いつか俺の前から消えてしまうのだとしても。ずっと。
「カカシ、さん…っ!」
縋る変わりにその名を呼んだ。
苦く、苦しいほどの思いと共に。
「ん、全部…俺のだ…!」
身の内を満たす熱いモノを感じて、俺もまた頭が白くなるほどの快感を感じて、意識が遠のく。
「むずかしいことばっかり考えないで、俺のことだけ考えててよ…?」
男に、もうアナタで一杯だといつ伝えよう?
くず折れる体を苦しいほどに抱きしめられながら、俺は甘い闇の中に落ちていった。


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適当!
…あきなのでえろす!←アホ。
ではではー!なにかしらつっこみだのご感想だの御気軽にどうぞー!

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