「イルカせんせ」 「はいはい。なんですか?」 「イールカせんせ!」 「はい?」 「へへ!イルカ先生!」 「だからどうしたんですか?」 「イルカせんせ…」 「…おいこら尻もむんじゃねぇ。とっとと吐きやがれ!」 「…怒った?」 「はぁ…。そりゃあんたこんだけ何度も名前呼んどいて、禄に返事もしなきゃそうなるでしょうが。何も言わなきゃわかんねぇんですよ。こっちは」 「うん」 「甘えんならいいなさい。…なんかあったんでしょう?」 「イルカせんせーがさ、もっとなでてくれたら話す」 「…うぜぇ」 「ひど!」 「酷い人間の膝からは降りますか?なでんのもやめてもいいんですよ?」 「え!だめだめ!」 「はは!…言えないようなもん溜め込んでんなら、さっさと発散するか、とっとと白状すりゃいいのに」 「ん。ごめんね?」 「悪いと思ってないのに謝られるとぶんなぐりたくなるんですが?」 「それはやだなぁ」 「それなら謝らなくていいからほら」 「うん。もっとぎゅーってして?」 「そうそう。そうやって素直に甘えてりゃいいんですよ」 「うん…」 「べそかいたって、誰もみちゃいません。俺の家覗くような暇な奴はいませんから」 「えー?俺はよく…いてっ!」 「あんたか!まさか三日前もですか!?」 「え?なんでわかったの?」 「風呂場の扉から赤い目が覗いてて、物の怪のたぐいか幻術かと思って思わずクナイなげつけちまったでしょうが!しかもクナイは消えるし、落ちたり刺さったりした音もしねぇし…!」 「あ、それね。ありがとう」 「は?」 「お守りに持ってったんだけど、使っちゃった」 「…まあ、いいです。俺の家に妙なもんがこれ以上増えたんじゃないなら」 「変なものってー?」 「エロ本ちゃんと片付けろって、何度言ったら分かるんだ?」 「あれはねー。愛の営みの教科書だから!ね?」 「うるせぇ!今度コタツの中に置きっぱなしにしたら捨てるからな!」 「アレ読みながらコタツでって、色々いいでしょ?」 「なんのはなしだー!?」 「うん。イルカせんせ」 「…拗ねたアンタに何言っても無駄でしたね…」 「え!」 「まあいいや。ほら布団入りなさい。添い寝してあげますよ?」 「はいる!はいります!」 「じゃ、おやすみなさい」 「おやすみなさい」 「…うう…ねむ、い」 「…自分の方が先に寝ちゃってるし。かわいい顔してるし。…おきたら据え膳食べちゃいますよー?」 「うー…うだうだいわねぇで甘えてりゃ良いのに」 「ふふ…!ありがと。イルカせんせ」 ******************************************************************************** 適当。 ご意見ご感想お気軽にどうぞ。 |