悪食(適当)

この世に二つとない最高に美味しいご馳走が毎日食べられる所にあって、いつも違った味わいが楽しめて、また今日も幸せな気分になれると思ってたのに。
「今日はもうしません」
きっぱり言い切られた。
「え!?」
「そんな顔してもダメ。アンタやり過ぎです!」
そういえば、ちょっと痩せたかもしれない。そこら中につけた痕が手首やうなじから覗けてそっちばかりに興奮してたけど。
面やつれした所にも、静かに俺を見つめる瞳にも、キリっとしたその表情にもぐっときたが、断固拒否の姿勢は崩れそうにない。
膝に懐いてうわめづかいでおねだりしても、くっついて身体に手を這わせても、あっさり無視された。
「しつこい」
ただその一言だけで、二の句が継げなくなる。
どうしよう?いますぐにでも欲しいし、我慢なんて出来そうにない。
…でも嫌われたくない。絶対に。
一目見て欲しくて欲しくて我慢できなくて、なりふり構わずその気持ちを告げて、強請って、懇願して、縋るようにしてやっと…ここまできたのに。
「しょうがないですね」
その一言を引き出すまで、沢山、写輪眼が狂っただの、男の尻を追い回すなんて正気かだの色々言われたけど全然気にならなかったのに。
きっと、この人なら一言で俺の息の根を止めてしまう。
「うぅ…」
家に帰ろうか?でも離れてると不安になるし、寂しい。
仕方がないから部屋の隅っこに置いてあるタンスの横にくっついて、イルカ先生を見つめることにしたんだけど。
俺なんかいないみたいにして、黙々となんだかわからない紙切れをいじってるイルカ先生を見てたら涙が滲んできた。
メソメソしてたら、撫でて貰えるだろうか?それとも五月蝿いって怒られるだろうか?
どっちにしろ涙は止まりそうにないんだから仕方ない。
でも怒られてしまうのが怖くいから、膝を抱えて顔をうずめて、イルカ先生からはよく見えないようにしておいたけど。
「はぁ」
ため息はイルカ先生が一生懸命何かを書きこんでいた紙切れを揺らした。
「せんせ?」
なんだろう?その書類はそんなに面倒くさいんだろうか。
涙がそのままなのを忘れて思わず上げてしまった顔の、思ったよりずっと近くにイルカ先生の顔があった。
「泣くようなことですか!全く…全然集中できやしない」
やっぱり怒られてしまった。でも、でもやっぱり俺なんかいらないみたいにされるのは悲しいから涙は止まらない。
それにまたイルカ先生が深く深く溜息をついた。
「アンタ外じゃしゃんとしてるのに…。大体!あんなに俺が壊れそうな抱き方しなくても、アンタから離れたりしませんよ!」
凄いことを言われた。
ずっとほだされて一緒にいてくれるだけだと思ってたのに、離れないでくれるって行ってもらえたのは初めてだ。
「ホント?ホントに?俺のこと、いらなくならない?」
俺の方はもうずっとこの人にメロメロで、離れたら生きていけないとさえ思ってるんだけど。
「側にいますよ」
穏やかな笑み。
それがなぜか胸に突き刺さるほど神々しく見えた。
「せんせ。イルカせんせ」
我慢してたけどやっぱりだめでまたイルカ先生にしがみ付いちゃったら、今度は怒られずに額にキスしてくれた。
「俺がはっきり言わなかったのも悪かったんでしょうが…好きですよ。俺も男だからスルのがイヤばっかりじゃないけど、だからってシテばっかりってのはいただけません」
撫でてもらえて頭の中が沸騰しそうなくらい嬉しくて興奮した。
今すぐにも突っ込んで喘がせて…それからイク瞬間のあの蕩けた忘我の表情を楽しみたい。中に全部吐き出して汚して、俺のモノだって感じたい。
でも、そうか。ずっと一緒にいてくれるのか。
…なら、今は我慢できる。
「したいけど。ずーっといつでもしたいけど、我慢します!」
元気良く…ってイルカ先生が言ってくれそうな位の勢いで決意表明したら、ちょっと困ったような顔で笑ってくれた。
「アンタのそういう所に惚れちまったんだから、俺も悪食だ」


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適当ー!
この所あついので。←そればっかり。
ではではー!なにかしら突っ込みやらご感想などございましたら、御気軽にどうぞ!!!

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