秋口の攻防（子イルカ）

「最近朝晩冷えるようになったよなー。任務中は平気だがやっぱり普通にしてると寒い。」
「そうだな…お前は頭以外の毛が薄いから、寒さが堪えるよな…。」
「毛の話題は止めろ！俺は別に毛深くなんかなりたく…」
「あ…！ごめん。ナイーブなカカシの心についうっかり！」
「違うと言ってるだろうが！」
「まあそう怒るな！そんなカカシに…ぴったりの晩飯の用意が出来たぜ！！！」
「なによもう？また肉でしょ？どうせ。」
「もっちろん！肉もたっぷり食えるぜ！！！野菜もな！」
「え？なにこれ。」
「スペシャルカカシ鍋だぜ！！！」
「…俺が鍋の具材みたいだからソレは止めろ。…あと、普通の鍋と変わんなくないか？」
「ちっちっちっ！よーく見てみろ！」
「…野菜に、肉…コレ豚肉か？それに、中華麺か。そういや、鍋の〆に中華麺って珍しいかもな」
「それだけじゃないんだぜ！！！」
「何でもいいから早く食って修行するぞ！」
「そう慌てるなって！この…特製のたれをひとたび口にすれば思わずほっぺたが落ちるどころか走り出しちゃ…」
「禁術か！？それとも札か！？正直に白状しろ！」
「カカシは演技に生きるものなのになぁ…。この表現が分からないなんて、やっぱり疲れて…まあいいや！元気出すためにも、俺のちょっとした自信作！さあ食え！」
「もが！？あちっ！うわ、このたれ美味い…！…って！なんでこうこっちの腕ばかり…！」
「へへ！ちゃーんと試作品でチェックしたからな！どんどんがつがつしっかり食えよ！！！」
「…ちょっとまて、試作品って…？俺、そんなもん食わされた覚えはないぞ？まさかまたいつの間にか適当に作ったもん食わせようと…！」
「ああ、ちょっとク…いや、その、気にするな！」
「気にするに決まってるだろうが！クマはどこだ！無事なのか！？」
「んー？まあ無事というかそこそこ元気というか…今日ももさもさしてるぜ！！！激しく男らしく雄雄しく！！！」
「そこは元気のバロメータにならないだろうが！あいつは具合悪かろうが元気だろうが、いつだって無駄に毛深いんだよ！何処に隠してるんだ！さっさと言え！」
「…アスマ兄ちゃんのことそんなに心配するなんて…アスマ兄ちゃんちの子になりたい…？」
「誰がなるか！クマは大分老いて見えるが俺とそうたいして年も変わらん！大体、俺は自分で生活できる！いい加減飼い犬扱いは…」
「ならいいか！じゃ、ステキファッションに身を包んだちょっとだけご機嫌斜めなアスマ兄ちゃんを披露しちゃうぜ！！！」
「前置きはいいからさっさと…クマ！？」
「似合うだろ？カカシの誕生日の時に着せてやろうと思って用意したヤツの別バージョンだぜ！！！」
「いっそ…俺の記憶を消してくれ…！」
「いいから解け！箒頭！」
「似合ってるぜ！アスマ兄ちゃん！その…もさもさ着ぐるみ桃色バージョン！！！」
「壮絶な破壊力だ…！」
「俺だって着たくて着てるわけじゃない！飯食わされた後いきなり眠くなって気がついたら…」
「イルカの策略ぐらい気付きなさいよ！あんた一応上忍でしょ！？」
「そんなもん想像するわけねぇだろうが！俺は…もっとちっちぇえ時からコイツのことを見てきてんだぞ！…なんだってこんな…！いいから解け！」
「赤いリボンがポイントだぞ！かわいいだろ！」
「「さっさと解け！」」
「おうとも！さあ！このリボンのうちのどっちかが当たりだ！」
「赤と…青か。クマ、ちょっとだけ覚悟しとけ。」
「わー！？馬鹿！普通に解けイルカ！箒頭！てめぇ後でおぼえてろよ！？」
「じゃ、…ていっ！」
「おおおおおお！あったりー！！！！さっすがカカシだぜ！！！」
「うぎゃあ！？」
「…クマ…。」
「デザイン変わって今度はうさちゃんだぜ！桃色でかわいいだろ！」
「強烈に似合わないから早く解いてやれ。」
「誕生日バージョンの方が良かったか？」
「リアルにその道のおっさんたちにモテモテになりそうなハードレザークマは異常に不愉快だった。…俺はそっち系に興味ないから二度とやるな。」
「そっか…演技に生きるカカシの採点はやっぱり厳しいな…！」
「とりあえず飯。食わせてくれ。…それから色々考える。」
「おうとも！たーっぷりあるからな！肉！」
「わー！？こら待て！解いてけー！！！…って、もういねぇし…！なんなんだー！」

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子イルカ的秋のすごしかた？
とりあえず、クマさんは食後のイラついたカカシに開放してもらえますが、その後危険生物子イルカとの修行で、的として大活躍するは芽になったりして…！？
ではではー！ご意見ご感想など、お気軽にどうぞー！