バレンタインの戦跡（子イルカ）

「ただいま。」
「おかえりー！！！へへ！ちょっとコレ見てみろよ！カカシ！！！」
「これ、全部チョコなのか…！？」
「すごいだろ！俺の努力の賜物だぜ！！！」
「ダンボール一杯チョコだらけ…。こんなに沢山どうする気なんだ！」
「え？食うよ？」
「…そういえばお前結構甘いもの食うもんな…。」
「カカシにもちゃーんと何か作ってやるから！そう拗ねるなって！」
「拗ねてない！…その前に、努力の賜物って…イルカ！またなんかやらかしたのか！？例のタキシードは没収したはずなのに…！」
「えー？別に？バレンタインが近くなった頃辺りに、商店街とかでチョコ大好きって言っとくと、おばちゃんたちが結構くれるんだ！」
「…お前、本当にあの年齢層に強いよな…。」
「でさ、近所のおばあちゃんとかも毎年くれるし、あとじいちゃんも！！！」
「…それ、普通のチョコだったか…？」
「普通？うん。何か霧の箱に入ってたけど、チョコはチョコだったぜ？」
「なら、まあ…。ましか。」
「でさ！モテる男の心得ってヤツも教わってきたぜ！！！」
「…今度、いっしょに三代目の所行くぞ。」
「なんで？ちゃんとカカシの分もとってあるよ？」
「いいから。…また子どもに変なこと教えやがって！あの爺…っ！」
「あ、そうだ！カカシに忘れ物―！」
「ナニよ？…もがっ！？あ、チョコ味。へぇ。そんなに甘く無くて美味い。」
「カカシ好みの大人向けビターガナッシュたっぷり！チョコ饅頭だぜ！！！」
「また妙なもんを…！美味いけど。」
「そうかそうか！まだあるぞ！どんどん食え！」
「いらん！…その前に…ほら。お前の分。」
「あ、チョコ！やったぜ！！！」
「あれだけあればいらないかと思ったけど、約束したから一応な。」
「へへ！ウマそう…！後でお茶入れるからデザートにしような！まずは飯だ！」
「はいはい…。」
「ちょっとまってろよー！！！」
「…まあ、被害は思ったより少なかったみたいだし、よしとするか。」

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しばらくチョコまみれの日々が続きそうなうみの家。
戦利品沢山でホクホクの子イルカだったとさ。
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